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2026年4月10日 · MASA

入院ベースアップ評価料の施設基準と届出方法を解説

入院ベースアップ評価料の施設基準と届出方法を解説
# ベースアップ評価料# 入院# 施設基準# 賃上げ# 届出

入院医療を提供する病院には、職員の賃金改善を目的とした入院ベースアップ評価料があります。外来・在宅ベースアップ評価料と同じ「ベースアップ評価料」の枠組みですが、入院患者1日あたりで算定する点が異なります。

この記事では、入院ベースアップ評価料の点数・施設基準・届出方法について解説します。

目次

  1. 入院ベースアップ評価料とは
  2. 外来・在宅ベースアップ評価料との違い
  3. 点数と区分
  4. 施設基準の要件
  5. 掲示義務について
  6. 届出方法と報告義務
  7. まとめ

入院ベースアップ評価料とは

入院ベースアップ評価料は、入院基本料や特定入院料を算定する病院が、職員の賃金改善(ベースアップ)を実現するために算定できる加算です。入院患者1日につき算定します。

外来・在宅ベースアップ評価料の施設基準と届出方法を解説

外来・在宅ベースアップ評価料の施設基準と届出方法を解説

外来・在宅ベースアップ評価料の点数(初診17点・再診4点)、評価料(Ⅰ)(Ⅱ)の違い、施設基準、届出方法を解説。掲示義務は不要ですが、職員への周知義務があります。R8改定での大幅増点についてもまとめました。

が初診・再診・訪問診療ごとに算定するのに対し、入院ベースアップ評価料は入院中の患者に対して毎日算定する仕組みです。

外来・在宅ベースアップ評価料との違い

項目外来・在宅ベースアップ評価料入院ベースアップ評価料
算定単位初診/再診/訪問診療ごと1日につき
評価料(Ⅰ)初診17点・再診4点・訪問79点/19点—
区分(Ⅱ)は1〜241〜500
対象外来・在宅の患者入院患者
R9年6月〜(Ⅱ)区分13〜24追加区分251〜500追加
届出様式様式95様式97

入院ベースアップ評価料は外来・在宅(Ⅰ)と異なり、医療機関ごとに算出した区分(1〜500)に応じた点数を算定します。

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点数と区分

区分の決定方法

入院ベースアップ評価料の区分は、別表5の【C】の値に基づいて決定されます。

【C】の値区分点数
0を超え1.5未満入院ベースアップ評価料11点
1.5以上2.5未満入院ベースアップ評価料22点
………
49.5以上50.5未満入院ベースアップ評価料5050点
………
99.5以上100.5未満入院ベースアップ評価料100100点
………
249.5以上250.5未満入院ベースアップ評価料250250点
250.5以上区分251〜500251〜500点

区分251〜500は令和9年6月以降に算定可能です。

【C】の算出方法

【C】は以下の計算式で算出されます。

【C】=(賃金改善算定基礎額 − 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)等の点数見込み × 10円)÷(延べ入院患者数 × 10円)

つまり、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)で賄えない賃金改善に必要な額を、延べ入院患者数で割って1日あたりの点数を算出する仕組みです。

施設基準の要件

入院ベースアップ評価料の施設基準は以下のとおりです(通知 第107)。

  1. 入院基本料又は特定入院料を算定する入院患者がいる保険医療機関であること
  2. 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)又は歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出を行っており、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の届出を行っていない保険医療機関であること
  3. 賃金改善算定基礎額が所定の基準を満たすこと
  4. 当該評価料による収入は、対象職員の基本給等の引き上げ(ベア等)に充当すること
  5. 評価料の趣旨を踏まえ、労働基準法等を遵守すること
  6. 対象職員に対して、賃金改善の実施方法等を周知すること
  7. 常勤換算2名以上の対象職員が勤務していること(へき地等は除く)
  8. 社会保険診療等に係る収入金額の合計額が、総収入の80%超であること
  9. 過年度に算定している場合、賃金改善実績報告書を適切に提出していること

重要な前提条件

入院ベースアップ評価料を算定するには、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出が前提です。(Ⅱ)を届け出ている場合は入院ベースアップ評価料を算定できません。

つまり、外来・在宅(Ⅰ)だけでは賃金改善に不足する場合に、入院ベースアップ評価料で上乗せするという位置づけです。

掲示義務について

入院ベースアップ評価料には、外来・在宅ベースアップ評価料と同様に、加算特有の掲示義務はありません。

ただし、届出を行う施設基準であるため、一般的な掲示義務として「届け出た施設基準の一覧」に入院ベースアップ評価料を含めて院内掲示+ウェブサイト掲載する必要があります。

また、対象職員に対して賃金改善の実施方法等を周知する義務があります(患者向けの掲示ではなく、職員向けの周知)。

届出方法と報告義務

届出

  • 入院ベースアップ評価料の施設基準に係る届出は、別添2の様式97を用いること
  • 新規届出時及び毎年6月1日時点において区分を見直す必要がある

報告義務

  • 毎年8月に「賃金改善実績報告書」を様式100の別添1により作成し、地方厚生局長に報告
  • 毎年8月に「賃金改善中間報告書」を様式100の別添1により作成し、地方厚生局長に報告
  • 算定に係る書類は、年度終了後3年間保管すること

賃金を引き下げる場合

対象職員の賃金水準を引き下げた上で賃金改善を行う場合には、「特別事情届出書」(様式94)を作成し、届け出る必要があります。

厚生労働省がベースアップ評価料の専用ページを公開しており、届出様式のダウンロードや計算ツールが利用できます。

まとめ

入院ベースアップ評価料は、入院患者に対する1日あたりの賃金改善加算です。

  • 入院患者1日につき算定(外来・在宅は初診/再診/訪問ごと)
  • 区分1〜500(【C】の値で決定、251〜500はR9年6月〜)
  • 前提条件:外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出が必要((Ⅱ)は不可)
  • 加算特有の掲示義務はなし(届出施設基準一覧への記載+職員への周知義務はあり)
  • 届出:様式97、毎年6月に区分見直し、毎年8月に報告書提出

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)と組み合わせて、入院部門の職員の賃金改善に活用しましょう。

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について — 厚生労働省
  • 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて — 厚生労働省保険局医療課
  • 医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号) — 厚生労働省
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1入院ベースアップ評価料とは
  2. 2外来・在宅ベースアップ評価料との違い
  3. 3点数と区分
  4. 4施設基準の要件
  5. 5掲示義務について
  6. 6届出方法と報告義務
  7. 7まとめ

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