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2026年4月6日 · MASA

ウェブサイト掲示義務の対応方法|何をどう載せればいい?具体例つきで解説

ウェブサイト掲示義務の対応方法|何をどう載せればいい?具体例つきで解説
# 掲示義務# 施設基準# ウェブサイト掲載# 診療報酬改定# 適時調査

「うちのホームページ、掲示義務にちゃんと対応できてるんだろうか……」——そう感じている院長先生やご担当者の方は少なくないはずです。

令和6年度の診療報酬改定で、医療機関の院内掲示事項をウェブサイトにも掲載することが原則として義務化され、1年間の経過措置も令和7年5月末で終了しました。今は「やるかやらないか」ではなく、「やっていない=適時調査で指摘される状態」 という段階に入っています。

とはいえ、いざ対応しようとすると、

  • 何の項目をどこまで載せればいいのか
  • 院内掲示と全く同じものでいいのか
  • 自院のホームページのどこに、どう配置するのか

このあたりが意外とはっきりしません。本記事は、この3つの疑問を1記事で解消する ための実践ガイドです。掲載必須の項目を「2つの柱」で整理し、具体的な掲載例とNGパターンまで示します。

この記事で得られること

  • ウェブサイトに掲載すべき項目の全体像(2つの柱)
  • 院内掲示との違いと、ウェブ特有の注意点
  • クリニック・病院・薬局それぞれの具体的な掲載例
  • 適時調査で指摘されないためのチェックポイント

目次

  1. ウェブサイト掲示義務とは
  2. 掲載が必要な項目:2つの柱
  3. 令和8年改定でさらに拡大された掲示義務
  4. 掲載方法の選択肢
  5. 自作する場合の手順と注意点
  6. 対応しない場合のリスク
  7. よくある質問
  8. まとめ

ウェブサイト掲示義務とは

制度の経緯

令和6年(2024年)度の診療報酬改定において、「デジタル原則」に基づき、保険医療機関・保険薬局の書面掲示事項を原則としてウェブサイトにも掲載しなければならないこととされました(保医発0327第10号)。

従来は院内の見やすい場所に掲示するだけで足りましたが、患者さんがインターネット上でも情報を確認できるようにすることが求められるようになりました。

対象となる医療機関

ウェブサイト掲載が義務付けられるのは、自らホームページを管理している保険医療機関・保険薬局です。

ホームページを持っていない医療機関は対象外ですが、今後ホームページを開設した場合は対応が必要になります。

経過措置

令和6年6月の施行時に1年間の経過措置が設けられ、令和7年(2025年)5月31日までに対応することとされていました。現在、この経過措置は終了しています。

掲載が必要な項目:2つの柱

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ウェブサイトに掲載すべき項目は、大きく2つの柱に分類されます。

第1の柱:全施設共通の掲示事項

すべての保険医療機関・保険薬局が掲載しなければならない基本的な事項です。

掲示事項内容対象
保険医療機関の指定厚生労働大臣の定める基準に基づいて診療を行っている保険医療機関である旨全施設
入院基本料に関する事項入院基本料の種類、看護職員の配置状況(看護師数・准看護師数・看護補助者数)、月平均夜勤時間数有床施設のみ
DPC/PDPS対象病院DPC対象病院である旨、機能評価係数Ⅱの内訳DPC対象病院のみ
地方厚生局への届出事項施設基準の届出を行っている項目の一覧。各医療機関の届出状況に応じた内容全施設
明細書の発行個別の診療報酬の算定項目がわかる明細書を無料で発行している旨全施設
保険外負担(自費)療養の給付と直接関係のないサービスの費用(文書料、おむつ代等)の一覧と金額該当施設
先発医薬品の選定療養長期収載品(先発医薬品)の選定療養費に関する説明全施設
評価療養・選定療養差額ベッド代、予約料、多焦点眼内レンズ、200床以上の初診料等の金額該当施設
食事療養・生活療養入院時の食事療養費・生活療養費の金額。療養病床の有無で内容が異なる有床施設のみ
物価対応料(令和8年6月〜)物価対応料の患者向け説明全施設

第2の柱:届出施設基準に基づく個別の掲示事項

各医療機関が届出している施設基準に応じて、個別に掲示が必要となる事項です。届出していない項目は掲示不要です。

かかりつけ医・地域包括診療関連

掲示事項内容
機能強化加算かかりつけ医機能を有する医療機関である旨、診療内容の説明
地域包括診療料常勤医師の配置、服薬管理・健康管理の実施体制
小児かかりつけ診療料小児のかかりつけ医として対応する範囲の説明

感染対策関連

掲示事項内容
外来感染対策向上加算感染防止対策の実施体制、職員研修の実施状況
連携強化加算感染対策に関する連携医療機関の名称
サーベイランス強化加算サーベイランス(感染症発生動向調査)への参加状況

医療DX関連

掲示事項内容
電子的診療情報連携体制整備加算電子的な診療情報の連携体制の整備状況
在宅医療DX情報活用加算在宅医療におけるDX情報の活用状況
訪問看護医療DX情報活用加算訪問看護におけるDX情報の活用状況

処方・調剤関連

掲示事項内容
一般名処方一般名処方を行う方針、後発医薬品の説明
長期処方・リフィル処方箋長期処方やリフィル処方箋への対応方針
明細書発行体制等加算明細書を無料で発行している旨(19床以下の診療所)
バイオ後続品使用体制加算バイオ後続品の使用促進に関する方針

ベースアップ評価料

掲示事項対象
外来・在宅ベースアップ評価料医科(外来・在宅)
入院ベースアップ評価料医科(入院)
歯科外来・在宅ベースアップ評価料歯科
調剤ベースアップ評価料(令和8年6月〜)薬局

在宅・連携関連

掲示事項内容
在宅医療における情報連携連携医療機関・介護施設の名称
介護施設への往診体制連携している介護施設の名称
介護施設との連携協力対象施設の名称
夜間・休日の診療体制連携医療機関の名称、対応体制

オンライン診療

掲示事項内容
オンライン診療オンライン診療の実施体制、対象疾患、指針遵守確認チェックリスト

手術・専門診療関連

掲示事項内容
手術の実施件数前年の手術実施件数(医科)
特定の手術の実施件数(歯科)歯科点数表第9部手術の実施件数
外来化学療法外来での腫瘍化学療法の実施体制
緩和ケアの提供体制緩和ケアチームの構成、対応方針

歯科固有の項目

掲示事項内容
歯科初診料院内感染防止対策の実施体制
歯科外来診療医療安全対策AED・パルスオキシメーター等の設備、緊急時対応体制
歯科技工加算歯科技工物の作成を院内で行っている旨

薬局固有の項目

掲示事項内容
かかりつけ薬剤師かかりつけ薬剤師の役割と対応内容
地域支援・医薬品供給対応体制加算地域の医薬品供給体制への貢献
調剤管理料及び服薬管理指導料調剤・服薬指導の実施体制

ポイント: 第2の柱は医療機関ごとに届出状況が異なるため、掲示が必要な項目も施設によって違います。自院が届出している施設基準を確認し、該当する項目を漏れなく掲載することが重要です。

令和8年改定でさらに拡大された掲示義務

令和8年(2026年)度の診療報酬改定では、ウェブサイト掲載の範囲がさらに拡大されています。

主な変更点

変更点内容
掲示範囲の拡大掲示が必要な項目・情報がさらに追加された
オンライン診療チェックリスト指針遵守確認チェックリストの掲載が必要
連携施設の情報在宅医療・共同管理に関する連携医療機関の名称・住所・電話番号
届出施設基準の詳細配置人員や算定要件等、より具体的な情報の掲載
物価対応料(令和8年6月〜)新設の物価対応料に関する患者向け説明
調剤ベースアップ評価料(令和8年6月〜)薬局のベースアップ評価料に関する掲示
電子的診療情報連携体制整備加算電子的な診療情報の連携体制に関する掲示

掲載方法の選択肢

ウェブサイトへの掲載方法として、大きく3つの選択肢があります。

方法1: 自院ホームページに直接掲載

既存のホームページに、掲示事項のページを追加する方法です。

  • メリット: 追加費用がかからない、既存のホームページに統合できる
  • デメリット: 自分で内容を調べて記載する必要がある、改定時の更新が手間、掲載漏れのリスク

方法2: PDFを掲載

院内掲示物のPDFをスキャンして、ホームページにリンクを貼る方法です。

  • メリット: 院内掲示と同じ内容を簡単に掲載できる
  • デメリット: スマートフォンで見づらい、検索エンジンに内容が認識されにくい、更新のたびに再スキャンが必要

方法3: 専用ツールの活用

掲示義務への対応に特化したサービスを利用する方法です。

  • メリット: 自院の届出状況に応じた掲示内容が自動生成される、改定時も自動更新、掲載漏れの心配がない
  • デメリット: 月額費用がかかる

自作する場合の手順と注意点

ホームページに自作で掲載する場合の手順を紹介します。

手順

  1. 自院の届出状況を確認する — 地方厚生局のウェブサイトで、自院の施設基準届出受理状況を確認します
  2. 掲載が必要な項目を洗い出す — 第1の柱(全施設共通)と第2の柱(届出施設基準に基づく個別掲示)に分けて確認します
  3. 掲示文面を作成する — 各項目について、患者さんにわかりやすい文面で記載します
  4. ホームページに掲載する — 専用ページを作成するか、既存ページに追記します
  5. 定期的に更新する — 届出変更や改定時に内容を見直します

注意点

  • 掲載場所に明確な規定はありませんが、患者さんが見つけやすい場所に掲載することが望ましいです
  • 届出している施設基準は医療機関ごとに異なるため、他院の掲載内容をそのままコピーすると漏れが生じる可能性があります
  • 第2の柱の掲示項目は60種類以上あり、自院に該当するものを漏れなく特定するのは容易ではありません
  • 診療報酬改定は原則2年ごとに行われるため、改定のたびに掲示内容の見直しが必要です

対応しない場合のリスク

ウェブサイト掲示義務に対応しない場合、以下のリスクがあります。

適時調査での指摘

厚生局が実施する適時調査では、院内掲示の状況が確認されます。ウェブサイトへの掲載が義務化された現在、Web掲示の状況も確認対象になる可能性があります。

掲示事項の不備は適時調査でよくある指摘事項の一つであり、不備が見つかった場合は改善指導を受けることになります。

施設基準の取消リスク

掲示義務を含む施設基準の要件を満たしていないと判断された場合、最悪のケースでは施設基準の届出が取り消される可能性があります。届出が取り消されると、該当する加算が算定できなくなり、収益に直接影響します。

よくある質問

Q. ホームページを持っていない場合はどうすればいいですか?

ホームページを管理していない医療機関は、現時点ではウェブサイト掲載の義務対象外です。ただし、今後ホームページを開設する場合は対応が必要になります。

Q. どこに掲載すればいいですか?

掲載場所について厚生労働省から明確な指定はありません。ホームページのトップページからリンクを貼った専用ページに掲載する方法や、「病院概要」「診療案内」のページに追記する方法が一般的です。

Q. 歯科医院や薬局も対象ですか?

はい。保険医療機関(医科・歯科)および保険薬局のすべてが対象です。ただし、掲載すべき項目は施設種別によって異なります。歯科には歯科固有の掲示事項(歯科初診料、歯科外来診療医療安全対策等)があり、薬局には調剤報酬に関する掲示事項(かかりつけ薬剤師、地域支援体制加算等)があります。

Q. 掲載内容は誰が確認しますか?

地方厚生局が適時調査等で確認する場合があります。また、患者さんが日常的に閲覧する情報でもあるため、正確かつ最新の内容を掲載することが重要です。

Q. 第2の柱の掲示項目が多すぎて、何が自院に該当するかわかりません

第2の柱は60種類以上の掲示項目があり、自院が届出している施設基準に該当するもののみ掲示が必要です。下記から施設名で検索すると、自院に必要な掲示項目と掲示ページのデモを確認できます。

まとめ

ウェブサイト掲示義務は、令和6年度の診療報酬改定で義務化され、令和8年度の改定でさらに範囲が拡大されています。対応のポイントをまとめます。

  • 対象: ホームページを持つすべての保険医療機関・保険薬局
  • 第1の柱: 全施設共通の10項目(保険医療機関の表示、入院基本料、届出施設基準一覧、明細書発行、保険外負担、選定療養、食事療養等)
  • 第2の柱: 届出施設基準に応じた個別掲示(60種類以上。かかりつけ医、感染対策、医療DX、ベースアップ評価料、在宅連携、オンライン診療等)
  • 掲載方法: 自作・PDF・専用ツールの3つの選択肢
  • リスク: 未対応の場合、適時調査での指摘や施設基準取消の可能性

自院の届出状況を確認し、第1の柱・第2の柱の両方について漏れなく掲載することが重要です。

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等(保医発0327第6号)(PDF) — 厚生労働省保険局医療課
  • 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省
  • 令和8年度診療報酬改定説明資料等について — 厚生労働省
  • 保険医療機関及び保険医療養担当規則 — e-Gov法令検索
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1ウェブサイト掲示義務とは
  2. 2掲載が必要な項目:2つの柱
  3. 3令和8年改定でさらに拡大された掲示義務
  4. 4掲載方法の選択肢
  5. 5自作する場合の手順と注意点
  6. 6対応しない場合のリスク
  7. 7よくある質問
  8. 8まとめ

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