歯科技工加算の施設基準と掲示要件|院内技工のメリットを解説

歯科医院に院内技工室を設け、有床義歯の修理や増歯を迅速に行える体制を整えている場合に算定できる歯科技工加算。患者の「入れ歯が壊れた、すぐ直してほしい」というニーズに応えられる体制を評価する加算です。
この記事では、歯科技工加算の施設基準・掲示義務について解説します。
歯科技工加算とは
歯科技工加算は、院内に歯科技工士を配置し、歯科技工室を有する歯科医院が、患者の求めに応じて有床義歯の修理や増歯を迅速に行った場合に算定できる加算です。
有床義歯修理(M029)や増歯の際に、院内の歯科技工士が当日または翌日に修理・装着した場合に加算されます。
歯科技工加算1と2の違い
| 区分 | 内容 | 点数 |
|---|---|---|
| 歯科技工加算1 | 破損した有床義歯を預かった当日に修理し装着 | 55点(1床につき) |
| 歯科技工加算2 | 破損した有床義歯を預かった翌日に修理し装着 | 35点(1床につき) |
当日対応の方が患者の利便性が高いため、加算1の点数が高く設定されています。

施設基準の要件
歯科技工加算を算定するための施設基準は以下のとおりです。
歯科技工士の配置
- 当該保険医療機関に歯科技工士が配置されていること
歯科技工室の整備
- 当該保険医療機関内に歯科技工室を有していること
- 歯科技工に必要な機器が整備されていること
迅速な修理体制
- 患者の求めに応じて迅速に有床義歯を修理する体制が整備されていること
院内技工のメリット
院内に技工室を持つことで、以下のメリットがあります。
- 当日修理が可能 — 外注では数日かかる修理を当日〜翌日で対応
- 患者満足度の向上 — 入れ歯が壊れた患者にすぐ対応できる
- 歯科技工加算の算定 — 加算1(55点)・加算2(35点)を算定可能
- 歯科医師と技工士の連携 — 直接コミュニケーションによる品質向上
歯科技工士連携加算との違い
令和6年度改定で新設された歯科技工士連携加算は、歯科技工加算とは別の加算です。
| 項目 | 歯科技工加算 | 歯科技工士連携加算(R6新設) |
|---|---|---|
| 対象 | 有床義歯の修理・増歯 | 補綴物の製作過程での連携 |
| 内容 | 院内技工士による迅速修理 | 印象採得・咬合採得・仮床試適への技工士参加 |
| 点数 | 加算1: 55点 / 加算2: 35点 | 連携加算1: 50点 / 連携加算2: 70点 |
| 要件 | 院内技工室+歯科技工士 | 歯科技工士が業務に参加 |
歯科技工士連携加算は補綴物の製作過程における歯科技工士の関与を評価するもので、歯科技工加算の迅速修理とは評価の趣旨が異なります。
掲示義務について
歯科技工加算自体の掲示義務
歯科技工加算の施設基準には、加算特有の掲示義務はありません。
一般的な掲示義務
歯科技工加算は届出を行う施設基準であるため、届け出た施設基準の一覧に含めて院内掲示+ウェブサイト掲載する必要があります。
患者への情報提供(推奨)
加算特有の掲示義務はありませんが、院内技工を行っていることを患者に知ってもらうことは、歯科医院の強みのアピールにもなります。以下のような掲示を行うことが推奨されます。
掲示文例
院内歯科技工について
当院は、院内に歯科技工室を設け、歯科技工士が常駐しております。
- 入れ歯の修理が必要な場合、当日〜翌日での対応が可能です
- 歯科医師と歯科技工士が直接連携し、精度の高い補綴物を製作しております
お急ぎの修理が必要な方は、お気軽にご相談ください。
○○歯科医院
施設名で検索するだけで、あなたの医療機関に必要な掲示義務の一覧と、実際の掲示ページのデモをご覧いただけます。
届出方法
歯科技工加算の施設基準に係る届出は、所定の届出様式を用いて地方厚生局に届け出ます。
まとめ
歯科技工加算は、院内技工室を持つ歯科医院の強みを活かせる加算です。
- 歯科技工加算1(当日修理):55点
- 歯科技工加算2(翌日修理):35点
- 施設基準:歯科技工士の配置+歯科技工室+必要機器+迅速修理体制
- 加算特有の掲示義務はなし(届出施設基準一覧への記載+Web掲載は必要)
- 院内技工を行っている旨の掲示は患者への情報提供として推奨
- 令和6年新設の歯科技工士連携加算(補綴物製作の連携)とは別の加算
掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 令和6年度歯科診療報酬改定の主なポイント — 厚生労働省
- 令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】 — 厚生労働省保険局医療課
- 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省