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2026年4月13日 · MASA

調剤基本料の区分と点数一覧|届出区分ごとの掲示要件を解説

調剤基本料の区分と点数一覧|届出区分ごとの掲示要件を解説
# 調剤基本料# 施設基準# 掲示義務# 薬局# 調剤報酬改定

「うちの薬局、令和8年度改定で区分が変わるかもしれない」——そう感じている薬局経営者は少なくないはずです。

調剤基本料は処方箋受付1回ごとに算定する基本報酬ですが、令和8年度改定ではほぼ全区分で点数が引き上げられ、さらに都市部の薬局が新たに基本料2の対象に加わるなど、区分の該当要件にも変更がありました。自局の区分が変わった場合、届出の変更だけでなく、院内掲示とウェブサイトの更新も必要になります。

この記事では、全7区分の点数・要件を一覧で整理したうえで、掲示義務への対応方法まで解説します。

目次

  1. 調剤基本料とは
  2. 調剤基本料の区分と点数一覧【令和8年度】
  3. 各区分の該当要件
  4. 処方箋集中率と受付回数の計算方法
  5. 妥結率と減算ルール
  6. 調剤基本料の掲示義務
  7. 令和8年度改定の主なポイント
  8. まとめ

調剤基本料とは

調剤基本料とは、医薬品の備蓄や体制整備にかかる経費を評価したもので、処方箋の受付1回につき算定します。

薬局の経営効率は、立地や処方箋の集中度合いによって大きく異なります。特定の医療機関からの処方箋に依存している薬局(いわゆる門前薬局)と、地域の複数の医療機関から幅広く処方箋を受け付けている薬局では、経営の効率性に差があるため、処方箋受付回数や集中率に応じた区分が設定されています。

調剤基本料の区分と点数一覧【令和8年度】

令和8年6月1日施行の点数は以下のとおりです。

区分点数令和6年度からの変更
調剤基本料147点+2点
調剤基本料230点+1点
調剤基本料3 イ25点+1点
調剤基本料3 ロ20点+1点
調剤基本料3 ハ37点+2点
特別調剤基本料A5点据え置き
特別調剤基本料B3点据え置き

調剤基本料1と3ハは、面分業推進の評価として他の区分より大きく引き上げられています。

各区分の該当要件

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調剤基本料1(47点)

調剤基本料2・3および特別調剤基本料Aのいずれにも該当しない薬局が対象です。つまり、特別な要件に当てはまらない一般的な薬局は、最も高い47点を算定できます。

なお、「医療を提供しているが医療資源の少ない地域」に所在する薬局は、本来は基本料2や3に該当する場合でも、例外的に調剤基本料1を算定できます(注1ただし書)。

調剤基本料2(30点)

以下のいずれかに該当する薬局です(調剤基本料3のイ・ロまたは特別調剤基本料Aに該当する場合を除く)。

受付回数・集中率による基準:

  • 上位3医療機関からの処方箋割合の合計が70%超、かつ受付回数が月4,000回超
  • 処方箋集中率が85%超、かつ受付回数が月1,800回超
  • 処方箋集中率が85%超、かつ受付回数が月600回超で、都市部(特別区・政令指定都市)に所在するもの(※)

※ 敷地境界線から500m以内に他の薬局がない場合や、令和8年5月31日時点で月1,800回以下の届出をしており継続的に1,800回以下の場合は除外されます。

特定医療機関との関係による基準:

  • 特定の医療機関からの受付回数(医療モールの場合は合算)が月4,000回超
  • 同一グループ内で処方箋集中率が最も高い医療機関が同一の場合の合算受付回数が月4,000回超

調剤基本料3(イ・ロ・ハ)

同一グループの規模に応じた区分です。

区分グループの月間受付回数追加要件点数
3イ3万5千回超〜40万回以下集中率85%超、または医療機関と不動産取引等の特別な関係25点
3ロ40万回超集中率85%超、または医療機関と不動産取引等の特別な関係20点
3ハ40万回超集中率85%以下37点

令和8年度改定で、従来あった「同一グループの店舗数300以上」という基準が廃止され、処方箋受付回数に一本化されました。

3ハは集中率が低い(=面分業に取り組んでいる)大手グループ薬局を評価する区分で、基本料2(30点)よりも高い37点が設定されています。

特別調剤基本料A(5点)

以下のいずれかに該当する薬局です。

  1. 保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有し、処方箋集中率が50%超の薬局
  2. 同一敷地内にオンライン診療受診施設を設置している薬局(へき地を除く)

令和8年度改定で、オンライン診療受診施設の併設が新たに対象に加わりました。

特別調剤基本料Aを算定する薬局は、地域支援体制加算・後発医薬品調剤体制加算・在宅薬学総合体制加算の点数が10分の1に減額されます。

特別調剤基本料B(3点)

調剤基本料の届出を行っていない薬局が該当します。最も低い点数であり、実質的に届出を促す仕組みです。

処方箋集中率と受付回数の計算方法

処方箋集中率とは

特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合です。同一保険医療機関から歯科と歯科以外の処方箋を受け付けた場合は、それらを合計した回数を用います。

医療モール(同一敷地内・同一建物内に複数の医療機関が所在する場合)では、モール内の全医療機関を1つの医療機関とみなして集中率を算出します。

受付回数の計算

  • 同一医療機関の複数診療科からの処方箋は1回としてカウント(歯科は別カウント)
  • 時間外等処方箋(時間外加算・休日加算・深夜加算・夜間休日等加算を算定したもの)は受付回数に含めない
  • リフィル処方箋は、調剤実施ごとに受付回数に含める(時間外等処方箋を除く)

判定期間

前年5月1日から当年4月末日までの1年間の実績で判断し、当年6月1日から翌年5月末日まで適用します。

新規指定の薬局は、実績が判断されるまで原則として調剤基本料1として取り扱われます。

妥結率と減算ルール

医療用医薬品の取引価格の妥結率が50%以下の薬局は、調剤基本料が所定点数の50%に減算されます。

  • 報告期間: 毎年4月1日〜9月30日の妥結率を報告
  • 適用期間: 翌年6月1日〜翌々年5月31日
  • 新規指定の薬局は、翌年5月31日までは妥結率5割超とみなされます

この減算規定は、医薬品の価格交渉を促進し、薬価調査の正確性を確保するための仕組みです。

調剤基本料の掲示義務

保険薬局は、以下の事項を薬局内の見やすい場所に掲示し、原則としてウェブサイトにも掲載しなければなりません。

掲示が必要な事項

  1. 届出施設基準の一覧 — 調剤基本料の区分を含め、地方厚生局長に届け出た事項
  2. 調剤管理料・服薬管理指導料に関する事項 — 算定の有無や内容
  3. 明細書の発行状況 — 無料発行の有無
  4. 後発医薬品の調剤に関する体制 — 後発医薬品の使用促進に関する取組

調剤基本料の区分(基本料1・2・3のいずれを算定しているか)は、届出施設基準一覧の中に含まれるため、必ず掲示する必要があります。

ウェブサイトへの掲載

令和6年度改定により、書面掲示事項のウェブサイトへの掲載が原則義務化されました。経過措置は令和7年5月31日で終了しており、現在はウェブサイトを持つ薬局は掲載が必須です。

しかし実際には、「ウェブサイトはあるが掲示情報を掲載していない」「区分変更のたびにWeb担当者に依頼するのが手間」という声も多く聞かれます。特に調剤基本料の区分は毎年の実績で変わりうるため、年1回は掲示内容の見直しが必要です。

詳しくは「

【薬局編】ウェブサイト掲示義務の掲示項目と実務対応ガイド【第3部】

【薬局編】ウェブサイト掲示義務の掲示項目と実務対応ガイド【第3部】

薬局のウェブサイト掲示義務の掲示項目を網羅。調剤管理料、地域支援体制加算、医療DX推進体制整備加算(8項目)、在宅薬学総合加算など、薬局固有の要件を解説します。

」で解説しています。

令和8年度改定の主なポイント

改定内容詳細
点数の引き上げ基本料1・3ハは+2点、その他は+1点(面分業推進)
店舗数基準の廃止基本料3ロ・ハから「300店舗以上」の基準を削除し、受付回数に統一
基本料2の対象拡大都市部で集中率85%超・月600回超の薬局を新たに追加
特別調剤基本料Aの拡大オンライン診療受診施設の同一敷地内設置を新たに対象化
かかりつけ機能の評価基本的な業務の年間実績が一定未満の場合、注4による減算あり

まとめ

調剤基本料は、薬局の処方箋受付回数・集中率・グループ規模・医療機関との関係性によって7つの区分に分かれます。令和8年度改定では面分業を推進する方向で点数が見直されました。

まず確認していただきたいのは、以下の2点です。

  1. 自局の調剤基本料の区分は、令和8年度改定後も変更がないか
  2. 届出区分が院内掲示・ウェブサイトに正しく反映されているか

掲示ナビでは、届出施設基準の一覧をウェブ上で簡単に公開・更新できる仕組みを提供しています。掲示義務のウェブ対応にかかる手間を減らしたい方は、まず掲示ナビの機能をご確認ください。

参考資料

  • 令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】(PDF) — 厚生労働省保険局医療課
  • 別表第三 調剤報酬点数表(令和8年度)(PDF) — 厚生労働省告示
  • 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて — 保医発0305第8号(令和8年3月5日)※東北厚生局の改定資料ページからPDFを参照
  • 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 — e-Gov法令検索
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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1調剤基本料とは
  2. 2調剤基本料の区分と点数一覧【令和8年度】
  3. 3各区分の該当要件
  4. 4処方箋集中率と受付回数の計算方法
  5. 5妥結率と減算ルール
  6. 6調剤基本料の掲示義務
  7. 7令和8年度改定の主なポイント
  8. 8まとめ

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