医療DX加算 経過措置5/31まで|電子カルテ共有サービス参加 最終チェック|掲示ナビ ブログ | 掲示ナビ2層構造
電子的診療情報連携体制整備加算
改めて届出が必要
本記事では、この2層構造を一次資料ベースで切り分け、GWを挟む実働20営業日で何を・誰が・いつまでに提出するかを整理します。
経過措置の対象は「電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制」要件
経過措置期限は当初9/30 → 5/31に延長された
医療DX推進体制整備加算の施設基準のうち、経過措置の対象になっているのは 「(5) 電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を有していること」 です。当初の経過措置期限は令和7年9月30日でしたが、中央社会保険医療協議会 総会(令和7年7月23日 総-2-1)で 令和8年5月31日まで延長 が承認されました。
電子カルテ情報共有サービスについては、先の通常国会に提出された『医療法等の一部を改正する法律案』の成立・施行により本格稼働となるところ、現在、当該法律案が未成立であることや電子カルテ情報共有サービスに関する対応等を踏まえ、経過措置を令和8年5月31日まで延長する。
— 医療DX推進体制整備加算等の要件の見直しについて(PDF)P.25(中医協 総会資料)
延長の理由は「医療法改正案の未成立」と「電子カルテ情報共有サービスの本格稼働の遅れ」。サービス側の本格稼働予定は 令和8年度の冬頃をメド(第26回 医療等情報利活用WG 資料1(PDF)P.4)であり、加算要件側の期限がサービス側の準備よりも先に来る構図になっています。
「活用できる体制」とは何を指すのか
通知本文の文言は「(5) 電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を有していること」(医科・歯科・調剤すべての施設基準で同一)と抽象的で、接続テストの完了等は明記されていません。少なくとも 電子カルテ情報共有サービスへの利用申請完了+運用開始日入力 までは進めておくのが安全な解釈です(後述の支払基金ポータル運用と整合)。
届出している施設は全国の半分以上が当事者
中医協資料によると、令和7年5月時点でオンライン資格確認対応施設に対する医療DX推進体制整備加算の届出割合は 医科54.4% / 歯科34.8% / 調剤79.0% です(同PDF P.27)。医科は半数超、調剤は8割が届出済みであり、「ほとんどの保険医療機関に5月31日問題は他人事ではない」という規模感です。
5月31日に何が起きるのか — 旧加算廃止と新加算スタート
旧加算は5/31で廃止、6/1から「電子的診療情報連携体制整備加算」へ
| 区分 | 旧加算(〜5/31) | 新加算(6/1〜) |
|---|
| 名称 | 医療DX推進体制整備加算 | 電子的診療情報連携体制整備加算 |
| 初診加算1 | 12点 | 15点 |
| 初診加算2 | 11点 | 9点 |
| 初診加算3 | 10点 | 4点 |
| 再診加算 | (なし) | 2点 |
| 算定頻度 | 月1回(初診時) | 月1回(初診・再診とも) |
新加算1の初診15点は旧加算1の12点より高く、再診2点も新設されました。点数面でのインセンティブは強まっています。
マイナ保険証利用率のハードルは70%→30%に緩和
旧加算で重い壁だったマイナ保険証利用率は、新加算では 加算1〜3すべて一律30%以上 に緩和されます(算定月の3月前のレセプト件数ベース)。
| 加算区分 | 旧加算 R8.3〜5.31 | 新加算 6/1〜 |
|---|
| 加算1・4 | 70% | — |
| 加算2・5 | 50% | — |
| 加算3・6 | 30%(小児科特例 27%) | — |
| 加算1〜3共通 | — | 30% |
旧加算1(70%基準)に届かず加算3で踏ん張ってきた施設にとっては、新加算1(30%基準で15点)が現実的な目標になります。マイナ保険証利用率の運用については
5月31日時点で旧加算を届出済みでも「改めて届出が必要」
つまり、5月31日までに旧加算の経過措置をクリアするだけでは6月1日以降の算定は継続できません。「経過措置クリア(旧加算側)」と「新加算届出書類の提出(新加算側)」の二重対応 が必要です。歯科加算(電子的歯科診療情報連携体制整備加算)も同様(同事務連絡 歯-1 問2)。
新加算の届出様式は「様式1の6」
新加算の届出書類は「電子的診療情報連携体制整備加算及び電子的歯科診療情報連携体制整備加算(初・再診料)の施設基準に係る届出書添付書類」=様式1の6 です(東海北陸厚生局 様式1の6(PDF))。届出区分(加算1〜3)、診療体制要件、電子処方箋要件、電子カルテ要件、電子カルテ情報共有サービス等要件をチェック形式で記載します。
新加算1のコア要件 — 電子カルテ情報共有サービス活用体制は依然として加算1の鍵
新加算1の主要施設基準は (1)〜(11) の全要件を満たすこと。
| 要件 | 内容 |
|---|
| (1) | オンライン請求 |
| (2) | 明細書無償交付 |
| (3) | オンライン資格確認 |
| (4) | マイナ保険証利用率 30%以上(算定月の3月前ベース) |
| (6) | マイナポータルに基づく健康相談体制 |
| (7) | 院内掲示 |
| (8) | ウェブサイト掲載 |
| (9) | 電子処方箋発行体制 |
| (10) | 電子カルテ要件(電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスとの接続I/F等) |
| (11) | 電子カルテ情報共有サービス活用体制 or 地域ネットワーク参加 or 検査画像情報提供加算届出 |
加算2は (1)〜(8) を全部 + (9)〜(11) のいずれか。加算3は (1)〜(8) のみ。マイナ保険証利用率 30% は加算1〜3すべて共通の壁 です。
注:項番の括り方は解説サイトにより (1)〜(10) と (1)〜(11) の両表記が見られます(要件の中身は同等)。正確な項番建ては保医発0305第7号 別添2 第1の8 の通知原文をご確認ください。
ただし「接続インターフェース」要件は当面みなし
新加算1の (10)ウ(電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースを有していること)については、当面の間みなしとして扱われます。
ここでの「当面の間」には具体期日は明記されていません。民間ベンダーの解説で「令和9年5月31日まで」とする記述も見られますが、通知本文の表現は「当面の間」「全国運用開始時に速やかに導入」のみであり、期日を断定する記述は通知になく、推測の域を出ません。最新の中医協・告示で要再確認です。
なお、旧加算の (5) 電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制 と新加算1の (10)ウ 接続インターフェース は文言が似ていますが概念上は別の要件です。混同しないよう注意してください(電子カルテ情報共有サービスの仕組みについては
GWを挟む実働20営業日の逆算スケジュール
ここからは実務に落とし込みます。本日2026年4月28日からGW(4/29〜5/6)を除いた実働は5月7日〜5月29日のおよそ 20営業日。新加算(電子的診療情報連携体制整備加算)の届出期間は 「2026年5月7日〜6月1日(5/18 までの提出を推奨)」 が広く案内されています。5月下旬は地方厚生(支)局の窓口が混雑するため、可能な限り 5月18日(月)まで を目標に、遅くとも 5/29(金)必着での提出を心がけてください。
逆算カレンダー
| 期間 | 営業日数 | 主タスク |
|---|
| 4/30(木) | 1日 | 院内体制決定・電子カルテベンダーへの参加状況確認メール送信 |
| 5/1〜5/6 | 0日(GW) | 受信待ち・院内資料作成のみ |
| 5/7〜5/13 | 5日 | 電子カルテ情報共有サービス利用申請書を支払基金へメール送付(登録に概ね1週間程度) |
| 5/14〜5/15 | 2日 | ポータルで運用開始日入力・接続確認・職員研修 |
| 5/18(月)目安 | 1日 | 様式1の6(新加算届出書類)を地方厚生局へ提出(推奨マイルストーン) |
| 5/19〜5/29 | 9日 | 提出予備期間・院内掲示物の差し替え・チェックリスト最終確認(5/29金曜が事実上の最終必着日) |
電子カルテ情報共有サービスの利用申請は支払基金「医療機関等向け総合ポータルサイト」経由で、申請書のメール送付後、登録までに 概ね1週間程度 を要するとされています(電子カルテ情報共有サービス(厚生労働省) / 支払基金ポータルの運用案内)。GW明けにすぐ着手しないと連休後ろ倒しになるため、GW前の今のうちに 電子カルテベンダーへの参加状況確認メール だけでも出しておくと余裕が生まれます。
last-callチェックリスト3区分
① 旧加算側(経過措置クリア)
② 新加算側(様式1の6 提出)
③ 院内体制・職員研修
よくある質問・間違いやすいポイント
Q1. 経過措置の5/31期限と、マイナ保険証70%基準は同じ話ですか?
別軸です。 旧加算のマイナ保険証70%基準(加算1・4、R8.3〜5.31適用)と、電子カルテ情報共有サービスの経過措置(同じくR8.5.31終了)は期限の月が揃っていますが、別の要件です。両方クリアして初めて旧加算は5/31まで算定継続できます。新加算(6/1〜)はマイナ保険証30%・電子カルテ情報共有サービス活用体制を含む(1)〜(11)です。
Q2. 5/31までに経過措置を満たせなかったらどうなりますか?
旧加算は5/31までで廃止のため、6/1以降は自動的に新加算へ切り替わります。経過措置を満たせなかった場合は、過去の改定例(令和7年4月時点の九州厚生局運用)に倣えば届出取り下げ(辞退届)の提出が必要なケースがあります(医療DX推進体制整備加算等に係る届出について(九州厚生局))。5/31をまたぐ運用については管轄の地方厚生局へ事前確認が安全です。算定可否や届出可否は個別事案で異なるため、詳しくは厚生局にお問い合わせください。
Q3. 新加算の「接続インターフェース要件」も5/31までに整えなければいけませんか?
不要です。新加算1の (10)ウ(接続インターフェース)は 当面の間みなし とされており、全国運用開始時に速やかに導入する努力義務のみです。ただし旧加算の (5)(活用できる体制)は5/31までにクリアが必要です。両者は文言が似ていても別要件である点を院内で混同しないよう、表記を分けて管理してください。
Q4. 5/31時点で旧加算を届出済みなら、6/1からは自動で新加算になりますか?
なりません。 疑義解釈その1 問3で「改めて届出が必要」と確定しています。様式1の6を地方厚生局へ別途提出してください。届出期間は 2026年5月7日〜6月1日、窓口混雑のため 5月18日(月)まで を目安に提出するのが推奨運用です。
Q5. 電子カルテ情報共有サービスはまだモデル事業段階と聞きますが、それでも参加申請するのですか?
参加申請は必要です。サービスの全国本格稼働は令和8年度の冬頃をメドが目標で、現時点(2026年4月)では10地域でモデル事業が進行中(うち9地域22医療機関で運用開始済)ですが、加算要件側の経過措置期限はサービスの全国稼働を待たずに5/31に到来します。「サービスはモデル段階だが、加算要件側の期限は来る」 という構図のため、加算継続を前提とするなら参加申請を進める必要があります。
まとめ — 二重対応を5月18日目安で
5/31期限のポイントを最後にもう一度整理します。
- 旧加算(医療DX推進体制整備加算)は5/31で廃止、6/1から新加算(電子的診療情報連携体制整備加算)へ
- 経過措置の対象は旧加算の (5) 電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制
- 5/31時点で旧加算を届出済みでも、6/1以降の算定は 改めて新加算の届出が必要(疑義解釈その1 問3)
- GWを除く実働は約20営業日。電子カルテベンダーへの確認はGW前の今が締切
- 様式1の6は 2026年5月7日〜6月1日(5月18日までの提出推奨、遅くとも 5/29(金)必着)で地方厚生局へ
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参考資料