在宅医療DX情報活用加算の施設基準と掲示要件を解説

在宅医療においても医療DXの推進が求められています。令和6年度診療報酬改定で新設された在宅医療DX情報活用加算は、訪問診療においてオンライン資格確認や電子処方箋などを活用した場合に算定できる加算です。
この記事では、在宅医療DX情報活用加算の点数・施設基準・掲示義務について、厚生労働省の告示・通知をもとに解説します。
在宅医療DX情報活用加算とは
在宅医療DX情報活用加算は、居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムにより得られる診療情報等を活用して、計画的な医学管理の下に訪問診療を行った場合に算定できる加算です。
外来の

電子的診療情報連携体制整備加算の施設基準と掲示要件を解説
電子的診療情報連携体制整備加算の点数・施設基準・掲示要件を厚生労働省の一次資料をもとに解説。初診15点〜4点の3段階、入院160点・80点の要件の違い、院内掲示・Web掲載の義務内容をまとめました。
が初診料・再診料に加算されるのに対し、在宅医療DX情報活用加算は訪問診療料に加算される点が異なります。
外来加算との主な違い
| 項目 | 電子的診療情報連携体制整備加算(外来) | 在宅医療DX情報活用加算 |
|---|---|---|
| 対象 | 初診料・再診料・入院料 | 訪問診療料 |
| マイナ保険証利用率30%要件 | あり | なし |
| 居宅同意取得型オンライン資格確認 | 不要 | 必要 |
| 明細書無償交付の要件 | あり | なし |

点数と算定対象
点数(令和8年度)
| 区分 | 点数 | 電子処方箋 | 電子カルテ情報共有サービス |
|---|---|---|---|
| 加算1 | 11点 | ○ 必要 | ○ 必要 |
| 加算2 | 9点 | × 不要 | ○ 必要 |
いずれも月1回に限り算定可能です。
算定対象
以下の診療料を算定する患者に対して加算できます。
- 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の1
- 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の2
- 在宅患者訪問診療料(Ⅱ)
- 在宅がん医療総合診療料
併算定の制限
以下の加算を算定した月は、在宅医療DX情報活用加算は算定できません。
- 電子的診療情報連携体制整備加算(初診料・再診料・外来診療料)
- 在宅がん医療総合診療料の在宅医療DX情報活用加算(注8)
- 訪問看護DX情報活用加算
つまり、同じ月に外来で電子的診療情報連携体制整備加算を算定した場合は、在宅医療DX情報活用加算は算定できません。
施設基準の要件
加算1(11点)の施設基準
以下の(1)〜(7)全てを満たすこと。
- レセプトオンライン請求を行っていること
- オンライン資格確認を行う体制を有していること(医療機関等向けポータルサイトで運用開始日を登録)
- 居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムの活用により、医師等が患者の診療情報等を取得及び活用できる体制を有していること
- 電子処方箋を発行する体制又は調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制を有していること
- 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制を有していること
- 所定の掲示義務を満たしていること(後述)
- 掲示事項を原則としてウェブサイトに掲載していること
加算2(9点)の施設基準
加算1の(1)〜(3)および(5)〜(7)を満たすこと。
つまり、(4)電子処方箋の要件が不要です。電子処方箋の導入がまだの医療機関でも、電子カルテ情報共有サービスに対応していれば加算2を算定できます。
「居宅同意取得型」とは
在宅医療DX情報活用加算の特徴的な要件が「居宅同意取得型のオンライン資格確認等システム」です。
通常のオンライン資格確認は医療機関の窓口で行いますが、居宅同意取得型は患者の自宅でモバイル端末等を用いてマイナンバーカードによる本人確認と資格確認を行い、診療情報を取得する仕組みです。
訪問診療の現場で、患者の同意を得たうえで過去の診療情報や薬剤情報を確認し、質の高い在宅医療を提供することが求められています。
掲示義務の内容
院内掲示
保険医療機関の見やすい場所に、次の事項を掲示しなければなりません。
- ア 医師が居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムにより取得した診療情報等を活用して、計画的な医学管理の下に、訪問して診療を実施している保険医療機関であること
- イ マイナ保険証の利用を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる保険医療機関であること
ウェブサイトへの掲載
上記の掲示事項は、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではありません。
掲示文例
在宅医療DX推進体制に関するお知らせ
当院は、在宅医療における医療DX推進の体制について、施設基準を満たしております。
- 当院の医師は、居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムにより取得した診療情報等を活用して、計画的な医学管理の下に訪問診療を実施しております
- マイナ保険証の利用を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでおります
○○クリニック
届出方法と経過措置
届出
在宅医療DX情報活用加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式11の6を用います。届出先は、所在地を管轄する地方厚生局です。
経過措置
電子カルテ情報共有サービスの活用要件(施設基準(5))については、当面の間、基準を満たしているものとみなされます。ただし、国等が全国で電子カルテ情報共有サービスの運用を開始した場合には、速やかに導入するよう努めることとされています。
電子カルテ情報共有サービスについて詳しくは、

電子カルテ情報共有サービスとは?仕組み・参加方法・掲示要件を解説
電子カルテ情報共有サービスの仕組み・共有される6情報・参加方法・補助金・診療報酬との関係・掲示要件を、医療機関向けにわかりやすく解説します。
をご覧ください。
まとめ
在宅医療DX情報活用加算は、訪問診療における医療DX活用を評価する加算です。
- 加算1(11点):電子処方箋+電子カルテ情報共有サービスの両方に対応
- 加算2(9点):電子カルテ情報共有サービスのみ(電子処方箋不要)
- 月1回算定、電子的診療情報連携体制整備加算との併算定不可
- 居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムの活用が必須
- 掲示義務として、居宅同意取得型活用の実施・医療DX推進への取り組みについて院内掲示+ウェブサイト掲載(原則)が必要
外来の電子的診療情報連携体制整備加算とは異なり、マイナ保険証利用率30%の要件がない一方、居宅同意取得型のオンライン資格確認が必要です。在宅医療を行う医療機関は、外来と在宅の両方の加算の要件を整理して対応しましょう。
掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省
- 医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号) — 厚生労働省
- 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて — 厚生労働省保険局医療課
- 医療DX推進体制整備加算及び在宅医療DX情報活用加算の見直し — 中医協 総会資料
