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2026年4月8日 · MASA

医療広告ガイドラインをわかりやすく解説|クリニックのHP・SNSで注意すべきこと

医療広告ガイドラインをわかりやすく解説|クリニックのHP・SNSで注意すべきこと
# 医療広告ガイドライン# 広告規制# クリニック ホームページ# 限定解除# 禁止事項

クリニックのホームページやSNSを運営していると、「医療広告ガイドライン」という言葉を耳にする機会があるかもしれません。2018年の医療法改正により、ウェブサイトも医療広告の規制対象に加わりました。

「うちのホームページは大丈夫だろうか」「SNSの投稿も規制されるのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、医療広告ガイドラインの全体像を、具体的なNG例・OK例を交えながらわかりやすく解説します。

目次

  1. 医療広告ガイドラインとは
  2. 何が「広告」に該当するのか?
  3. 広告できる事項(広告可能事項)
  4. 6つの禁止事項
  5. 限定解除とは?ホームページに書ける範囲
  6. 掲示義務のウェブサイト掲載との違い
  7. 違反した場合の罰則とネットパトロール
  8. クリニックが今すぐチェックすべき5つのポイント
  9. まとめ

医療広告ガイドラインとは

医療広告ガイドラインとは、厚生労働省が定めた「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」の通称です。なお、令和7年(2025年)3月の改訂でオンライン診療に関する内容が追加され、正式名称は「医療広告等ガイドライン」に変更されていますが、本記事では広く使われている「医療広告ガイドライン」の呼称で解説します。医療法第6条の5に基づき、医療機関の広告に関するルールを具体的に示しています。

なぜ規制があるのか

医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、患者は医療の専門知識を持たないことがほとんどです。不当な広告による被害を防ぎ、患者が適切に医療機関を選択できるようにすることが、規制の目的です。

2018年の医療法改正で何が変わったか

2018年6月の改正以前は、ウェブサイトは「患者が自ら求めて閲覧するもの」として広告規制の対象外でした。しかし、美容医療を中心にウェブサイト上の不適切な情報による消費者トラブルが相次いだことから、ウェブサイトも広告規制の対象に含まれることになりました。

現在は、以下のすべてが医療広告ガイドラインの規制対象です。

  • 看板・チラシ・パンフレット
  • テレビCM・ラジオ
  • ホームページ・ブログ
  • SNS(Instagram、X、LINE等)
  • リスティング広告(Google広告等)
  • メールマガジン

何が「広告」に該当するのか?

医療広告ガイドラインでは、次の2つの要件を両方満たすものを「広告」と定義しています。

要件内容
誘引性患者の受診等を誘引する意図があること
特定性医療機関や医師の名称が特定できること

たとえば、特定のクリニック名を出して「当院では最新の治療を行っています」と書けば、誘引性・特定性の両方を満たすため「広告」に該当します。

一方、医学論文や学会発表、医療機関名が特定できないテレビの健康番組などは、通常「広告」には該当しません。

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広告できる事項(広告可能事項)

医療広告では、広告してよい事項が法令で限定されています。主な広告可能事項は以下の通りです。

  • 医師・歯科医師である旨
  • 診療科名
  • 病院・診療所の名称、所在地、電話番号
  • 管理者(院長)の氏名
  • 診療日・診療時間
  • 予約制である旨
  • 入院設備の有無
  • 厚生労働大臣が定める検査・手術等(告示で定められたもの)
  • 紹介可能な他の医療機関の名称
  • ホームページのURL
  • 届出している施設基準の名称(確認方法は下記を参照してください)
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自院の施設基準の届出一覧を確認する3つの方法(厚生局サイト・医療情報ネット・届出控え)と、届出状況と掲示義務の関係を解説。厚生局ごとの確認ページリンク付き。

逆に、この一覧にない事項は、原則として看板やチラシなどの広告媒体には記載できません。ただし、ウェブサイトについては「限定解除」の仕組みがあります(後述)。

6つの禁止事項

広告可能事項であっても、以下の6つに該当する表現はいかなる広告でも禁止されています。

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1. 虚偽広告

内容が事実と異なる広告です。

NG例理由
「絶対安全な手術です」絶対安全な手術は存在しない
「どんな症状でも必ず治します」治療効果を保証することはできない
「厚生労働省認定のクリニック」そのような認定制度は存在しない

虚偽広告は最も重い違反であり、直接罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象です。

2. 比較優良広告

他の医療機関と比較して、自院が優れていると示す広告です。

NG例理由
「県内No.1の実績」他院との比較
「日本一の技術力」最上級表現による比較
「他院より低価格」価格の比較

客観的な事実であっても、比較優良広告に該当する場合は禁止されます。たとえば実際に県内で最も手術件数が多くても、「県内No.1」とは書けません。

3. 誇大広告

事実を不当に誇張したり、人を誤認させるおそれのある広告です。

NG例理由
「最新の医療機器を完備」(古い機器を使用)実態と乖離
「知事の認可を受けた病院」法律上当然の手続きを特別なことのように表現
「○○学会認定医(活動実態のない学会)」権威づけの誇張

4. 公序良俗に反する広告

わいせつな表現や差別的な内容を含む広告です。医療広告としては極めて稀ですが、明確に禁止されています。

5. 患者の体験談

患者やその家族の主観的な体験や感想を広告に掲載することは禁止されています。

NG例
「先生のおかげで完治しました!」という患者の声を掲載
感謝の手紙をスキャンして掲載
口コミサイトの好意的な投稿を自院サイトに転載

体験談は個人の感想であり、すべての患者に同じ効果があるとは限らないため、患者を誤認させるおそれがあるとされています。

6. ビフォーアフター写真

治療前後の写真を掲載すること自体は、一定の条件を満たせば限定解除により可能です。ただし、写真のみを掲載して説明がない場合は禁止されます。

掲載する場合は、以下の情報を併記する必要があります。

  • 治療内容
  • 費用
  • 治療期間・回数
  • 主なリスク・副作用

限定解除とは?ホームページに書ける範囲

医療広告の規制は厳しいですが、ウェブサイトについては「限定解除」という仕組みがあり、一定の条件を満たせば広告可能事項以外の内容も掲載できます。

限定解除の要件

以下の要件をすべて満たす必要があります。

要件内容
要件1患者が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトであること
要件2問い合わせ先(電話番号・メールアドレス等)を明示すること
要件3(自由診療のみ)治療内容・費用に関する情報を提供すること
要件4(自由診療のみ)主なリスク・副作用に関する情報を提供すること

一般的なクリニックのホームページは要件1を満たしており、電話番号やメールアドレスを掲載していれば要件2も問題ありません。保険診療のみのクリニックであれば、要件1と2を満たすだけで限定解除が適用されます。

限定解除で掲載できる内容の例

  • 医師の経歴・専門分野の詳細
  • 自由診療の治療内容・費用(リスク・副作用の併記が必要)
  • 治療前後の写真(治療内容・費用・リスクの併記が必要)
  • 未承認医薬品を用いた自由診療の情報(承認状況・入手経路等の明記が必要)

限定解除でも禁止されること

限定解除が適用されても、6つの禁止事項は解除されません。虚偽広告や比較優良広告は、ウェブサイト上であっても禁止です。

掲示義務のウェブサイト掲載との違い

医療広告ガイドラインと混同されやすいのが、療担規則に基づく「掲示義務のウェブサイト掲載」です。この2つは別の制度であり、医療機関は両方に対応する必要があります。

医療広告ガイドライン掲示義務のウェブサイト掲載
根拠法令医療法 第6条の5療担規則 第2条の6
目的不当な広告から患者を守る患者への情報提供
対象医療機関の広告全般保険医療機関の掲示事項
ウェブサイトの扱い規制対象(してはいけないこと)掲載義務(しなければならないこと)

簡単にいえば、医療広告ガイドラインは「ウェブサイトに書いてはいけないこと」のルール、掲示義務のウェブサイト掲載は「ウェブサイトに書かなければならないこと」のルールです。

掲示義務のウェブサイト掲載について詳しくは、

ウェブサイト掲示義務の対応方法|何をどう載せればいい?具体例つきで解説

ウェブサイト掲示義務の対応方法|何をどう載せればいい?具体例つきで解説

医療機関のウェブサイト掲示義務について、何を掲載すべきか・どう対応すべきかを具体例つきで解説します。令和8年改定での変更点も網羅。

をご覧ください。

違反した場合の罰則とネットパトロール

行政指導から罰則までの流れ

医療広告ガイドラインに違反した場合、通常は以下の段階を踏んで対応が行われます。

  1. 行政指導(自主的な改善の依頼) — まず自治体から改善を求められる
  2. 是正命令(医療法第6条の8) — 改善されない場合、行政命令が出される
  3. 罰則の適用 — 是正命令に従わない場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

ただし、虚偽広告については是正命令を経ずに直接罰則が適用される場合があります。

医療機関ネットパトロール

厚生労働省は、医療機関のウェブサイトを監視する「医療機関ネットパトロール」事業を実施しています。一般の方からの通報も受け付けており、違反が疑われるウェブサイトが見つかった場合、都道府県を通じて医療機関に改善指導が行われます。

通報は誰でも可能で、医療機関ネットパトロールのウェブサイトから報告できます。

クリニックが今すぐチェックすべき5つのポイント

自院のホームページやSNSが医療広告ガイドラインに適合しているか、以下のポイントを確認してみてください。

1. 「No.1」「最高」「最新」などの表現はないか

比較優良広告・誇大広告に該当するおそれがあります。「最新の機器」は「○○年製の△△を導入」のように具体的に書き換えましょう。

2. 患者の体験談・口コミを掲載していないか

感謝の手紙やGoogleの口コミを自院サイトに転載していませんか。体験談の掲載は禁止されています。

3. ビフォーアフター写真に説明を併記しているか

治療前後の写真を掲載する場合は、治療内容・費用・リスク・副作用を必ず併記してください。

4. 自由診療の費用・リスクを明記しているか

自由診療のページには、治療内容・費用・主なリスクと副作用を記載しないと、限定解除の要件を満たしません。

5. 問い合わせ先を明示しているか

電話番号やメールアドレスなど、患者が容易に照会できる問い合わせ先がウェブサイト上にありますか。限定解除の要件です。

まとめ

医療広告ガイドラインは、医療機関の広告全般に適用されるルールであり、2018年以降はホームページやSNSも規制対象です。

  • 広告できる事項は法令で限定されている
  • 6つの禁止事項(虚偽・比較優良・誇大・公序良俗違反・体験談・ビフォーアフター)はいかなる場合も禁止
  • ウェブサイトは限定解除により、要件を満たせば幅広い情報を掲載できる
  • ただし、限定解除でも6つの禁止事項は解除されない
  • 違反した場合、行政指導→是正命令→罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象となる

なお、医療広告ガイドライン(書いてはいけないこと)とは別に、療担規則に基づく掲示義務のウェブサイト掲載(書かなければならないこと)への対応も必要です。

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン) — 厚生労働省
  • 医療法における病院等の広告規制について — 厚生労働省
  • 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第5版)(PDF) — 厚生労働省(令和7年3月作成)
  • 医療広告ガイドラインに関するQ&A(PDF) — 厚生労働省
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1医療広告ガイドラインとは
  2. 2何が「広告」に該当するのか?
  3. 3広告できる事項(広告可能事項)
  4. 46つの禁止事項
  5. 5限定解除とは?ホームページに書ける範囲
  6. 6掲示義務のウェブサイト掲載との違い
  7. 7違反した場合の罰則とネットパトロール
  8. 8クリニックが今すぐチェックすべき5つのポイント
  9. 9まとめ

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