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2026年4月4日 · MASA

電子カルテ情報共有サービスとは?仕組み・参加方法・掲示要件を解説

電子カルテ情報共有サービスとは?仕組み・参加方法・掲示要件を解説
# 電子カルテ情報共有サービス# 医療DX# 施設基準# 掲示義務# 電子的診療情報連携体制整備加算

目次

  1. 電子カルテ情報共有サービスとは
  2. 共有される「6情報」の内容
  3. 医療機関にとってのメリット
  4. 参加するための手順と条件
  5. 診療報酬との関係 — 電子的診療情報連携体制整備加算
  6. 掲示義務・ウェブサイト掲載との関連
  7. 2030年に向けたロードマップ
  8. まとめ

電子カルテ情報共有サービスとは

電子カルテ情報共有サービスは、全国の医療機関や薬局で患者の診療情報を電子的に共有するための仕組みです。厚生労働省が推進する「全国医療情報プラットフォーム」の中核サービスとして位置づけられており、2025年2月からモデル事業が開始され、2026年度冬頃(2027年1〜2月頃)の本格運用を目指して展開が進められています。

これまで、患者が別の医療機関を受診する際には、紙の紹介状や口頭での情報伝達に頼ることがほとんどでした。電子カルテ情報共有サービスにより、患者の同意のもと、傷病名やアレルギー情報などを全国の医療機関間でリアルタイムに共有できるようになります。

全国医療情報プラットフォームの一部

電子カルテ情報共有サービスは、単独のサービスではなく、国が進める医療DXの全体構想の中に位置づけられています。

  • オンライン資格確認 — マイナ保険証による資格確認(すでに運用中)
  • 電子処方箋 — 処方情報の電子的な共有(すでに運用中)
  • 電子カルテ情報共有サービス — 診療情報そのものの共有(本格稼働に向けて展開中)

この3つが揃うことで、患者の医療情報が切れ目なくつながる仕組みが完成します。

3つのサービスで構成

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電子カルテ情報共有サービスは、以下の3つのサービスから構成されています。

サービス名概要
紹介状送付サービス診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーを電子的に送受信する
6情報閲覧サービス患者の基本的な診療情報(6情報)を、全国の医療機関や本人が閲覧できる
健診文書閲覧サービス各種健診結果を医療保険者・医療機関・本人が閲覧できる

共有される「6情報」の内容

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電子カルテ情報共有サービスで共有される「6情報」とは、以下の6種類の診療情報です。

No.情報の種類内容
1傷病名現在治療中の病名、過去の既往歴
2アレルギー情報薬剤アレルギー、食物アレルギー等
3感染症情報B型肝炎、C型肝炎、HIV等の感染症に関する情報
4薬剤禁忌情報使用してはいけない薬剤に関する情報
5検査情報血液検査、画像検査等の結果
6処方情報現在処方されている薬剤の情報(※処方情報の集積・共有は電子処方箋管理サービスで行う運用に変更)

これらの情報が共有されることで、初診の医療機関でも患者の基本的な医療情報を把握した上で診療を開始できます。救急搬送時や災害時にも有効です。

医療機関にとってのメリット

診療の質の向上

他院で行われた検査結果や処方内容を確認できるため、重複検査や重複投薬の防止につながります。また、アレルギーや薬剤禁忌の情報を事前に把握できるため、医療安全の面でも大きなメリットがあります。

紹介状の電子化・効率化

紹介状送付サービスにより、従来は紙で作成・郵送していた診療情報提供書を電子的に送受信できます。作成の手間や郵送コストが削減されるだけでなく、情報の到達が即時になるため、患者の待ち時間も短縮されます。

患者自身が情報を確認できる

マイナポータルを通じて、患者自身が自分の6情報や健診結果を確認できるようになります。患者が自分の健康状態を理解し、医師との対話がより具体的になることが期待されます。

参加するための手順と条件

必要な環境

電子カルテ情報共有サービスに参加するには、以下の環境が必要です。

  • オンライン資格確認の導入済みであること
  • 電子カルテシステムを導入していること(HL7 FHIR規格に対応したシステム)
  • 電子カルテベンダーが電子カルテ情報共有サービスに対応していること

現在、紙カルテで運用している医療機関は、まず電子カルテの導入が前提となります。

申請手順

参加の申請は、社会保険診療報酬支払基金の「医療機関等向け総合ポータルサイト」から行います。

  1. ポータルサイトで利用申請を行う
  2. 電子カルテベンダーと連携し、システムの接続設定を行う
  3. 運用開始日を入力する
  4. 接続テストを経て、本番運用を開始する

申請手順の詳細やマニュアルは、医療機関等向け総合ポータルサイトで確認できます。

補助金の活用

電子カルテ情報共有サービスの導入に際して、以下のような補助金制度が利用できます。

  • 医療提供体制設備整備交付金(医療情報化支援基金) — 電子カルテ情報共有サービスの導入に係る費用を補助。病床規模に応じた補助上限額が設定されている
  • デジタル化・AI導入補助金(2026年度) — 電子カルテの導入やクラウド移行を支援

補助金の対象や上限額は年度ごとに変わるため、最新情報は厚生労働省や支払基金のサイトで確認してください。

診療報酬との関係 — 電子的診療情報連携体制整備加算

加算1(15点)の要件に

2026年6月の令和8年度診療報酬改定で新設される「電子的診療情報連携体制整備加算」において、電子カルテ情報共有サービスの活用実績は最上位区分である加算1(初診時15点)の要件になっています。

区分初診時点数電子カルテ情報共有サービス
加算115点活用実績が必要
加算29点不要
加算34点不要

加算1と加算2の差は初診時6点です。電子カルテ情報共有サービスに参加しているかどうかで、算定できる点数に差がつきます。

電子的診療情報連携体制整備加算の詳細は、

医療DX推進体制整備加算は2026年6月に廃止へ|新加算の掲示要件を解説

医療DX推進体制整備加算は2026年6月に廃止へ|新加算の掲示要件を解説

医療DX推進体制整備加算は2026年6月に廃止され、電子的診療情報連携体制整備加算に移行します。新加算の点数・施設基準・掲示要件の変更点をわかりやすく解説します。

で解説しています。

経過措置は2027年5月31日まで

電子カルテ情報共有サービスの活用に関する要件には、2027年(令和9年)5月31日までの経過措置が設けられています。

経過措置期間中は、電子カルテ情報共有サービスの体制がなくても加算1相当の届出が可能とされていますが、2027年6月以降は体制の整備が必須になります。早めに導入計画を立てておくことが重要です。

掲示義務・ウェブサイト掲載との関連

加算1を算定する場合の追加掲示

電子的診療情報連携体制整備加算の加算1を算定する医療機関は、通常の掲示事項に加えて以下の内容を院内に掲示し、ウェブサイトにも掲載する必要があります。

  • 電子カルテ情報共有サービスに参加していること
  • 実際に患者情報を共有している連携先医療機関の名称

連携先医療機関名の掲示

「連携先医療機関の名称」の掲示は、電子カルテ情報共有サービスならではの要件です。紹介状送付サービスで実際に診療情報を共有した医療機関の名称を具体的に掲示する必要があります。

この要件により、患者は自分の診療情報がどの医療機関と共有されているかを確認できるようになります。

掲示内容のまとめ

掲示項目全区分共通加算1のみ
オンライン資格確認で取得した情報の活用必須必須
医療DXの取り組み必須必須
明細書の無料交付必須必須
電子カルテ情報共有サービスへの参加—必須
連携先医療機関の名称—必須

2030年に向けたロードマップ

厚生労働省は「医療DX令和ビジョン2030」を掲げ、2030年までにおおむね全ての医療機関で電子カルテ情報の共有を実現することを目標にしています。

時期主な動き
2025年2月〜モデル事業開始(全国10地域)
2026年度冬頃本格運用の開始を目指す(2027年1〜2月頃)
2026年6月電子的診療情報連携体制整備加算の新設(診療報酬での評価)
2027年5月31日経過措置の終了
2030年全医療機関の9割以上で電子カルテ導入・情報共有の実現を目指す

現時点では電子カルテの導入は法的に義務化されていませんが、診療報酬上の評価が手厚くなっていることから、実質的に導入が求められる流れになっています。

まとめ

電子カルテ情報共有サービスは、全国の医療機関で患者の診療情報を共有するための国の基盤サービスです。主なポイントをまとめます。

  • 3つのサービス(紹介状送付・6情報閲覧・健診文書閲覧)で構成
  • 共有される6情報は傷病名・アレルギー・感染症・薬剤禁忌・検査・処方
  • 2026年6月の電子的診療情報連携体制整備加算では、加算1(15点)の要件に
  • 経過措置は2027年5月31日まで — それ以降は体制整備が必須
  • 加算1を算定する場合は、電子カルテ情報共有サービスへの参加と連携先医療機関名の掲示が必要
  • 2030年の全医療機関への普及を国が目標に掲げている

導入には電子カルテシステムの対応が必要ですが、補助金制度も用意されています。経過措置の期限を見据えて、早めに準備を進めておきましょう。

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 電子カルテ情報共有サービス — 厚生労働省
  • 電子カルテ情報共有サービスについて(PDF) — 厚生労働省医政局(令和6年9月30日)
  • 電子カルテ情報共有サービスにおける運用について(PDF) — 厚生労働省医政局(第20回医療等情報利活用ワーキング資料)
  • 電子処方箋・電子カルテの目標設定等について(PDF) — 厚生労働省(令和7年7月1日)
  • 医療機関等向け総合ポータルサイト — 電子カルテ情報共有サービス — 社会保険診療報酬支払基金
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1電子カルテ情報共有サービスとは
  2. 2共有される「6情報」の内容
  3. 3医療機関にとってのメリット
  4. 4参加するための手順と条件
  5. 5診療報酬との関係 — 電子的診療情報連携体制整備加算
  6. 6掲示義務・ウェブサイト掲載との関連
  7. 72030年に向けたロードマップ
  8. 8まとめ

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