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診療報酬改定施設基準経営
2026年4月29日 · HIRO

【6/1必着】ベースアップ評価料、現算定機関も再届出が必須

【6/1必着】ベースアップ評価料、現算定機関も再届出が必須
# ベースアップ評価料# 2026年度改定# 施設基準届出# 賃上げ# 疑義解釈

「うちはもうベースアップ評価料を算定しているから、6月以降も届出はそのまま」——もしそう思っているなら、いますぐスケジュールを見直してください。

2026年4月24日付の厚生労働省保険局医療課事務連絡で、現に算定中の施設であっても、6月1日までに改めて施設基準の届出を行う必要があることが明示されました。理由は「施設基準において求められる内容が変更されているため」。受付は5/7〜6/1必着。近畿厚生局など一部厚生局は混雑緩和のため5/18までの提出を推奨しています(4/24厚労省事務連絡別添に5/18推奨の明示はなく、各厚生局運用)。

本記事は、現算定機関こそ届出漏れのリスクが高いという前提で、医科・歯科・薬局を1本で網羅したチェックリストです。

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目次

  1. 4/21疑義解釈4と4/24事務連絡を分けて押さえる
  2. 6/1までの再届出が必要なのは誰か
  3. 段階引上げ後の点数構造と届出様式
  4. GWを挟む実働18営業日の逆算スケジュール
  5. 賃金改善計画書は「届出時提出が不要」になっただけ
  6. 届出と同時にやる Web 掲示の同期更新
  7. よくある届出漏れ・差し戻し事例
  8. チェックリスト — 6/1までと、その後8月までにやるべきタスク

4/21疑義解釈4と4/24事務連絡を分けて押さえる

4月下旬の発出文書は2本あり、混同されがちです。役割が違うので切り分けます。なお両文書とも厚労省特設ページ「令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について」から正規 PDF を辿れます。

4/21「疑義解釈資料の送付について(その4)」

別添2「看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料関係」は 全5問(中医協確認)。問1〜2がベースアップ評価料、問3〜5が歯科技工所ベースアップ支援料関連です。本記事ではBU全体に効く問1・問2を要点として押さえます。

  • 問1: 開設者・管理者・法人の代表者・役員は対象職員に含まれない
  • 問2: 派遣職員の賃金改善に伴う消費税分は実績報告書には計上、ただし区分計算の月額賃金総額には含めない

院長・理事長分の人件費を賃金改善原資に振り替えてはいけない論点です。

4/24事務連絡「ベースアップ評価料に係る施設基準の届出について(周知)」

本記事の主題「現算定機関も改めて届出」が明示された文書。原文を引用します。

令和8年度診療報酬改定以前にベースアップ評価料に係る届出を行っており、引き続き令和8年6月1日以降もベースアップ評価料を算定する保険医療機関等であっても、施設基準において求められる内容が変更されていることから、令和8年6月1日までに改めてベースアップ評価料の届出を行う必要があることに留意されたい。

「現算定中でも再届出が必要」の根拠は4/24事務連絡であり、4/21疑義解釈4ではありません。社内資料を作るときは出典を取り違えないでください。

6/1までの再届出が必要なのは誰か

「現に算定中」の施設は全部対象です。

施設区分6月以降の主な算定対象
無床診療所(医科)外来・在宅BU評価料(Ⅰ)・(Ⅱ)
有床診療所入院BU評価料 または 外来・在宅BU(Ⅱ)
病院入院BU評価料(大半)
歯科診療所歯科外来・在宅BU評価料/歯科技工所支援料
保険薬局調剤BU評価料
訪問看護ステーション訪問看護BU評価料(Ⅰ)・(Ⅱ)

「算定しない」選択にも入院料減算リスクあり

評価料を取らない場合、原則として新たな届出を行わないことで対応できると考えられます。ただし2点注意が必要です。

  1. 取下げ専用様式は厚労省・各厚生局の公開資料からは確認できませんでした。算定しない選択の手続きは個別ケースで運用が異なる可能性があるため、詳しくは管轄の厚生局にお問い合わせください。
  2. R8.3月までにベースアップ評価料を算定していなかった病院・有床診療所は、原則として入院料の一部が減算されます。「入院料には令和6年度改定によるベースアップ評価料が含まれているため」(事務連絡別添)という構造のためです。ただし減算規定の施設基準(中医協配布資料)では、①R8.3.31時点で入院ベースアップ評価料を届出済、②R6.3月と比較して継続的に賃上げを行っている、③R8.6.1以降に新規開設、のいずれかに該当する場合は減算対象外とされています。R6.3月時点と継続的に賃上げを行ってきた医療機関は届出していなくても減算を免れる可能性があるため、自院がどの条件に該当するかは管轄厚生局に確認してください。

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段階引上げ後の点数構造と届出様式

2026年6月の改定は「2段階改定の前半戦」です。2027年6月に二段階目が控えていることを前提に原資設計してください。

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(医科)

外来・在宅ベースアップ評価料の施設基準と届出方法を解説

外来・在宅ベースアップ評価料の施設基準と届出方法を解説

外来・在宅ベースアップ評価料の点数(初診17点・再診4点)、評価料(Ⅰ)(Ⅱ)の違い、施設基準、届出方法を解説。掲示義務は不要ですが、職員への周知義務があります。R8改定での大幅増点についてもまとめました。

していますが、改定後の点数は次のとおり。

区分旧点数2026/6改定後注5(継続賃上げ加算)
初診時6点17点23点
再診時等2点4点6点
訪問診療(同一建物以外)28点79点107点
訪問診療(その他)7点19点26点

2027/6以降は中医協配布資料の段階引上げスケジュールに沿ってさらに倍増し、新たに賃上げを行う施設で初診34点/再診8点/訪問診療158点・38点、継続的賃上げ実施施設で初診40点/再診10点/訪問診療186点・45点となる見込みです。

入院ベースアップ評価料と入院基本料の見直し(連動)

入院ベースアップ評価料の施設基準と届出方法を解説

入院ベースアップ評価料の施設基準と届出方法を解説

入院ベースアップ評価料の点数(区分1〜500)、施設基準、外来・在宅ベースアップ評価料との違いを解説。前提条件として外来・在宅(Ⅰ)の届出が必要。掲示義務と届出方法をまとめました。

。2026年6月の入院料改定は 2点セット で動きます。

(1) 入院BU評価料の区分拡大(継続)

  • 〜2026/5:1〜165点
  • 2026/6〜2027/5:1〜250点
  • 2027/6〜:1〜500点

(2) 入院基本料の引き上げ+未届出機関への減算規定新設

  • 例:急性期一般入院料1 が 1,688点 → 1,874点(+186点/日) に引き上げ(中医協配布資料 p.8)。①令和6年度改定の入院BU評価料相当分+②賃上げ余力の回復・確保分が組み込まれる
  • 同時に、入院BU評価料を届出していない機関には 1日あたり 121点減算規定を新設(急性期一般入院料1の例)
  • 減算対象外3要件(前述):①R8.3.31時点で入院BU評価料届出済 ②R6.3月と比較して継続的に賃上げ ③R8.6.1以降新規開設

つまり 「入院BU評価料を届出しない選択」は単に評価料を取り損ねるだけでなく、入院基本料側の減算ペナルティを受けるリスクと直結 しています。「現算定機関も再届出必須」と「未届出機関には減算」のダブル圧力構造になっている点を、経営判断の前提として押さえてください。

歯科・調剤

歯科外来・在宅BU評価料(Ⅰ)の改定後点数は次のとおり(厚労省「令和8年度診療報酬改定の概要 歯科」p.11)。

区分旧点数2026/6改定後注5(継続賃上げ加算)
初診時10点21点31点
再診時等2点4点6点
訪問診療(同一建物居住者等以外)41点66点107点
訪問診療(その他)10点11点21点

2027/6以降は段階引上げで医科同様に倍増(詳細は厚労省概要 PDF p.11 参照)。区分は8 → 12(2026/6)→ 24(2027/6)。歯科技工所支援料は1装置15点で新設。

調剤ベースアップ評価料は処方箋受付1回4点(2026/6〜)→ 8点(2027/6〜)。

届出様式の早見表

施設区分算定区分必要様式
無床診療所ベア(Ⅰ)のみ様式95
無床診療所ベア(Ⅱ)対象様式95+96
無床診療所継続賃上げ実績あり上記+様式98
有床診療所入院BUを選択様式95+97(+98)
病院入院BUを選択様式95+97(+98)
訪問看護ST(Ⅰ)/(Ⅰ)+(Ⅱ)別紙様式11
歯科診療所(技工所支援料)—様式101(毎年8月に実績報告書 様式102)
保険薬局—様式103(8月に104=中間報告)

「継続賃上げ実績」とは R6.3月時点と比較して、令和8年度の対象職員(医師・歯科医師を除く)の基本給等を合計し、5.5%(看護補助者・事務職員は8%)以上のベア等を行っている保険医療機関(中医協配布資料 p.13 逐語)。様式98を併用することで注5の高い点数を選択できます。

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GWを挟む実働18営業日の逆算スケジュール

受付開始の 5/7(木)から6/1(月)必着までの実働は18営業日(土日と祝日 5/3憲法記念日/5/4みどりの日/5/5こどもの日 + 5/6振替休日 を除く)。近畿厚生局推奨の 5/18までに出すなら実働8営業日 しかありません。GW(4/29 昭和の日含めて約5営業日が消える)を挟むため、4月末〜5月頭の実働3〜4日でいかに段取りを進めるかが勝負どころです。

期間主なタスク
4/28(火)〜5/1(金)算定区分判定/必要様式特定/対象職員精査(GW前の実働3営業日)
5/3(日)〜5/6(水)GW(5/3〜5/5 祝日 + 5/6 振替休日)
5/7(木)〜5/15(金)Excel様式記入/賃上げ原資試算/院内決裁
5/18(月/一部厚生局の推奨期限)管轄地方厚生局へメール提出
5/19(火)〜5/29(金)補正対応/Web掲示の同期更新準備
6/1(月/必着)再提出最終期限
8月賃金改善中間報告書/R7年度実績報告書

ボトルネックは賃金原資の試算と対象職員の精査。派遣職員の取扱い(疑義解釈4 問2)と開設者・管理者除外(同 問1)は経理・人事との調整が必要です。

賃金改善計画書は「届出時提出が不要」になっただけ

ここは誤解されがちな論点なので強調します。

2026年度改定で届出手続きが簡素化され、当該年度分の賃金改善計画書を届出時に提出する運用は廃止されました。代わりに次の体系に移行しています。

タイミング提出書類
5月(届出時)様式95等のみ(計画書本体は不要)
8月賃金改善中間報告書
翌年8月賃金改善実績報告書

「計画書がなくなった」のではなく、計画自体は院内で立てる必要があり、説明責任は中間報告書・実績報告書で果たす建付けに変わっただけです。

なお、すでにR6〜R7で算定していた医療機関は、2026年8月までにR7年度の実績報告書も提出する義務が残ります。5月届出と並行して取りまとめてください。

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届出と同時にやる Web 掲示の同期更新

ベースアップ評価料そのものに新しい掲示義務は加わっていません。ただし、施設基準届出が変わることで「届出している施設基準の一覧」を院内掲示・Web掲示で更新する実務は必須です。2024年6月から始まった Web 掲示義務とは 別制度 ですが、施設基準届出が変わるタイミングで院内・Web 両方の掲示を 同期更新 する必要があります。

旧点数のまま掲示が残っていると、適時調査・個別指導での指摘リスクになります。届出と同じタイミングで以下を更新してください。

  • 院内掲示(紙)の施設基準一覧
  • 自院ウェブサイトの掲示ページ(届出加算・施設基準の表記)
  • iframeで外部掲示サービスを使っている場合は同期確認

掲示ナビをご利用の施設では、ベースアップ評価料の届出区分を切り替えるとWeb掲示ページが自動同期されます。届出書類の準備と並行して管理画面から区分を切り替えておくと、6/1付の点数切替に合わせて公開ページが自動で整います。

よくある届出漏れ・差し戻し事例

  • 対象職員に開設者・管理者・役員を含めてしまう(疑義解釈4 問1で除外)
  • 派遣職員の消費税分を区分計算の月額賃金総額に含めてしまう(同 問2で除外)
  • 入院BUと外来・在宅BU(Ⅱ)の様式取り違え(有床診療所で発生しやすい)
  • 継続賃上げ実績ありなのに様式98を併用していない(注5の高い点数を取り損ねる)
  • R7年度実績報告書(8月提出)を失念(5月届出と並行作業が必要)
  • メール提出のファイル名に7桁の医療機関コード(訪看はステーションコード)を記載していない

チェックリスト — 6/1までと、その後8月までにやるべきタスク

  1. 早見表で自院の算定区分・必要様式を特定
  2. 対象職員の精査(開設者・管理者・役員を除外)
  3. 賃上げ原資の試算(注5の継続賃上げ実績要件=R6〜R8で5.5%/事務職員8%)
  4. Excel様式の記入と院内決裁
  5. 5/18までに管轄地方厚生局へメール提出
  6. Web掲示・院内掲示の同期更新(点数切替日6/1に合わせる)
  7. 8月の中間報告書・R7実績報告書の準備着手

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料に係る施設基準の届出について(周知)(PDF) — 厚生労働省保険局医療課(2026年4月24日事務連絡/別添「届出様式 早見表<令和8年度版>」)
  • 疑義解釈資料の送付について(その4)(PDF) — 厚生労働省保険局医療課(2026年4月21日事務連絡/別添2 ベースアップ評価料関係)
  • 令和8年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応(PDF) — 厚生労働省(中医協配布資料/点数テーブル根拠)
  • 令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について — 厚生労働省(特設ページ)
  • ベースアップ評価料等の届出について — 近畿厚生局
  • 疑義解釈資料の送付について(その3)(PDF) — 厚生労働省保険局医療課(2026年4月20日事務連絡)
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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 14/21疑義解釈4と4/24事務連絡を分けて押さえる
  2. 26/1までの再届出が必要なのは誰か
  3. 3段階引上げ後の点数構造と届出様式
  4. 4GWを挟む実働18営業日の逆算スケジュール
  5. 5賃金改善計画書は「届出時提出が不要」になっただけ
  6. 6届出と同時にやる Web 掲示の同期更新
  7. 7よくある届出漏れ・差し戻し事例
  8. 8チェックリスト — 6/1までと、その後8月までにやるべきタスク

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