【薬局向け】2026年6月改定 5/18届出 3日アクションプラン|掲示ナビ ブログ | 掲示ナビ【薬局向け】2026年6月改定 5/18届出 3日アクションプラン


2026年6月改定に向けた施設基準の届出は、令和8年5月7日(木)から6月1日(月)必着で受付が始まっています。厚生労働省は混雑回避のため、可能な限り 5月18日(月)まで に届出するよう案内しています。
薬局向けには、医科・歯科とは別建ての「別添4(薬局用)」として、新設9項目+要件変更3項目=合計12項目のチェックリストが4月20日付の事務連絡で公表されました(項番1〜10と項番12が令和8年6月1日期限、項番11のみ令和10年6月1日期限)。さらに、別添4 には掲載されていないものの、要件を満たすうえで論点になる新設加算が存在します。それが「電子的調剤情報連携体制整備加算(月1回に限り 一律8点)」です。旧「医療DX推進体制整備加算」の薬局版が再編・改称されたもので、チェックリスト本体に項目が無いため、見落としやすい論点です。
ただし、この加算は すべての薬局が新規届出を要する わけではありません。令和8年5月31日時点で旧「医療DX推進体制整備加算」を算定中の薬局 は、特掲診療料施設基準等の経過措置原則(「名称のみが改正されたものを算定する場合を含み、新たな届出を要しない」)により、原則として新たな届出は不要です。新規に算定する薬局のみが、6/1必着で別途届出を行う必要があります。
この記事では、薬局の小規模体制(管理薬剤師が自ら届出書を準備するケース)を前提に、別添4 12項目+電子的調剤情報連携体制整備加算 を1項目ずつ深掘り したうえで、連続3日で完了する短縮アクションプラン までを網羅します。シリーズ第1弾(医科向け)・第2弾(歯科向け)と合わせて、自局の状況に合わせてご活用ください。
4/20 事務連絡 別添4(薬局用)の位置づけ
別添4 は何のための資料か
令和8年4月20日、厚生労働省保険局医療課が地方厚生(支)局医療課宛に事務連絡を発出し、施設基準届出チェックリストの 別添1(病院用)から 別添5(訪問看護用)まで5種類のExcelチェックリストを送付しました。薬局は 別添4 を確認します。
このチェックリストは、各厚生局のホームページ等で公開・運用するために配布されたもので、「届け出漏れを起こしやすい新設項目・要件変更項目」を網羅的にリストアップしています。なお、別添4(薬局用)は 5/1 付チェックリスト訂正の対象外 であり、4/20 版が現行最新版です(別添1〜3 の一部に訂正あり)。提出前には念のため管轄厚生局HPから最新版の有無を再確認してください。
重要:チェックリスト自体を厚生局に提出しても届出にはなりません。 別添4 の冒頭にも「当該チェックリストを所管の各地方厚生(支)局に提出しても施設基準を届出したことにはなりません。各施設基準ごとに要件を満たした上、各地方厚生(支)局へ届出期限までに届出様式を提出ください」と明記されています。
チェックリストは「自局がどの届出様式を出さなければいけないか」を棚卸しするためのツール、と位置づけてください。
薬局専用に別添4 が用意されている理由
薬局は、医科・歯科とは別建ての施設基準・届出様式が多く設けられています。たとえば「調剤ベースアップ評価料」「地域支援・医薬品供給対応体制加算」「バイオ後続品調剤体制加算」「在宅薬学総合体制加算」など、医科・歯科診療所には存在しない項目があります。
医科向けの 別添2 や歯科向けの 別添3 を見ても薬局の項目は載っていません。 のが効率的です。

自局専用の別添4 を取り寄せ、それだけを軸にチェックする
別添4(薬局用)12項目を1個ずつ深掘り
別添4 には 新設9項目・要件変更3項目 の合計12項目が掲載されています。届出期限は項番1〜10と項番12が令和8年6月1日、項番11のみ令和10年6月1日です。以下、項目ごとに要件・点数の見方・実務上の落とし穴を整理します(点数・要件の細部は管轄厚生局および疑義解釈で必ず最終確認してください)。
新設①〜⑤ 地域支援・医薬品供給対応体制加算1〜5
旧「地域支援体制加算1〜4」と「後発医薬品調剤体制加算1〜3」を 統合・再編 した5段階構造の加算が新設されました。加算1(27点)が最下位=基礎要件 で、加算2〜5を算定するための前提(二階建て構造の1階部分)となる位置づけです。点数構造は次のとおりです(管理薬剤師.com・psft.co.jp 等の業界解説で確認)。
| 区分 | 点数 | 役割 |
|---|
| 加算1 | 27点 | 基礎要件(旧「後発医薬品調剤体制加算」相当の役割。加算2〜5を算定する前提) |
| 加算2 | 59点 | 調剤基本料1 薬局向け |
| 加算3 | 67点 | 調剤基本料1 薬局向けの 最上位 |
| 加算4 | 37点 | 調剤基本料2・3 等の薬局向け |
| 加算5 | 59点 | 調剤基本料2・3 等の薬局向けの 最上位 |
調剤基本料1薬局では加算3、調剤基本料2・3 等の薬局では加算5 が、それぞれの最上位区分という二階建て構造になっています。各区分には24時間対応、在宅実績、医薬品備蓄品目数、研修体制、地域連携実績などの施設基準が定められています。
- 加算1(27点・基礎要件) は、旧「後発医薬品調剤体制加算1〜3」を届け出ていた薬局が引き継ぎやすい区分(後述「後発医薬品調剤体制加算 廃止」参照)
- 加算3(67点)/加算5(59点) など最上位区分は、24時間対応や複数薬剤師体制、在宅実績件数など要件が厳格
- どの区分で届出するかは、過去12ヶ月の実績 で決まるケースが多く、5月上旬時点で実績集計を始めておく必要あり
- 令和8年5月31日時点で旧「地域支援体制加算1〜4」を算定中の場合は、原則として新たな届出は不要(特掲診療料施設基準等の経過措置原則によるみなし規定)。ただし新区分(1〜5)の番号は旧加算とは直接対応せず、令和8年6月以降の実績で要件を満たさなくなった場合や、より上位区分を算定する場合は変更届出が必要
「旧加算1だったから自動的に新加算1」と判定するのは危険です。みなし規定は「該当する区分を引き続き算定する」ことを前提にしているため、算定区分の判定そのものは新基準の告示・通知で要件を1つずつ確認 してください。
後発医薬品調剤体制加算は廃止 → 加算1 へ統合
今期改定で 後発医薬品調剤体制加算(旧加算1〜3)は廃止 され、地域支援・医薬品供給対応体制加算1(27点)に統合されました。令和8年3月31日時点で旧後発医薬品調剤体制加算1〜3 のいずれかを届け出ていた薬局 は、明示的な経過措置告示により 令和9年5月31日まで 新加算1の「第十五の四の(1)のロ」要件を満たすとみなされます。
「現に後発医薬品調剤体制加算を算定中」の薬局は、新たな届出を行わなくても令和9年5月31日までは新加算1の基礎要件を満たす扱い になりますが、新加算1(27点)を実際に算定するためには新加算1の届出が必要となるケースがあるため、管轄厚生局へ要件確認のうえ手続きの要否を判断してください。
新設⑥ バイオ後続品調剤体制加算
バイオシミラー(バイオ後続品)の調剤実績を評価する加算です(50点)。バイオ後続品の調剤割合 が要件として組まれており、過去一定期間の調剤実績を集計したうえで算定可否を判定します。
レセプトデータからバイオ後続品の調剤回数を抽出する必要があるため、レセコンベンダーへ抽出方法を確認しておきます。割合計算の分母・分子の定義(対象薬効分類、期間)は告示・通知で必ず確認してください。
新設⑦ 門前薬局等立地依存減算
▲15点の減算項目です。新規開設薬局や、特定の医療機関への処方箋集中率が高い薬局に対する減算です。算定対象となるケースの定義(処方箋集中率の閾値、開設からの期間、特定医療機関の定義など)が告示で示されています。
ただし、経過措置として 本減算は令和8年6月1日以降に新規開設する薬局に限り適用 され、令和8年5月31日時点で既に保険指定を受けている薬局は、当面の間、減算対象外 とされています。「減算なので算定したくない」と考えるのが自然ですが、新規開設で該当する場合は届出義務が発生する構造です。自局が該当しないことの確認も含め、集中率の計算結果を5月上旬に押さえておく 必要があります。
新設⑧ 服薬管理指導料の注1に規定する施設基準
服薬管理指導料を算定するための前提となる施設基準が、注1で改めて規定されたものです。薬剤師の研修受講、調剤録・薬歴の管理体制、患者への情報提供方法などが要件として組まれます。現に服薬管理指導料を算定している薬局は、ほぼ全局が届出対象 になる可能性が高い項目です。
「これまで届出不要だったから今回も不要」と判定せず、新設の施設基準として改めて届出書を準備してください。
新設⑨ 調剤ベースアップ評価料
- (I)(II)区分なし、単一の評価料 として運用(医科・歯科のベースアップ評価料(I)(II)とは構造が異なる)
- 様式103(届出)+ 様式104(実績報告:別添1または別添2) の構成
- 点数:処方箋受付1回につき4点(令和9年6月以降は所定点数の100分の200に相当する点数 = 実質8点)
- 実績報告は毎年8月。複数の保険薬局で集約して報告する場合は様式104の別添2 を使用
「調剤ベースアップ評価料(I)」「(II)」と書かれた解説を見たら、それは古い情報か誤記 の可能性が高いです。届出時には(I)(II)区分なしの様式103 で進めてください。
要件変更⑩ 調剤基本料1(注1ただし書 第89の1(2))
調剤基本料1 のうち、第89の1の(2)に該当する場合 の施設基準の見直しです。期限は令和8年6月1日。具体的な該当条件は基本診療料の施設基準等告示で確認してください。算定中の薬局は、新基準で届出書を再作成して提出します。なお、令和8年5月31日時点で算定中であっても、要件変動が無ければ経過措置(特掲診療料の届出に関する原則)の対象 となる場合がありますが、別添4 では本項を再届出対象として案内しているため、案内に沿って届出書を整備するのが安全です。
要件変更⑪ 調剤基本料1(注1ただし書 第89の1(1))
期限は 令和10年6月1日(先の話)。同じく調剤基本料1の注1ただし書ですが、項番10 と項番11 はどちらも「調剤基本料1(注1のただし書)」を対象としつつ、項番10(第89の1の(2)型)は令和8年6月1日期限、項番11(第89の1の(1)型)は令和10年6月1日まで経過措置 が適用される、という違いです。該当薬局は今期に届出を急ぐ必要はありませんが、チェックリスト上の位置だけ把握しておいてください。
要件変更⑫ 在宅薬学総合体制加算(再届出は加算2のみ明示)
在宅薬学総合体制加算は、加算1・加算2 ともに今期改定で点数・区分の見直しが入りますが、別添4 項番12 で再届出が明示的に必要なのは加算2のみ です。
- 加算1:15点 → 30点(ほぼ倍増)
- 加算2:「イ(単一建物診療患者1人又は単一建物居住者1人)100点(新設区分)/ロ(イ以外)50点」に区分新設
加算1 については、令和8年5月31日時点で算定中であれば、特掲診療料の経過措置原則により原則として新たな届出は不要です(要件変動が生じる場合は変更届出が必要)。
加算2 の新要件で届出書を作成する際は、過去12ヶ月の在宅実績件数を再集計する必要があるため、5月上旬の早めに実績抽出を済ませておくと作業がスムーズです。
別添4 にない「電子的調剤情報連携体制整備加算」[新設] — 必ず追記
別添4 12項目には掲載されていませんが、薬局向け新設加算として「電子的調剤情報連携体制整備加算」が用意されています。旧「医療DX推進体制整備加算」の薬局版が再編・改称されたもので、医療DX対応の進展を評価する加算です。
経過措置(最重要)
- 令和8年5月31日時点で旧「医療DX推進体制整備加算」を算定中の薬局 は、特掲診療料施設基準等の経過措置原則(「現に当該特掲診療料を算定している保険医療機関及び保険薬局において、引き続き当該特掲診療料を算定する場合(名称のみが改正されたものを算定する場合を含む)には、新たな届出を要しない」)により、要件を満たしていれば 原則として新たな届出は不要 です。
- 新規に算定する薬局 のみ、6月1日必着で別途届出が必要です。
「すべての薬局が一律で再届出必要」という解釈は誤りなので、自局がどちらに該当するかを最初に切り分けてください。
点数
- 一律8点(月1回に限り) :区分なしの単一加算で、月1回限り算定。
主要要件
- オンライン資格確認システム経由で診療情報を閲覧・活用できる体制 — マイナ保険証等を通じた診療情報・薬剤情報・健診情報の取得と、それを服薬指導等に活用できる体制
- 電子処方箋管理サービスへの接続と全調剤結果(紙の処方箋を含む)の速やかな登録 — 電子処方箋・紙処方箋を問わず、調剤結果を電子処方箋管理サービスに速やかに登録すること
- 電子処方箋システムによる重複投薬等チェック体制 — 電子処方箋管理サービスを通じた重複投薬・併用禁忌チェックの運用
- 電磁的記録(電子薬歴)による薬剤服用歴等の管理体制 — 紙薬歴のみではなく、電子薬歴により服薬指導記録・薬歴を管理できる体制
- マイナ保険証利用率30%以上(計算方法の詳細は告示・疑義解釈で確認のこと) — 過去の一定期間における利用率実績
実務上の落とし穴
- 別添4 12項目には載っていないため、「チェックリストに無いから関係ない」と誤判定 しやすい
- 旧加算を算定中なら原則届出不要、新規算定なら別途届出必要、と 算定区分による切り分け がまず必要
- マイナ保険証利用率は 施設基準通知では「算定月の3か月前のレセプト件数ベース」が原則 で、その 前月(4か月前)または前々月(5か月前)のレセプト件数ベース でも代替可能(令和6年度改定の旧医療DX推進体制整備加算の解釈を継続)
- 30%という閾値は薬局として比較的高めなので、直近の利用率を5月上旬に集計 し、達成見込みの判定が必要
- 月1回限り算定なので、処方箋受付ごとには算定できない 点を会計フローに反映
- 電子処方箋への対応は薬局システム側の設定が必要。システムベンダーへの問い合わせが間に合うか早めに確認
利用率の最終要件・閾値および点数は管轄厚生局および最新の疑義解釈で必ず確認してください。
薬局の届出様式(様式103/104 の使い分け)
注釈:以下で「別添1」「別添2」と記載しているのは、いずれも 様式104 の配下に置かれた別添(実績報告書のフォーム種別) を指します。事務連絡の別添1〜5(病院用・医科用・歯科用・薬局用・訪問看護用のチェックリスト)とは別物ですので混同しないでください。
様式103(届出本体)
調剤ベースアップ評価料を算定する場合、様式103 で施設基準を届け出ます。点数は処方箋の受付1回につき4点(令和9年6月以降は所定点数の100分の200に相当する点数 = 実質8点)です。
届出書には、対象職員の範囲(40歳未満の勤務薬剤師、事務職員等。経営者・法人役員・管理者(薬局の管理薬剤師)・40歳以上の薬剤師・業務委託により勤務する者は除く)、賃金改善計画、改善見込み額などを記載します。算定する処方箋の受付回数の見込み に応じて、月当たりの収入増加額を試算しておくと、賃金改善計画の整合性が取りやすくなります。
様式104の別添1(実績報告:単独薬局)
算定開始後、毎年8月に前年度の賃金改善取組状況を評価して 様式104の別添1 で「賃金改善実績報告書」を作成し、地方厚生(支)局長に報告します。単独薬局の場合はこちらを使用します。
報告内容は、計画と実績の対比、対象職員ごとの賃金改善実績、未達の場合の理由などです。書類は当該評価料を算定する年度の終了後3年間保管 する必要があります。
様式104の別添2(実績報告:複数薬局集約)
複数の保険薬局で集約して報告する場合は 様式104の別添2 を用います。法人内で複数薬局を運営している場合、グループ単位で集約報告ができる構成です。
ここで重要な注意点があります。令和8年度改定の調剤ベースアップ評価料は (I)(II) のような区分はなく、単一の評価料 として運用されます。届出は 様式103(届出本体)+ 様式104(実績報告:別添1または別添2) の構成です。歯科外来・在宅ベースアップ評価料には(I)(II)の区分がありますが、調剤側にはこの区分はないため、混同しないよう注意してください。
「現に算定中も再届出必要」のルール(4/24 事務連絡)と経過措置の整理
「現に算定中でも再届出が必要」という論点は、ベースアップ評価料系に限った例外的取扱い であり、薬局のすべての加算に一律適用されるわけではありません。誤解されやすいポイントなので、ここで整理します。
再届出が「必要」と明示されているのは ベースアップ評価料
令和8年4月24日に発出された厚生労働省保険局医療課 事務連絡では次のように明記されています。
令和8年度診療報酬改定以前にベースアップ評価料に係る届出を行っており、引き続き令和8年6月1日以降もベースアップ評価料を算定する保険医療機関等であっても、施設基準において求められる内容が変更されていることから、令和8年6月1日までに改めてベースアップ評価料の届出を行う必要があることに留意されたい
この再届出ルールは、調剤ベースアップ評価料を含む、すべてのベースアップ評価料・支援料(外来・入院・歯科外来在宅・歯科技工所・調剤)に適用されます。「すでに算定しているから不要」と思い込まず、必ず期限内に再届出してください。
それ以外の加算は経過措置(みなし規定)が原則
特掲診療料施設基準等の経過措置原則では、「令和8年5月31日現在において現に特掲診療料を算定している保険医療機関及び保険薬局において、引き続き当該特掲診療料を算定する場合(名称のみが改正されたものを算定する場合を含む)には、新たな届出を要しない」と定められています。
このため、薬局の主要加算については以下のように整理できます。
- ベースアップ評価料系:4/24 事務連絡で例外的に 再届出が必要(明示)
- 地域支援・医薬品供給対応体制加算(旧地域支援体制加算):令和8年5月31日時点で旧加算を算定中なら 原則新規届出不要(みなし規定)。ただし上位区分への移行・要件未達時は変更届出が必要
- 電子的調剤情報連携体制整備加算(旧医療DX推進体制整備加算):旧加算を算定中なら 原則新規届出不要(名称改正の経過措置)
- 調剤基本料1:令和8年5月31日時点で算定中なら原則新規届出不要(別添4 項番10 の案内に従い書類整備が望ましい)
- 在宅薬学総合体制加算:加算1 は経過措置でみなし、加算2 のみ別添4 項番12 で再届出明示
- 後発医薬品調剤体制加算(旧加算1〜3・廃止):令和8年3月31日時点で旧加算1〜3 のいずれかを届け出ている場合、令和9年5月31日まで 新加算1(地域支援・医薬品供給対応体制加算1)の「第十五の四の(1)のロ」要件を満たすとみなされる(明示的経過措置)
要するに、「再届出絶対必要」と覚えるのはベースアップ評価料系(外来・入院・歯科外来在宅・歯科技工所・調剤)だけ。それ以外は 算定中なら原則届出不要、要件変動が生じれば変更届出 という二段構えで判定するのが正確です。
薬局の3日アクションプラン
薬局では、管理薬剤師が自ら届出書を準備するケースが多くあります。5/7(木)から 5/15(金)の間で連続3日を確保し、5/15 までに発送 すれば 5/18(月)着で間に合います(郵送日数からの目安。最終期限は6/1必着)。
| 日 | 作業内容 |
|---|
| Day 1 | 別添4 を厚生局HPからダウンロードし、12項目に該当する項目に印を付ける。併せて電子的調剤情報連携体制整備加算(別添4外)の算定区分(旧加算算定中か新規か)を切り分け。賃金台帳・人件費データ集計+マイナ保険証利用率の直近実績を抽出(算定月の3か月前を基本に、前月(4か月前)または前々月(5か月前)でも代替可)。バイオ後続品の調剤実績、処方箋集中率の集計も実施 |
| Day 2 | 該当項目ごとの届出様式を厚生局HPから取得(最新版か必ず確認)。様式103(調剤ベースアップ評価料)の主要項目を記入。地域支援・医薬品供給対応体制加算1〜5 の該当区分判定(過去12ヶ月の実績で確定。みなし規定でも上位移行する場合は変更届出が必要)。電子的調剤情報連携体制整備加算(別添2 様式87の3の6)の要件最終確認(新規算定の場合)。在宅薬学総合体制加算2 の再届出書類整備、バイオ後続品調剤体制加算、門前薬局等立地依存減算の該当判定 |
| Day 3 | 局内で最終確認。研修受講証、在宅実績一覧、集中率計算書等の添付資料を整理。押印・署名欄を埋める。管轄厚生局のメール提出ルール確認。ファイル名整備(薬局コード_届出名の形式)。メールまたは郵送で提出(5/15(金)までに発送すれば 5/18(月)着 ※郵送日数からの目安)。法定期限は6/1必着 |
電子申請が始まるのは5月25日(月)からです。それ以前に提出する場合は、各厚生局のメール提出または郵送になります。スケジュールに余裕がある場合は5/25以降の電子申請を選んでも問題ありません(最終期限は6月1日必着)。
経過措置(みなし規定)の活用で実際の届出書作成数は減らせるケースが多いので、最初に算定区分の切り分けを丁寧に行うのが時短のコツです。
厚生局へのメール提出ルール
九州厚生局のメール提出運用(参考例)
九州厚生局のベースアップ評価料届出運用では、「メールにて提出」が原則とされています(書面による提出も可能)。提出先は福岡県(指導監査課)から沖縄県(沖縄事務所)まで、8県の各事務所の専用メールアドレスです。
ファイル名については、「医療機関コード及び届出の名称を記載」するとされており、薬局の場合はたとえば次のような付け方が指定されています。
冒頭の数字は薬局コード(医療機関番号7桁)、アンダースコア、届出の名称、拡張子、という構造です。
注意:ファイル名規則・提出先メールアドレスは厚生局ごとに運用が異なる可能性があります。読者の管轄厚生局の都道府県事務所ページを必ず確認 してください。関東信越・東海北陸・近畿・北海道・東北・中国四国の各厚生局も、同様にメール提出運用を採るケースが多いものの、ファイル名のフォーマットや件名のルールは異なる場合があります。
メール提出時のチェックリスト
- 件名のフォーマット(薬局名・コード・届出名)が厚生局指定どおりか
- ファイル名が指定の形式になっているか
- 添付ファイルのサイズ・形式が指定どおりか
- 提出先メールアドレスが管轄厚生局のものか(他厚生局のアドレスを誤用しない)
- 送信後、自動受付メールや受付通知の有無を確認する
- 1通のメールで送れる届出件数の上限有無(複数加算をまとめて送る場合に注意)
メール提出は郵送と比べて到達証跡が残りにくいケースもあるため、送信記録(送信トレイのスクリーンショット等)を保管しておくと安心です。
よくある質問・間違い
Q1. 別添4 は厚生局へ提出する必要がありますか?
いいえ、必要ありません。別添4 のチェックリストは「届け出漏れを防ぐための確認ツール」です。実際の届出は、各施設基準ごとの様式(様式103・104 等)を厚生局へ提出する必要があります。チェックリストの提出は届出ではない点に注意してください。
Q2. すでに調剤ベースアップ評価料を算定しています。再届出は本当に必要ですか?
必要です。4月24日 事務連絡で「現に算定中の保険医療機関等であっても、施設基準において求められる内容が変更されていることから、令和8年6月1日までに改めてベースアップ評価料の届出を行う必要がある」と明示されています。調剤ベースアップ評価料も対象です。
Q3. 様式103 と 様式104 の使い分けがわかりません。
様式103 は「届出本体」、様式104 は「実績報告書」です。届出時には様式103 を提出します。算定開始後、毎年8月に前年度の賃金改善実績を評価して様式104(別添1または別添2)を提出します。複数薬局を集約して報告する場合は様式104の別添2 を使います。届出と実績報告は時期が異なるため、まずは様式103 の準備に集中してください。
Q4. 電子的調剤情報連携体制整備加算は、別添4 に載っていないので届出不要ですよね?
算定区分による が正解です。電子的調剤情報連携体制整備加算(月1回 一律8点)は別添4 12項目には掲載されていませんが、新設加算なので算定区分に応じて取扱いが分かれます。
- 令和8年5月31日時点で旧「医療DX推進体制整備加算」を算定中の薬局 は、特掲診療料施設基準等の経過措置原則(「名称のみが改正されたものを算定する場合を含み、新たな届出を要しない」)により、要件を満たしていれば 原則として新たな届出は不要 です。
- 新規に算定する薬局 のみ、6月1日必着で別途届出(別添2 様式87の3の6)が必要です。
要件はオンライン資格確認・電子処方箋管理サービスへの接続と全調剤結果の登録・電磁的記録(電子薬歴)の管理体制・マイナ保険証利用率30%以上などで、利用率は 施設基準通知では「算定月の3か月前のレセプト件数ベース」が原則。前月(4か月前)または前々月(5か月前)のレセプト件数ベース でも代替可能です(令和6年度改定の旧医療DX推進体制整備加算の解釈を継続)。「チェックリストに無い=一律不要」と判定すると、新規算定時に届出漏れになります。詳細は管轄厚生局および最新の疑義解釈で確認してください。
Q5. 5月18日を過ぎても提出できますか?
法的な届出期限は6月1日(月)必着です。5月18日(月)はあくまで「混雑回避のための推奨期限」です。ただし、5月下旬は届出が集中して厚生局側の処理が追いつかず、6月1日に間に合わなくなるリスクがあります。なるべく5月18日までの提出を推奨します。
Q6. 電子申請はいつから使えますか?
令和8年6月診療分の施設基準届出に係る電子申請は、令和8年5月25日(月)受付開始です。それ以前(5月7日〜5月24日)に提出する場合は、メールまたは郵送(厚生局による)になります。電子申請を待ってから提出する場合は、6月1日必着であることを忘れずに余裕を持って準備してください。
Q7. 別添4 項番11(調剤基本料1 第89の1(1))の期限が令和10年6月1日になっていますが、放置していいですか?
放置で構いません(今期の届出対象ではありません)。項番10(第89の1の(2)型)と項番11(第89の1の(1)型)はいずれも「調剤基本料1(注1のただし書)」を対象としますが、項番10 が令和8年6月1日期限であるのに対し、項番11 は令和10年6月1日まで経過措置が適用されています。令和8年6月1日までに対応すべきは項番10(第89の1(2))と項番12(在宅薬学総合体制加算2)です。チェックリスト上の項番位置だけ把握しておけば十分です。
Q8. 旧「地域支援体制加算」を算定中です。新しい区分には自動的に移行されますか?
令和8年5月31日時点で旧「地域支援体制加算1〜4」を算定中の場合は、原則として新たな届出は不要 です(特掲診療料施設基準等の経過措置原則によるみなし規定)。ただし、新区分(地域支援・医薬品供給対応体制加算1〜5)の番号は旧加算とは直接対応していないため、令和8年6月以降の実績で要件を満たさなくなった場合や、より上位区分を算定する場合は変更届出が必要になります。「自動的に新加算1へ昇格」のような取扱いではなく、「現に算定している区分に対応するみなし」と理解してください。
なお、後発医薬品調剤体制加算(旧加算1〜3)は今期改定で廃止 され、地域支援・医薬品供給対応体制加算1(27点)に統合・再編されました。令和8年3月31日時点で旧後発医薬品調剤体制加算1〜3 のいずれかを届け出ていた薬局 は、明示的な経過措置告示により 令和9年5月31日まで 新加算1の「第十五の四の(1)のロ」要件を満たすとみなされます。
まとめ
薬局の2026年6月改定対応は、「医科向け」「歯科向け」の解説では拾いきれない固有の様式と項目があります。本記事のポイントを最後に整理します。
- チェックリストは 別添4 の12項目 を確認する(新設9項目+要件変更3項目/項番1〜10と12が6/1期限、項番11のみ令和10年6/1期限)
- 電子的調剤情報連携体制整備加算(月1回 一律8点) は別添4 12項目には載らないが新設加算。令和8年5月31日時点で旧「医療DX推進体制整備加算」を算定中なら経過措置で原則届出不要、新規算定なら別途届出必要(別添2 様式87の3の6)
- 旧「地域支援体制加算」と「後発医薬品調剤体制加算」が「地域支援・医薬品供給対応体制加算1〜5」に統合・再編。加算1(27点)が最下位=基礎要件、加算3(67点・調剤基本料1薬局の最上位)/加算5(59点・調剤基本料2・3薬局の最上位)の二階建て構造。令和8年5月31日時点で旧加算を算定中なら 原則新たな届出不要(みなし規定)。上位区分への移行・要件未達時のみ変更届出
- 後発医薬品調剤体制加算(旧加算1〜3)は廃止。令和8年3月31日時点で旧加算1〜3届出済みの薬局は 令和9年5月31日まで 新加算1(27点)のロ要件を満たすとみなし
- 届出様式は 様式103(届出本体)+ 様式104(実績報告:別添1または別添2) の構成。複数薬局集約報告は別添2 を使用
- 調剤ベースアップ評価料は単一の評価料 で(I)(II)区分はない(医科・歯科のベースアップ評価料(I)(II)とは別物)
- 再届出が明示的に必要なのはベースアップ評価料系(外来・入院・歯科外来在宅・歯科技工所・調剤)のみ(4/24事務連絡)。それ以外は経過措置で原則不要、要件変動時は変更届出
- 在宅薬学総合体制加算は加算1(15→30点)も加算2(イ=単一建物診療患者1人又は単一建物居住者1人 100点/ロ=イ以外 50点 に区分新設)も改定対象。別添4 項番12 で再届出が明示されているのは加算2 のみ
- 5月25日以前は郵送・メール、5月25日以降は電子申請が利用可能
- メール提出のファイル名規則・提出先は管轄厚生局のページで必ず確認
連続3日の集中作業で、5/15 までに発送 → 5/18 着の段取りに乗せられます。最初に「経過措置でみなしになる項目」と「再届出が必要な項目」を切り分けることで、実作業ボリュームは大きく圧縮できます。詳しくは管轄の地方厚生(支)局都道府県事務所のページをご確認ください。
掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
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