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適時調査・指導
2026年4月6日 · MASA

適時調査チェックリスト|当日までに準備すべきこと完全版

適時調査チェックリスト|当日までに準備すべきこと完全版
# 適時調査# チェックリスト# 施設基準# 掲示義務# 厚生局

適時調査の通知が届いたら、何を準備すればいいのか。限られた時間の中で、漏れなく対応するためのチェックリストを用意しました。

適時調査は施設基準の届出内容が適正に運用されているかを確認するもので、不備が見つかると診療報酬の返還を求められることがあります。令和5年度の適時調査では、返還額が全国で約32億円にのぼりました。

本記事では、適時調査の基本から、事前準備のチェックリスト、よくある指摘事項まで解説します。

目次

  1. 適時調査とは
  2. 適時調査の流れ
  3. 事前準備チェックリスト
  4. よくある指摘事項TOP5
  5. 院内掲示・ウェブサイト掲載の確認ポイント
  6. 適時調査と個別指導の違い
  7. よくある質問
  8. まとめ

適時調査とは

適時調査とは、地方厚生(支)局が保険医療機関に対して行う、施設基準の届出内容に関する調査です。届出どおりの人員配置・設備・体制が維持されているか、院内掲示が適切に行われているかなどが確認されます。

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目的

施設基準の届出を行っている保険医療機関について、届出内容を調査・確認するとともに、施設基準の周知徹底および適正化を図ることが目的です。

対象

原則として病院が対象です。診療所(クリニック)が適時調査の対象になるケースは少ないですが、施設基準を多く届け出ている場合などは対象になることがあります。

頻度

原則として年1回の実施が目安ですが、実際には各都道府県内の保険医療機関数に応じて、数年に1度のペースで実施されることが多いです。

調査体制

指導看護師1名と事務官2名以内で行われ、所要時間は半日(約3時間)が標準です。

適時調査の流れ

適時調査は以下の流れで実施されます。

ステップタイミング内容
1. 通知約3週間〜1ヶ月前厚生局から封書で適時調査の実施通知が届く
2. 事前提出通知後〜調査日前指定された書類を厚生局に提出
3. 当日調査調査日調査員が来院し、書類確認・施設確認・掲示物確認を実施(約3時間)
4. 結果通知調査後約1ヶ月書面で結果通知書が送付される。口頭での指摘事項は当日伝達

調査日の2〜3日前には、調査員の担当する施設基準のリストが届きます。このリストを見て、該当する施設基準の書類や掲示物を重点的に確認しましょう。

事前準備チェックリスト

通知を受けたら、以下のチェックリストで準備状況を確認してください。

書類関連

  • 届出書の控え(調査日現在有効な施設基準の届出書一式)
  • 保険医療機関の現況(病院の概要、許可病床数、医師数等)
  • 病院報告(患者票 / 直近1年分)
  • 勤務実績表(看護職員の月別勤務実績、直近1年分)
  • 看護要員の配置状況(病棟ごとの看護師数・准看護師数・看護補助者数)
  • 月平均夜勤時間数の計算根拠
  • 入院時食事療養に関する書類(該当する場合)
  • 保険外併用療養費に関する書類(差額ベッド代等)
  • 保険外負担に関する書類(文書料、おむつ代等の料金表)

掲示物関連

  • 院内掲示が最新の届出内容と一致しているか
  • 入院基本料の看護配置が正しく掲示されているか
  • 明細書の発行に関する掲示があるか
  • 保険外負担の料金一覧が掲示されているか
  • 選定療養の掲示内容が正しいか(差額ベッド代、長期収載品等)
  • 掲示物の内容がウェブサイトにも掲載されているか

施設・設備関連

  • 届出している設備(AED、パルスオキシメーター等)が設置されているか
  • 感染対策に関する備品・体制が整っているか
  • 掲示物の設置場所が患者の見やすい位置にあるか

事前提出書類の様式は、厚生労働省の適時調査実施要領等からダウンロードできます。各地方厚生局のページにも掲載されています。

よくある指摘事項TOP5

適時調査で特に指摘が多い事項をまとめます。

1. 院内掲示の不備

最も多い指摘事項です。以下のようなケースが該当します。

  • 掲示している内容が届出内容と異なっている
  • 看護配置の掲示が最新のデータに更新されていない
  • 保険外負担の料金表に消費税込み総額表示がされていない
  • ウェブサイトに掲示事項が掲載されていない(令和7年6月以降は義務)

2. 看護要員の配置に関する不備

  • 月平均夜勤時間数が基準を超過している
  • 勤務実績表の計算方法に誤りがある
  • 夜勤専従者の取り扱いが不適切

3. 届出と実態の不一致

  • 届出している施設基準の要件を満たさなくなっているのに変更届を出していない
  • 常勤医師の勤務時間が基準を下回っている
  • 研修の実施記録が保管されていない

4. 保険外負担に関する不備

  • 療養の給付と直接関係のないサービスの料金が掲示されていない
  • 料金が消費税込み総額表示になっていない
  • 患者から同意書を取得していない

5. 入院時食事療養の不備

  • 食事療養の基準を満たしていない
  • 特別メニューの掲示がない
  • 栄養管理に関する記録が不十分
個別指導・適時調査対策|院内掲示とHPの齟齬を整える

院内掲示・ウェブサイト掲載の確認ポイント

令和6年度の診療報酬改定で、院内掲示事項のウェブサイト掲載が義務化されました(経過措置は令和7年5月末で終了)。適時調査でもウェブサイトの掲載状況が確認される可能性があります。

確認すべきポイント

  • 届出している全ての施設基準が院内に掲示されているか
  • 院内掲示と同じ内容がウェブサイトにも掲載されているか
  • 掲示内容が最新の届出状況と一致しているか
  • 令和8年改定で廃止・再編された加算名が残っていないか

自院の届出一覧の確認方法は、

施設基準の届出一覧|自院の届出状況を確認する3つの方法

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自院の施設基準の届出一覧を確認する3つの方法(厚生局サイト・医療情報ネット・届出控え)と、届出状況と掲示義務の関係を解説。厚生局ごとの確認ページリンク付き。

で解説しています。

掲示義務の全体像は、

ウェブサイト掲示義務とは?制度の全体像と対応期限を解説【第1部】

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をご覧ください。

適時調査と個別指導の違い

適時調査と混同されやすい「個別指導」との違いを整理します。

適時調査個別指導
目的施設基準の届出内容の確認診療内容・請求内容の確認
主な対象病院(施設基準の届出医療機関)病院・診療所(選定された医療機関)
選定方法原則として全届出医療機関を巡回高点数・情報提供等による選定
確認内容人員配置、設備、掲示物、書類カルテ、レセプト、診療内容
頻度原則年1回(実質は数年に1度)不定期
所要時間約3時間(半日)約2〜3時間
調査体制看護師1名+事務官2名以内指導医療官等

適時調査で明らかな不正請求が疑われる場合は、個別指導や監査に移行することがあります。

よくある質問

Q. 適時調査の通知が届いたら、まず何をすべきですか?

まず届出書の控えを確認し、現在届出している施設基準の一覧を把握してください。次に、院内掲示が届出内容と一致しているかを確認します。通知には事前提出が必要な書類のリストが含まれていますので、期限までに準備・提出してください。

Q. 診療所(クリニック)も適時調査の対象ですか?

適時調査は原則として病院が対象です。診療所が対象になるケースは少ないですが、施設基準を多く届け出ている場合や、問題が報告されている場合は対象になることがあります。ただし、掲示義務自体は診療所にも適用されますので、普段から掲示物の管理は行っておきましょう。

Q. 指摘を受けた場合、どうなりますか?

指摘の程度によって対応が異なります。軽微な不備であれば改善指導にとどまりますが、施設基準を満たしていないことが判明した場合は、届出の変更または辞退が求められ、診療報酬の返還が必要になることがあります。

Q. 返還額はどのくらいになりますか?

ケースによりますが、施設基準を満たしていなかった期間の当該加算の算定額が返還対象となります。入院基本料のような大きな点数の場合、数百万〜数千万円規模の返還になることもあります。令和5年度の全国の返還額は約32億円でした。

まとめ

適時調査は、施設基準の適正な運用を確認する重要な調査です。事前準備をしっかり行うことで、指摘を最小限に抑えることができます。

  • 原則として病院が対象(診療所は少ないが対象になることもある)
  • 通知から約3週間で準備が必要
  • 院内掲示の不備が最も多い指摘事項
  • ウェブサイト掲載も確認対象になる可能性がある
  • 不備が見つかると診療報酬の返還を求められる

普段から施設基準の管理と掲示物の更新を行い、適時調査に備えておくことが最も効果的な対策です。

具体的なWeb掲示の対応方法は、

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医療機関のウェブサイト掲示義務について、何を掲載すべきか・どう対応すべきかを具体例つきで解説します。令和8年改定での変更点も網羅。

で解説しています。

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 適時調査実施要領等 — 厚生労働省
  • 適時調査における事前提出書類及び当日準備書類 — 九州厚生局
  • 適時調査に係る事前提出資料について — 関東信越厚生局
  • 個別指導・適時調査で指摘する機会が多い事項について — 近畿厚生局
  • 令和6年度 適時調査における主な指摘事項(PDF) — 九州厚生局
掲示ナビ|HP掲示の義務化をシステムに任せる
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1適時調査とは
  2. 2適時調査の流れ
  3. 3事前準備チェックリスト
  4. 4よくある指摘事項TOP5
  5. 5院内掲示・ウェブサイト掲載の確認ポイント
  6. 6適時調査と個別指導の違い
  7. 7よくある質問
  8. 8まとめ

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