か強診から口管強へ|口腔管理体制強化加算の施設基準と掲示要件を解説

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)は令和6年度改定で廃止され、口腔管理体制強化加算(口管強)に再編されました。施設基準としての評価から加算方式に変わり、口腔機能管理の実績が新たに求められています。
この記事では、口管強の施設基準・か強診からの変更点・掲示義務について解説します。
か強診から口管強への再編
経緯
| 時期 | 名称 | 評価方式 |
|---|---|---|
| 〜令和6年5月 | かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診) | 施設基準 |
| 令和6年6月〜 | 口腔管理体制強化加算(口管強) | 加算 |
か強診は「施設基準を満たす歯科診療所」としての位置づけでしたが、口管強は「口腔機能管理に関する実績を含む要件を満たした場合に算定できる加算」に変わりました。
かかりつけ歯科医の役割が求められていること自体は変わりませんが、口腔機能管理の実績が新たに要件に加わった点が最大の変更点です。

口管強の施設基準
(1) 人員配置
- 歯科医師が複数名配置されていること、又は歯科医師及び歯科衛生士がそれぞれ1名以上配置されていること
(2) 診療実績(全て満たすこと)
- 過去1年間に歯周病安定期治療又は歯周病重症化予防治療を合わせて30回以上算定
- 過去1年間にエナメル質初期う蝕管理料又は根面う蝕管理料を合わせて12回以上算定
- 歯科初診料の注1に係る施設基準を満たすこと
- 在宅療養支援歯科診療所の届出をしていない場合は、歯科訪問診療の届出を行っていること
(3) 口腔機能管理の実績(新要件)
- 過去1年間に歯科疾患管理料(口腔機能発達不全症又は口腔機能低下症の管理を行う場合に限る)、歯科衛生実地指導口腔機能指導加算、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料又は歯科口腔リハビリテーション料3を合わせて12回以上算定
これがか強診にはなかった口管強の新しい要件です。
(4) 訪問診療等
以下のいずれかに該当すること。
- 歯科訪問診療料を算定していること
- 在宅療養支援歯科診療所等との連携の実績があること
- 在宅歯科医療に係る連携体制が確保されていること
か強診では訪問診療の実施が必須でしたが、口管強では連携体制の確保でも可となり、要件が緩和されました。
(5) 診療情報連携
- 過去1年間の診療情報提供料又は診療情報連携共有料を合わせて5回以上算定
(6) 研修・資質
- 歯科疾患の重症化予防に資する継続管理を行う能力を有する歯科医師が在籍
- 高齢者・小児の特性及び緊急時に関する適切な研修を受けた歯科医師等が在籍
(7) 緊急時連携体制
- 診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連携体制が確保されていること
(8) 歯科訪問診療の説明
- 歯科訪問診療を行う患者に対し、担当医名・診療可能日・緊急時の注意事項等について事前に患者又は家族に説明し、文書により提供していること
(9) 地域連携実績(3つ以上)
以下の項目のうち3つ以上に該当すること。
- ア:居宅療養管理指導の実績
- イ:地域ケア会議への年1回以上出席
- ウ:介護認定審査会の委員経験
- エ:多職種連携会議等への年1回以上出席
- オ:在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料の実績
- カ:在宅医療又は介護に関する研修受講
- キ:退院時共同指導料等の実績
- ク:認知症対応力向上等の研修受講
- ケ:福祉施設等での定期的な歯科健診への協力
- コ:自治体の事業への協力
- サ:学校歯科医等への就任
- シ:歯科診療特別対応加算の実績
(10) 歯科用吸引装置
歯科ユニットごとに飛散物を吸引できる環境を確保していること。
(11) 安全設備
以下の設備を有していること。
- AED(自動体外式除細動器)
- パルスオキシメーター
- 酸素供給装置
- 血圧計
- 救急蘇生セット
- 歯科用吸引装置
か強診からの主な変更点
| 項目 | か強診(旧) | 口管強(新) |
|---|---|---|
| 評価方式 | 施設基準 | 加算 |
| 口腔機能管理 | 要件なし | 12回以上の実績が必要 |
| 訪問診療 | 実施が必須 | 連携体制の確保でも可 |
| 歯科初診料注1 | 別途届出 | 施設基準に組み込み |
| 経過措置 | — | R7年5月31日まで |
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とも共通の前提要件です。
つまり、口管強を算定する歯科医院は、外安全・外感染も併せて算定できる体制が整っていることが多いです。
掲示義務について
口管強自体の掲示義務
口管強の施設基準には、加算特有の掲示義務はありません。
一般的な掲示義務
口管強は届出を行う施設基準であるため、届け出た施設基準の一覧に含めて院内掲示+ウェブサイト掲載する必要があります。
AEDの掲示(望ましい)
施設基準(11)において、AEDを保有していることがわかる院内掲示を行っていることが望ましいとされています。
患者への説明
口管強を算定すると患者の自己負担額が変わるケースがあるため、患者への口頭での説明を行うことが推奨されています。
届出方法と経過措置
届出
口管強の施設基準に係る届出は所定の届出様式を用います。
経過措置(終了済み)
令和6年3月31日時点でか強診の届出を行っていた保険医療機関については、令和7年5月31日までの間に限り、一部の要件を満たしているものとみなされていました。この経過措置は既に終了しています。
現在は、口管強の全要件を満たしたうえで届出が必要です。
まとめ
口腔管理体制強化加算(口管強)は、旧・か強診に代わる歯科医院のかかりつけ機能を評価する加算です。
- か強診がR6で廃止→口管強に再編
- 新たに口腔機能管理の実績(12回以上)が要件に追加
- 訪問診療は連携体制の確保でも可(要件緩和)
- 地域連携実績は12項目のうち3つ以上
- 安全設備(AED・パルスオキシメーター等)は引き続き必要
- 加算特有の掲示義務はなし(届出施設基準一覧への記載+Web掲載、AED掲示は望ましい)
- 経過措置はR7年5月末で既に終了
掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】 — 厚生労働省保険局医療課
- 令和6年度歯科診療報酬改定の主なポイント — 厚生労働省
- 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省
