電子的診療情報連携体制整備加算 疑義解釈4の要件詳細|問1〜問4を実務目線で読み解く|掲示ナビ ブログ | 掲示ナビ電子的診療情報連携体制整備加算 疑義解釈4の要件詳細|問1〜問4を実務目線で読み解く
2026年4月21日付け 事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その4)」
問1〜問4 の各論レベルの要件詳細
総論記事を通読された方であれば、本記事は「届出はしたが、要件のどこまでが OK で、どこからが NG か」を確認するためのチェックリストとして使えます。届出をこれから検討される方は、まず総論記事で全体像を押さえてから本記事に戻ってきてください。
疑義解釈4 とは — 4月21日に出た、本加算の各論続報
疑義解釈とは、厚生労働省が改定後の診療報酬の取扱いについて、現場から寄せられた疑問に答える形で発出する事務連絡です。原則として通知(保医発)と同等の運用根拠として扱われます。
4月21日付け事務連絡の位置づけ
「疑義解釈資料の送付について(その4)」は、令和8年4月21日付けで厚生労働省保険局医療課から発出されました。冒頭で「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)等については、『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について』(令和8年3月5日保医発0305第6号)等により、令和8年6月1日より実施することとしている」と確認しており、施行前ぎりぎりのタイミングで出された 施行前の最終整理 に位置づけられます。
本加算に関係するのは問1〜問4 の4件
疑義解釈4 で本加算に関係する Q&A は 問1〜問4 の合計4件のみ です。それぞれが扱うトピックは次のとおりです。
| 問 | テーマ | キーワード |
|---|
| 問1 | 電子処方箋発行 / 登録体制の具体像 | 院外処方・院内処方・電子処方箋管理サービス登録 |
| 問2 | 電子処方箋管理サービスとの接続インターフェース | 運用開始日入力・対応施設公表 |
| 問3 | 電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェース | 同上だが「現在準備中」の明示 |
| 問4 | 初診料加算と再診料加算の月内併算定 | 同月内は片方のみ算定可 |
数こそ少ないものの、いずれも 算定要件の判定ライン に直接影響する内容で、読み飛ばすと算定不可・返戻のリスクに直結します。以下、問ごとに原文の趣旨と、自院チェックポイントに分けて読み解きます。
問1:電子処方箋発行 / 登録体制とは具体的に何を指すか
施設基準の追加要件のうち、リ「電磁的記録をもって作成された処方箋を発行する体制、または調剤した薬剤に関する情報を電磁的記録として登録する体制」が、具体的にどのような状態を指すかを示したのが問1です(疑義解釈4 では、要件リの趣旨を「電子処方箋を発行する体制又は調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制」と表現する形で問いが立てられています)。
答の核:院外処方と院内処方で道が分かれる
疑義解釈4 では、施設の処方形態によって満たすべき体制が次のように整理されました。
原則として、電子処方箋を発行し、または引換番号が印字された紙の処方箋を発行し処方情報の登録を行っていること
原則として、医療機関内で調剤した薬剤の情報を電子処方箋管理サービスに登録を行っていること
院外処方を行う施設にとっては、電子処方箋そのものを発行するか、紙処方箋でも引換番号を印字して情報登録を行うか、いずれかでよいと整理されました。一方、院内処方のみの施設についても、電子処方箋管理サービスに薬剤情報を登録するというルートで要件リを満たせる、という点が今回の最重要ポイントです。
自院チェックポイント — 処方形態別の判定
| 自院の処方形態 | 要件リを満たす方法 |
|---|
| 院外処方のみ | 電子処方箋を発行する、または引換番号印字の紙処方箋+情報登録 |
| 院内処方のみ | 医療機関内で調剤した薬剤情報を電子処方箋管理サービスに登録 |
| 院外+院内の併用 | それぞれの処方経路について上記いずれかの体制を整備 |
「うちは院内処方しかしていないから電子処方箋は関係ない」と判断していた施設は、登録ルートでの要件達成可能性を改めて確認することをおすすめします。電子処方箋の発行体制を組まなくても、加算1(要件リ+ヌ両方)または加算2(リかヌのいずれか)にたどり着く道が残されています。
なお、個別事例での該当・非該当の判断は、地方厚生局による解釈に委ねられる部分があります。微妙なケースは管轄の厚生局にご確認ください。
問2:電子処方箋管理サービスとの「接続インターフェース」とは何か
問2は、電子処方箋管理サービスとの接続インターフェースを「有していること」が、具体的にどのような状態を指すのかを問うています。
答の核:運用開始日が登録され、厚労省ウェブサイトで公表されている状態
疑義解釈4 の答を要約すると、次の2点を満たす必要があります。
- 電子処方箋の運用開始日が登録されている — 医療機関等向け総合ポータルサイトから「運用開始日入力」を行う
- 厚生労働省ウェブサイトにおいて、電子処方箋対応施設として公表されている
「導入予定」「準備中」は外形要件として評価されない建付け
ここで押さえておきたいのは、要件が ポータルでの運用開始日入力+厚労省サイトでの対応施設公表 という外形的な2点で判定される建付けになっているという点です。逆に言えば、ベンダーとの契約締結や導入工事完了といった内部状態だけでは、外形要件としては評価されません。
ベンダーから「6月から使えるようになります」と聞いていても、ポータル側での運用開始日登録がされていなければ、その時点では外形要件を満たしません。届出を予定している施設は、6月1日からの算定を狙うのであれば、ポータルへの運用開始日入力が事前に完了している必要があります。
自院チェックポイント — 接続インターフェースの確認手順
- 自院が医療機関等向け総合ポータルサイトで「運用開始日入力」を済ませているか
- 厚生労働省の「医療機関・薬局の電子処方箋対応状況について」ページに自院名が掲載されているか
- 掲載されていない場合、ベンダー任せにせず、自院で総合ポータルにログインして運用開始日を入力したか
ポータルへのログイン情報を院内で誰が把握しているか曖昧な施設では、まずアカウント所在の確認から始めることになります。
問3:電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェース — 公式に「準備中」と明記
問3は、加算1の要件ヌ「電磁的方法により診療情報を共有し、活用する体制」に関わる、電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースの定義を問うています。
答の核:考え方は問2と同じ。ただし現時点では「準備中」
疑義解釈4 の答は、考え方そのものは問2と同じ枠組みで整理されています。
電子カルテ情報共有サービスの運用開始日が登録され、厚生労働省ウェブサイトにおいて電子カルテ情報共有サービス対応施設として公表されている状態を指す
※ 現在、ポータルサイトでの入力機能及び厚生労働省ウェブサイトにおける公表ページは準備中のため、準備が整い次第、詳細については両サイトで公表予定。
つまり、現時点では「ポータルサイトでの入力機能」と「厚労省ウェブサイトでの公表ページ」の両方が準備中であり、対応施設として公表されたくても、その仕組み自体がまだ立ち上がっていないと公式に明示されました。
加算1を狙う施設にとって意味するもの
加算1は「基本要件イ〜チ+追加要件リ・ヌ両方」を求めます。問3 の整理を素直に読むと、現時点では電子カルテ情報共有サービス側の対応施設公表が物理的に不可能なため、加算1(要件ヌ必須)を完全に満たすには、ポータル機能と公表ページの稼働を待つ必要がある状態です。
実務的な選択肢としては、次のような対応が現実的です。
| 取りうるアプローチ | 内容 |
|---|
| 加算2でまず確実に算定 | 要件リのみで加算2 を狙い、ヌの仕組みが整い次第、加算1 への移行を検討 |
| 入院加算は別系統で確認 | A207-5 入院加算1・2 の施設基準は外来の基本要件イ〜チ+非常時対応のみで、追加要件リ・ヌは課されない(外来加算1 とは要件構造が異なるため、入院側に「電カル情報共有サービス公表ページ準備中」問題は生じない) |
| 在宅・調剤は経過措置あり | 在宅医療DX情報活用加算・電子的調剤情報連携体制整備加算は経過措置で猶予(後述) |
「電子カルテ情報共有サービスへの参加準備は進めているが、公表ページが立ち上がっていない」という不確実性を、施設側が一方的に背負うのは負担が大きいため、関連加算(在宅・調剤)には別途経過措置が設けられています。
問4:初診料加算と再診料加算の月内併算定 — 同月内はいずれか一方のみ
問4は、A001 再診料 注19 および A002 外来診療料 注10 に規定する電子的診療情報連携体制整備加算(再診で2点。月1回算定。これは告示・留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)由来であり、問4 そのものには「月1回」の文言はない)と、A000 初診料 注16 の本加算(初診で4〜15点・同じく月1回算定)の関係を整理しています。
答の核:同月内(同一患者を前提とした問い立てと読める)では、初診側か再診側のいずれか一方のみ
問4 の質問文は「初診料の注16に規定する電子的診療情報連携体制整備加算を算定した月に、再診を行った場合」「再診を算定した月に 他の疾患で初診 を行った場合」という書きぶりで、「同一患者」という明示語句は使われていません。ただし「他の疾患で初診」という表現は、同一患者を前提とした問い立てと読むのが自然です。本記事ではこの解釈に基づいて整理します。
疑義解釈4 の答を整理すると、次の2パターンとも算定不可と明記されました。
- A000 初診料 注16 の本加算を算定した月に再診を行った場合 → 再診側で算定 不可
- 再診側で算定した月に他の疾患で初診を行った場合 → 初診側で算定 不可
いずれも、同月内で初診側と再診側の両方では算定できないという排他関係が明示されました(前述のとおり、本記事では同一患者前提と読み解いています)。
月1回算定の縛りが「同月内」で初診と再診をまたぐ
「月1回」という縛り(告示・留意事項通知由来)は、初診側と再診側の両方それぞれに別個に効くわけではなく、同月内では初診と再診のいずれか一方にしか効かない というのが問4 のポイントです。複数月にまたがる場合や、別患者についてはこの制約は及びません。
自院チェックポイント — レセコン側の判定ロジック
- レセコン・電子カルテで本加算の算定ロジックが「月1回・同一患者・初診/再診をまたいで排他」になっているか
- 設定がベンダー任せのまま運用開始した場合、改定後しばらくは月次レセプト確認時に手作業のチェックが必要になる可能性がある
- 月途中で初診→再診に状態が変わった患者について、初診側で本加算が立っている場合、再診側で意図せず加算が乗らないか
レセコンの自動算定ロジックがこの排他関係に対応していないと、「初診側で算定したのに、再診時にも自動で2点が乗っていた」というケースが返戻原因になりえます。改定対応の最初の月次レセプトでは、本加算の月内重複算定がないかを必ず確認してください。
関連加算の経過措置 — 在宅・調剤は「当面の間」みなし
問1〜問4 の本筋からは少し外れますが、疑義解釈4 と同じ改定パッケージで、在宅医療DX情報活用加算と電子的調剤情報連携体制整備加算の 電子カルテ情報共有サービスに係る要件 については、経過措置が改めて整理されています。
「令和8年5月31日まで」から「当面の間」へ書き換え
令和8年度改定では、当該経過措置の期限が 「当面の間、当該基準を満たしているものとみなす」 に書き換えられました。在宅・調剤領域では、電子カルテ情報共有サービスの全国稼働を待たずに当該加算の算定が継続できるよう、期限を切らない形のみなし規定に変わっています。
ただし、ただし書きで「保険医療機関/保険薬局は、国等が全国で電子カルテ情報共有サービスの運用を開始した場合には、速やかに導入するように努めること」と注記されています。みなしが永続するわけではなく、サービス本格稼働後は速やかな導入が求められる、という建付けです。
外来の電子的診療情報連携体制整備加算 加算1 には明示されない
ここで注意したいのが、外来側の電子的診療情報連携体制整備加算 加算1 の追加要件ヌ(電磁的方法による診療情報共有)には、この経過措置は明示されていない という点です。在宅・調剤と同じ感覚で「当面みなされるはず」と思い込むと、加算1 の届出時点で要件ヌの判定で躓くリスクがあります。
問3 の「準備中」状態と組み合わせて読むと、外来加算1 を狙う施設は、サービス側のポータル機能と公表ページの稼働状況を施設基準担当でこまめに確認する運用が必要になります。
自院チェックリスト — 算定継続のために今週やること
疑義解釈4 を踏まえて、改定施行前後で確認しておきたい項目を整理します。
なお、各項目の最終的な該当・非該当の判断は、地方厚生局による個別解釈に委ねられる部分があります。判断に迷う場合は、必ず管轄の厚生局にご相談ください。
まとめ — 疑義解釈4 の4問は、施行前の地ならし
疑義解釈4 で本加算に関係する Q&A は問1〜問4 の4件のみと数こそ少ないものの、施行直前のタイミングで出されたこともあり、内容は 算定要件の判定ライン をピンポイントで補足するものに集約されています。
- 問1:院内処方のみの施設にも、電子処方箋管理サービス登録という道が公式に明示された
- 問2:接続インターフェースは「ポータル運用開始日登録+厚労省サイト掲載」の外形2点で判定される
- 問3:電子カルテ情報共有サービス側の対応施設公表は現時点で「準備中」と公式に明示された
- 問4:同月内では、初診側と再診側のいずれか一方しか算定できない(同一患者を前提とした問い立てと読む)
総論記事で全体像を押さえたうえで、本記事のチェックリストを片手に各論を1つずつ詰めていただくのが、6月1日施行への一番堅い対応になります。
掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料