歯科外来診療感染対策加算(外感染)の施設基準と掲示要件を解説

歯科医院における院内感染防止対策を評価する歯科外来診療感染対策加算(外感染)。令和6年度改定で旧「歯科外来診療環境体制加算(外来環)」の感染対策部分が独立して新設されました。
この記事では、外感染1〜4の施設基準の違い、掲示義務について解説します。
歯科外来診療感染対策加算(外感染)とは
外感染は、歯科医院における院内感染防止対策を評価する加算です。旧「外来環」が令和6年度改定で「医療安全」と「感染対策」に分離された際に新設されました。
医療安全面を評価する

歯科外来診療医療安全対策加算(外安全)の施設基準と掲示要件を解説
歯科外来診療医療安全対策加算(外安全)の施設基準と掲示要件を解説。AED・パルスオキシメーター等の必要設備、緊急時連携体制、院内掲示・Web掲載の義務内容、旧・外来環からの再編経緯をまとめました。
とセットで算定することで、旧・外来環よりも合計点数が高くなる設計です。

外感染1〜4の違い
外感染は4つの区分があり、2つの軸で分類されます。
| 非地域歯科診療支援病院 | 地域歯科診療支援病院 | |
|---|---|---|
| 基本(新型インフル対応なし) | 外感染1(初診12点/再診2点) | 外感染3(初診13点/再診3点) |
| 上位(新型インフル対応あり) | 外感染2(初診14点/再診4点) | 外感染4(初診15点/再診5点) |
2つの軸
- 地域歯科診療支援病院の有無:外感染1・2(届出なし)vs 外感染3・4(届出あり)
- 新型インフルエンザ等感染症等への対応:外感染1・3(対応なし)vs 外感染2・4(対応あり)
一般的な歯科医院は外感染1、新型インフル等への対応体制も整備している場合は外感染2を算定します。
施設基準の要件(外感染1〜4共通)
前提条件
- 歯科医療を担当する保険医療機関であること
- 歯科初診料の注1に係る施設基準(院内感染防止対策の基本要件)に適合していること
人員配置
- 歯科医師が複数名配置されていること、又は歯科医師が1名以上配置されており、かつ歯科衛生士若しくは院内感染防止対策に係る研修を受けた者が1名以上配置されていること
院内感染管理者
- 院内感染管理者が配置されていること(医科歯科併設の保険医療機関では歯科の外来診療部門に配置)
院内感染防止対策
- 歯科外来診療における院内感染防止対策につき十分な体制が整備されていること
- 歯科用吸引装置等により歯科ユニットごとに歯の切削時等に飛散する細かな物質を吸収できる環境を確保していること
設備要件
歯科初診料の注1の施設基準として、以下の感染対策設備が求められます。
- 口腔内で使用する歯科医療機器等について、患者ごとの交換や専用機器を用いた洗浄・滅菌処理を行っていること
- 歯科用吸引装置等の設備
新型インフル対応(外感染2・4の追加要件)
外感染2・4は、外感染1・3の要件に加えて以下を満たす必要があります。
感染症患者への対応体制
- 新型インフルエンザ等感染症等の患者又はそれらの疑似症患者に対して歯科外来診療が可能な体制を確保していること
事業継続計画
- 新型インフルエンザ等感染症等に係る事業継続計画(BCP)を策定していること
医科との連携体制
- 歯科外来診療を円滑に実施できるよう、新型インフルエンザ等感染症等に係る医科診療を担当する他の保険医療機関との連携体制が整備されていること
疑似症患者の受入体制
- 当該地域において歯科医療を担当する別の保険医療機関から、新型インフルエンザ等感染症等の患者又は疑似症患者を受け入れるための連携体制を確保していること
掲示義務について
外感染自体の掲示義務
外感染の施設基準には、加算特有の掲示義務はありません。
歯科初診料の注1(前提要件)の掲示義務
外感染の前提となる歯科初診料の注1の施設基準には、院内感染防止対策を講じている旨の院内掲示及び原則としてウェブサイト掲載が求められています。
つまり、外感染を算定する歯科医院は、歯科初診料の注1の掲示義務として:
- 院内感染防止対策を実施している旨の院内掲示
- 上記の掲示事項を原則としてウェブサイトに掲載
を行う必要があります。
届出施設基準一覧への記載
外感染は届出を行う施設基準であるため、届け出た施設基準の一覧に含めて院内掲示+ウェブサイト掲載する必要があります。
掲示文例
院内感染防止対策について
当院は、歯科外来診療感染対策加算の施設基準を満たしております。
- 口腔内で使用する器具は患者様ごとに交換し、専用機器による洗浄・滅菌を徹底しております
- 歯科用吸引装置により、診療中の飛散物を吸引する環境を整備しております
- 院内感染管理者を配置し、感染防止対策の管理を行っております
○○歯科医院
施設名で検索するだけで、あなたの医療機関に必要な掲示義務の一覧と、実際の掲示ページのデモをご覧いただけます。
届出方法と経過措置
届出様式
外感染の施設基準に係る届出は、様式4を用います。外安全と外感染はそれぞれ別の様式4を作成する必要があります。
経過措置
旧「歯科外来診療環境体制加算(外来環1)」を届出していた歯科医院は、令和7年5月31日までに新たな施設基準の要件を満たし再届出が必要でした。この経過措置は既に終了しています。
なお、旧外来環1の届出をしていた保険医療機関が外感染2の届出を行う場合は、経過措置期間中に①〜⑥を満たしていなくても外感染2の算定が可能でしたが、今後外感染2を算定するには全要件を満たす必要があります。
まとめ
歯科外来診療感染対策加算(外感染)は、歯科医院の院内感染防止対策を評価する加算です。
- 旧「外来環」の感染対策部分がR6で独立して新設
- 4区分:地域歯科診療支援病院の有無 × 新型インフル対応の有無
- 一般的な歯科医院は外感染1(初診12点/再診2点)
- 新型インフル対応ありなら外感染2(初診14点/再診4点)
- 加算特有の掲示義務はなし。ただし前提の歯科初診料注1に院内感染防止の掲示義務あり

歯科外来診療医療安全対策加算(外安全)の施設基準と掲示要件を解説
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とセットで算定することで旧・外来環より高い点数に
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参考資料
- 令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】 — 厚生労働省保険局医療課
- 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省