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2026年4月10日 · MASA

在宅療養支援診療所(在支診)の施設基準と掲示要件を解説

在宅療養支援診療所(在支診)の施設基準と掲示要件を解説
# 在宅療養支援診療所# 在支診# 施設基準# 掲示義務# 在宅医療

在宅医療を行うクリニックにとって、在宅療養支援診療所(在支診)の届出は診療報酬上の大きなメリットがあります。しかし、施設基準の要件が多く、機能強化型と一般型の違いもわかりにくいという声が少なくありません。

この記事では、在支診の施設基準・3つの区分の違い・掲示要件について、厚生労働省の通知をもとに解説します。

目次

  1. 在宅療養支援診療所(在支診)とは
  2. 在支診の3つの区分
  3. 共通の施設基準(全在支診)
  4. 機能強化型の追加要件
  5. 掲示義務・患者への文書提供
  6. 届出方法
  7. まとめ

在宅療養支援診療所(在支診)とは

在宅療養支援診療所とは、24時間体制で在宅医療を提供する診療所として、厚生労働大臣が定める施設基準を満たし、地方厚生局に届け出た診療所のことです。

在支診の届出を行うことで、在宅患者訪問診療料や在宅ターミナルケア加算など、在宅医療に関する診療報酬を高い点数で算定できるようになります。

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在支診の3つの区分

在支診には3つの区分があり、体制や実績によって区分が異なります。

区分常勤医緊急往診実績看取り実績特徴
機能強化型(単独型)3名以上10件以上/年4件以上/年1つの診療所で全て対応
機能強化型(連携型)連携全体で3名以上連携全体で10件以上(自院4件以上)連携全体で4件以上(自院2件以上)複数の医療機関で連携
一般の在支診要件なし要件なし要件なし24時間体制のみ

機能強化型は在宅ターミナルケア加算や看取り加算の点数が高く設定されており、実績が多い診療所ほど有利な仕組みです。

共通の施設基準(全在支診)

3つの区分すべてに共通する施設基準は以下のとおりです。

24時間連絡体制

当該診療所において、24時間連絡を受ける保険医又は看護職員をあらかじめ担当者として指定し、以下の情報を文書により患家に提供すること。

  • 担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号
  • 緊急時の注意事項
  • 曜日・時間帯ごとに担当者が異なる場合は、それぞれの連絡先を明示

24時間往診体制

患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、以下を文書により患家に提供すること。

  • 往診担当医の氏名
  • 担当日

24時間訪問看護体制

当該診療所において、又は別の保険医療機関若しくは訪問看護ステーションの看護師等との連携により、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名・担当日等を文書により患家に提供すること。

緊急入院体制

  • 有床診療所:緊急時に入院できる病床を常に確保
  • 無床診療所:別の保険医療機関(200床以上の病院を含む)との連携により、入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生局長に届け出ること

その他の共通要件

  • 連携する保険医療機関等に診療情報を文書で随時提供すること
  • 診療記録管理体制が整備されていること
  • 他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携していること
  • 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を踏まえ、適切な意思決定支援に関する指針を作成していること
  • BCP(業務継続計画)を策定し、必要な措置を講じること
  • 健康保険法の規定により3年以内の期限が付された診療所以外の保険医療機関であること

機能強化型の追加要件

単独型の要件

診療所単独で以下の全てを満たすこと。

  • 在宅医療を担当する常勤の医師が3名以上
  • 過去1年間の緊急の往診の実績が10件以上
  • 過去1年間の在宅における看取りの実績を4件以上(又は15歳未満の超重症児等に対する在宅医療の実績4件以上)

連携型の要件

他の保険医療機関と在宅支援連携体制を構築している診療所で、以下を満たすこと。

  • 連携体制を構築する保険医療機関の数は10未満
  • 連携体制全体で在宅医療を担当する常勤医が3名以上
  • 連携体制全体で過去1年間の緊急往診の実績が10件以上、かつ当該診療所で4件以上
  • 連携体制全体で過去1年間の看取りの実績が4件以上、かつ当該診療所で2件以上
  • 連携体制内で月1回以上のカンファレンスを実施すること

訪問診療の割合が高い場合の追加条件

直近1か月の初診・再診・往診・訪問診療のうち、往診又は訪問診療を実施した患者の割合が9割5分以上の場合は、以下のいずれかの要件も満たす必要があります。

  • 直近1年間に5つ以上の病院又は診療所から文書による紹介を受けて訪問診療を開始した実績
  • 過去1年間の在宅における看取りの実績を20件以上有していること
  • 在宅時医学総合管理料等の患者のうち、施設入居時等の患者の割合が7割以下であること

掲示義務・患者への文書提供

院内掲示

在支診の施設基準を届け出ている場合、その旨を院内の見やすい場所に掲示する必要があります。これは全ての施設基準に共通する掲示義務です。

なお、在宅医療充実体制加算(機能強化型の在支診が追加で届け出る加算)を算定する場合は、過去1年間の看取り実績及び十分な緩和ケアが受けられる旨の掲示も求められます。

ウェブサイトへの掲載

施設基準の院内掲示事項は、原則としてウェブサイトにも掲載する必要があります(自ら管理するホームページ等を有しない場合はこの限りではありません)。

患者への文書提供(重要)

在支診の施設基準では、以下の情報を文書により患家に提供することが必須です。

提供すべき情報内容
24時間連絡先担当者の氏名、直接連絡がとれる電話番号、緊急時注意事項
往診担当医氏名、担当日
訪問看護担当者氏名、担当日
受入医療機関緊急入院が可能な医療機関の名称(地方厚生局にも届出)

これらの文書提供は、単に掲示するだけでなく患者・家族に直接手渡す必要がある点が、他の施設基準の掲示義務とは異なります。

掲示文例

在宅療養支援診療所に関するお知らせ

当院は、厚生労働大臣が定める施設基準を満たす在宅療養支援診療所です。

  • 24時間連絡を受ける体制を整備しております
  • 24時間往診が可能な体制を確保しております
  • 24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保しております
  • 緊急時に入院可能な医療機関と連携しております 担当医師・連絡先等の詳細は、別途文書にてお渡ししております。

○○クリニック

在支診で算定できる加算について詳しくは、

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もあわせてご覧ください。

届出方法

届出様式

区分届出様式
機能強化型(単独型・連携型)別添2の様式11+様式11の3
一般の在支診別添2の様式11のみ

届出先は、所在地を管轄する地方厚生局です。

届出時の注意点

  • 受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生局長に届け出ること(無床診療所の場合)
  • 機能強化型の連携型は、連携体制を構築する全ての医療機関がそれぞれ届出を行うこと
  • 在宅医療充実体制加算や在宅療養実績加算を併せて届け出る場合は、様式11の3や様式11の5も必要

まとめ

在宅療養支援診療所(在支診)は、24時間体制の在宅医療を提供する診療所として、診療報酬上の高い評価を受けるための施設基準です。

  • 3つの区分:機能強化型(単独型)・機能強化型(連携型)・一般の在支診
  • 共通要件:24時間連絡体制・往診体制・訪問看護体制・緊急入院体制・意思決定支援指針・BCP策定
  • 機能強化型の追加要件:常勤医3名以上、緊急往診10件以上/年、看取り4件以上/年
  • 掲示義務:在支診の届出をしている旨を院内掲示+ウェブサイト掲載(在宅医療充実体制加算を算定する場合は看取り実績等の掲示も必要)
  • 文書提供義務:24時間連絡先・往診担当医・訪問看護担当者・受入医療機関を患家に文書提供

在支診の届出を検討している場合は、まず一般の在支診から始め、実績を積みながら機能強化型へのステップアップを目指すのが現実的です。

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省
  • 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて — 厚生労働省保険局医療課
  • 在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の施設基準 — 中医協資料
掲示ナビ|HP掲示の義務化をシステムに任せる
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1在宅療養支援診療所(在支診)とは
  2. 2在支診の3つの区分
  3. 3共通の施設基準(全在支診)
  4. 4機能強化型の追加要件
  5. 5掲示義務・患者への文書提供
  6. 6届出方法
  7. 7まとめ

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