DPC対象病院の掲示要件|包括評価の院内掲示と患者説明を解説

DPC対象病院には、包括評価方式(DPC/PDPS)で診療報酬を算定していることを院内に掲示し、入院患者に対して算定方法を十分に説明する義務があります。
この記事では、DPC対象病院の掲示義務・患者への説明義務・ウェブサイト掲載について解説します。
DPC/PDPSとは
DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem Payment System)は、診断群分類に基づく1日あたり定額報酬算定制度です。入院期間中の検査・投薬・注射・画像診断等の費用を包括的に評価する仕組みで、従来の出来高払いとは算定方法が大きく異なります。
| 項目 | 出来高払い | DPC/PDPS(包括評価) |
|---|---|---|
| 算定方法 | 行った医療行為ごとに算定 | 診断群分類ごとの1日あたり定額 |
| 対象 | 全ての保険医療機関 | DPC対象病院のみ |
| 包括範囲 | — | 検査・投薬・注射・画像診断等 |
| 出来高部分 | 全て | 手術・麻酔・リハビリ等 |
患者にとっては入院費用の計算方法が異なるため、DPC対象病院には算定方法を掲示し、説明する義務があります。
DPC対象病院の要件
DPC対象病院となるためには、以下の要件を満たす必要があります。
入院基本料
急性期一般入院基本料又は特定機能病院(一般病棟)もしくは専門病院の入院基本料を算定していること。
診療録管理体制
診療録管理体制加算の届出を行っていること。
データ提出
毎年実施する「DPC導入の影響評価に係る調査」に適切に参加し、入院及び外来診療データを提出すること。調査期間1月あたりの(データ/病床)比が0.875以上であること。
コーディング委員会
医師、薬剤師、診療記録管理者などで構成するコーディング委員会を年4回以上開催すること(毎月開催することが望ましい)。
掲示・説明(本記事の主題)
当該病院が算定告示により費用を算定する旨を院内に掲示するとともに、入院患者及び関係者に対して、診療報酬の算定方法等について十分に説明すること。

掲示義務の内容
院内掲示
DPC対象病院は、当該病院が算定告示により費用を算定する旨を院内に掲示しなければなりません。
具体的には、当院が算定告示に基づきDPC/PDPSにより入院医療費を算定している旨を、病院の見やすい場所に掲示します。
なお、包括される範囲と出来高で算定される範囲の詳細については、次の「患者への説明義務」で対応します。掲示自体は算定する旨のシンプルな内容で構いません。
掲示文例
入院医療費の算定方法について
当院は、厚生労働大臣が定めるDPC対象病院です。
入院医療費は「DPC/PDPS(診断群分類に基づく1日あたり定額報酬算定制度)」により算定しております。この制度では、病名や手術・処置等の内容に応じた「診断群分類」ごとに、1日あたりの定額点数が設定されています。
入院中の検査、投薬、注射、画像診断等の費用は包括的に評価されます。ただし、手術、麻酔、リハビリテーション等については出来高で算定されます。
詳しくは、入院時に担当者よりご説明いたします。
○○病院
患者への説明義務
DPC対象病院は、院内掲示に加えて、以下の説明を行う義務があります。
入院患者・関係者への説明
入院患者及び関係者に対して、診療報酬の算定方法等について十分に説明すること。
具体的には:
- 入院費用が包括評価方式で計算されること
- 包括される費用と出来高で算定される費用の違い
- 入院期間による点数の変動(入院期間Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの仕組み)
診断群分類区分の説明(望ましい)
入院患者等に対して入院診療計画を説明する際には、診断群分類区分の名称などを説明することが望ましいとされています。
これは「義務」ではなく「望ましい」とされていますが、患者の理解を深めるために実施することが推奨されます。
入院診療計画について詳しくは、

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をご覧ください。
ウェブサイトへの掲載
DPC対象病院であることは、届け出た施設基準の一覧に含まれるため、一般的な掲示義務として院内掲示に加えてウェブサイトにも掲載する必要があります。
多くのDPC対象病院では、ウェブサイト上に以下の内容を掲載しています。
- DPC対象病院であること
- 包括評価方式の概要
- 包括範囲と出来高範囲の説明
- 厚生労働大臣が定める掲示事項の一覧
掲示義務のWeb対応について詳しくは、

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では、DPC対象病院の掲示・説明に関して以下の点が確認されます。
- DPC/PDPSで算定する旨の院内掲示が見やすい場所にあるか
- 入院患者に対して算定方法の説明が実施されているか
- 説明の記録が診療録等に残されているか
- コーディング委員会が年4回以上開催されているか
- データ提出が適切に行われているか
特に「掲示はあるが患者への説明が十分でない」「説明した記録が残っていない」といった指摘が多いため、説明の実施と記録の保管に注意が必要です。
まとめ
DPC対象病院の掲示・説明義務は、患者が入院費用の算定方法を理解するための重要な仕組みです。
- 院内掲示:算定告示により費用を算定する旨を掲示
- 患者説明:入院患者・関係者に診療報酬の算定方法を十分に説明
- 診断群分類の説明:入院診療計画の説明時に名称を説明(望ましい)
- ウェブサイト掲載:届出施設基準の一覧に含めて掲載
- 適時調査:掲示の有無+説明の実施・記録が確認される
DPC対象病院にとって、掲示と説明は適時調査でも重要な確認ポイントです。掲示内容の更新と、患者への説明・記録を確実に行いましょう。
掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省
- 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第7号) — 厚生労働省保険局医療課
- DPC制度の概要と基本的な考え方 — 厚生労働省
