コンタクトレンズ検査料の施設基準と掲示義務|1〜4の違いを解説

コンタクトレンズの処方を行う眼科では、「コンタクトレンズ検査料」という診療報酬の区分があります。この検査料は1〜4の4段階に分かれており、施設基準によって算定できる区分と点数が異なります。
この記事では、コンタクトレンズ検査料の施設基準の違い、算定要件、包括される検査の範囲、そして院内掲示・ウェブサイトへの掲示義務について解説します。
コンタクトレンズ検査料(D282-3)とは
コンタクトレンズ検査料は、コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者(既装用者を含む)に対して眼科学的検査を行った場合に算定する診療報酬です。
診療報酬点数表では「D282-3」に分類されています。
この検査料が設けられた背景には、コンタクトレンズ処方を主とする眼科と、眼疾患の診療を幅広く行う眼科との間で、診療内容に大きな差があることがあります。施設基準によって点数に差をつけることで、眼科診療全般を担う医療機関を適切に評価する仕組みとなっています。

コンタクトレンズ検査料1〜4の点数
コンタクトレンズ検査料は、施設基準への適合状況により4つの区分に分かれます。
| 区分 | 点数 | 基準A | 基準B |
|---|---|---|---|
| コンタクトレンズ検査料1 | 200点 | ○ 適合 | ○ 適合 |
| コンタクトレンズ検査料2 | 180点 | ○ 適合 | × 非適合 |
| コンタクトレンズ検査料3 | 56点 | × 非適合 | ○ 適合 |
| コンタクトレンズ検査料4 | 50点 | 届出不要 | 届出不要 |
検査料1・2は基準Aを満たす医療機関が対象で、検査料3は基準Aを満たさないが基準Bを満たす医療機関が対象です。検査料4は、いずれの施設基準にも該当しない医療機関が算定します。
施設基準の詳細|基準Aと基準Bの要件
基準A(コンタクトレンズ患者の割合)
以下のいずれかを満たすこと。
- 受診患者のうち、コンタクトレンズに係る検査を実施した患者の割合が3割未満であること
- コンタクトレンズに係る検査を実施した患者の割合が4割未満であり、かつ眼科診療を専ら担当する常勤の医師(眼科診療の経験を10年以上有する者に限る)が配置されていること
基準B(診療体制・交付割合)
以下のいずれかを満たすこと。
- 当該保険医療機関に眼科の病床を有すること
- コンタクトレンズ検査料を算定した患者数が年間1万人未満であること
- コンタクトレンズに係る検査を実施した患者のうち、コンタクトレンズを自施設で交付した割合が95%未満であること
施設基準の組み合わせ
| 区分 | 基準Aの要件 | 基準Bの要件 |
|---|---|---|
| 検査料1(200点) | CL患者割合3割未満、または4割未満+常勤医(経験10年以上) | 眼科病床あり、年間1万人未満、自施設交付95%未満のいずれか |
| 検査料2(180点) | CL患者割合3割未満、または4割未満+常勤医(経験10年以上) | いずれも非該当 |
| 検査料3(56点) | 基準A非該当 | 眼科病床あり、年間1万人未満、自施設交付95%未満のいずれか |
| 検査料4(50点) | 届出不要 | 届出不要 |
検査料1は、眼科診療全般を幅広く行い、コンタクトレンズ以外の患者も多く診ている医療機関が該当します。検査料3・4は、コンタクトレンズ処方を主な診療内容とする医療機関が該当するケースが多くなります。
なお、検査料1〜4のいずれを算定する場合でも、上記の掲示義務(共通の施設基準)を満たす必要があります。
算定要件と包括される検査
包括される検査の範囲
コンタクトレンズ検査料を算定した場合、D255(精密眼底検査)からD282-2(行動観察による視力検査)までの眼科学的検査は包括され、別に算定できません。
つまり、コンタクトレンズ検査料には眼科学的検査の費用がすべて含まれています。
初診料・再診料の取り扱い
- 当該保険医療機関又は特別の関係にある保険医療機関において、過去にコンタクトレンズ検査料を算定したことのある患者については、初診料は算定できません。再診料または外来診療料を算定します
- 初めてコンタクトレンズの装用を目的に受診した患者については、初診料を算定できます
- コンタクトレンズ検査料を算定する場合、初診料・再診料の夜間・早朝等加算は算定できません
出来高算定が認められるケース
以下に該当する場合は、コンタクトレンズ検査料ではなく、個別の眼科学的検査を出来高で算定します。
- 新たな疾患の発生により、コンタクトレンズの装用を中止し処方を行わない場合(屈折異常以外の疾患の急性増悪を含む)
- 円錐角膜、角膜変形、高度不正乱視の治療を目的としてハードコンタクトレンズを処方する場合
- 9歳未満の小児に対する弱視・斜視・不同視の治療を目的としてコンタクトレンズを処方する場合
- 緑内障または高眼圧症の患者に対して、精密眼圧測定や精密眼底検査を実施する場合
- 網膜硝子体疾患や視神経疾患の患者に対して、詳細な検査記録を保持して検査を行う場合
- 度数のない治療用コンタクトレンズを装用する患者
- 眼内手術(角膜移植術を含む)の前後の患者
- スティーヴンス・ジョンソン症候群又は中毒性表皮壊死症の眼後遺症に対する治療用コンタクトレンズを装用する患者
これらのケースでは、患者の疾患に応じた適切な検査を個別に算定することで、医療の質を確保する趣旨です。
掲示義務の内容
コンタクトレンズ検査料を算定する医療機関には、以下の掲示義務があります。
院内掲示
保険医療機関の外来受付および支払窓口の分かりやすい場所に、次の事項を掲示しなければなりません。
- 初診料および再診料の点数(過去にコンタクトレンズ検査料が算定されている場合は再診料を算定する旨を含む)
- 当該保険医療機関において算定するコンタクトレンズ検査料の区分と点数
- 当該診療日にコンタクトレンズ診療を行っている医師の氏名および眼科診療経験
- 以上の項目について、患者の求めがあった場合には説明を行う旨
ウェブサイトへの掲載
上記の掲示事項は、原則としてウェブサイトにも掲載することが求められています。
ただし、自ら管理するホームページ等を有しない場合は、各都道府県の医療情報ネット(医療機能情報提供制度)への掲載をもって対応できます。
この要件は令和6年度診療報酬改定で追加されたもので、患者が事前にコンタクトレンズ検査料の区分や費用を確認できるようにする目的があります。
掲示文例
コンタクトレンズ検査料に関するお知らせ
当院は、厚生労働大臣が定める施設基準に基づき「コンタクトレンズ検査料○」の届出を行っております。
コンタクトレンズの装用を目的に受診された場合、以下の点数を算定いたします。
- 初診料:○○○点
- 再診料:○○点
- コンタクトレンズ検査料○:○○○点
担当医師:○○ ○○(眼科診療経験○○年)
○○眼科クリニック
患者への説明
コンタクトレンズ検査料を算定するすべての患者に対して、検査に係る費用について説明を行うことが求められています。
施設名で検索するだけで、あなたの医療機関に必要な掲示義務の一覧と、実際の掲示ページのデモをご覧いただけます。
届出方法
コンタクトレンズ検査料1〜3を算定するには、所在地を管轄する地方厚生局に施設基準の届出が必要です。届出には様式30(別添2)を使用します。
検査料4は届出不要ですが、共通の施設基準(掲示義務)は満たす必要があります。基準A・Bのいずれにも該当しない医療機関が算定する区分です。
届出時の注意点
- コンタクトレンズに係る検査を実施した患者の割合は、原則として1月から12月までの1年間の実績で判断します(新規開設後6か月以内の届出は、届出前3か月の実績)
- 届出後も要件を満たし続ける必要があり、基準を満たさなくなった場合は届出区分の変更が必要です
- コンタクトレンズ検査料3・4を算定する医療機関のうち、コンタクトレンズに係る診療の割合が7.5割を超える場合は、個別の検査が必要な患者について速やかに専門的な医療機関へ転医させるよう努めることとされています
まとめ
コンタクトレンズ検査料は、施設基準への適合状況により1〜4の区分に分かれ、点数が大きく異なります。
- 検査料1(200点):基準A・B両方を満たす医療機関
- 検査料2(180点):基準Aのみ満たす医療機関
- 検査料3(56点):基準Bのみ満たす医療機関
- 検査料4(50点):届出不要(基準A・Bいずれも非該当、掲示義務は必要)
算定にあたっては、包括される検査の範囲や初診料の取り扱い、出来高算定が認められるケースを正確に把握することが重要です。
また、院内掲示だけでなくウェブサイトへの掲載も原則として必要となっています。コンタクトレンズ検査料の区分・点数・担当医師の情報を、外来受付・支払窓口とウェブサイトの両方に掲示しているか、改めて確認してみてください。
掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 令和6年度診療報酬改定について — 厚生労働省
- 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第6号) — 厚生労働省保険局医療課
- 特掲診療料の届出一覧(令和6年度診療報酬改定) — 関東信越厚生局