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医療DX施設基準掲示義務
2026年4月28日 · HIRO

医療DX推進体制整備加算 70%基準と掲示更新【2026年改定】

医療DX推進体制整備加算 70%基準と掲示更新【2026年改定】
# 医療DX推進体制整備加算# マイナ保険証利用率# 院内掲示# Web掲示# 電子カルテ情報共有サービス

目次

  1. 「届出は終わっているのに、掲示の文言は2024年のまま」になっていませんか
  2. 結論:加算1・4は70%、加算2・5は50%、加算3・6は30%が新基準
  3. マイナ保険証利用率の段階引上げ早見表と確認方法
  4. 院内掲示 — 書き換えるべき定型文と差し替え例
  5. Web掲示 — 院内と同じ文言で良いのか問題
  6. 5/31までの経過措置と6月の新加算移行
  7. まとめ

「届出は終わっているのに、掲示の文言は2024年のまま」になっていませんか

2026年3月1日から、医療DX推進体制整備加算のマイナ保険証利用率の基準が再び引き上げられました。届出済みの医療機関では、加算の算定そのものは継続できていても、院内掲示やWebサイトの文言が届出時のままで現行の加算区分・点数とずれているケースが少なくありません。

適時調査でまず指摘されるのは、点数の誤りや届出漏れではなく「掲示物の記載と現行の施設基準が一致していない」という基本的な部分です。本記事は届出済みの医療機関を対象に、2025年10月〜2026年5月の経過版で何が変わり、院内掲示とWeb掲示をどう書き換えるべきかを実務目線で整理します。

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結論:加算1・4は70%、加算2・5は50%、加算3・6は30%が新基準

令和7年7月23日の中医協 総-2-2で示されたとおり、2026年3月1日から5月31日までの利用率実績要件は次のとおりです(中医協 総-2-2 PDF)。

加算区分新基準(R8.3.1〜5.31)直前期間(R7.10.1〜R8.2.28)
加算1(電子処方箋あり)70% 以上60% 以上
加算2(電子処方箋あり)50% 以上40% 以上
加算3(電子処方箋あり)30%(小児科 27%)25%(小児科 22%)
加算4(電子処方箋なし)70% 以上60% 以上
加算5(電子処方箋なし)50% 以上40% 以上
加算6(電子処方箋なし)30%(小児科 27%)25%(小児科 22%)

加算1〜3は電子処方箋発行体制ありの医療機関、加算4〜6は電子処方箋未対応の医療機関が算定します。電子処方箋発行体制の経過措置は2025年3月末で終了済みです(厚労省ポンチ絵 PDF)。利用率は支払基金から毎月通知されるため 届出のやり直しは不要 ですが、掲示物は施設側が能動的に書き換える必要があります。

マイナ保険証利用率の段階引上げ早見表と確認方法

利用率の閾値は2024年10月以降、半年ごとに段階的に引き上げられてきました(中医協 総-2-1 PDF P.25)。

適用時期加算1・4加算2・5加算3・6
R6.10.1〜12.3115%10%5%
R7.1.1〜3.3130%20%10%
R7.4.1〜9.3045%30%15%(小児科 12%)
R7.10.1〜R8.2.2860%40%25%(小児科 22%)
R8.3.1〜5.3170%50%30%(小児科 27%)

2026年6月1日以降は新加算「電子的診療情報連携体制整備加算」へ移行するため、この70%基準で運用するのは実質3か月間です。

算定式と確認場所

マイナ保険証利用率 = 同月のマイナ保険証利用者数 ÷ 同月のレセプト枚数(レセプト件数ベース利用率)

原則として 算定月の3か月前 の値を使い、前月・前々月で代用も可(中医協 総-2-2 PDF 加算1 (6)(8))。たとえば2026年3月の算定では2025年12月の利用率が使われます。やむを得ない理由で利用率が下がった月の救済として、その時点で算出済みの過去3か月分のうち最も高い率を選択して算定できる扱いも認められています(疑義解釈シリーズで複数回明示)。

2025年12月は紙の保険証の有効期限到来で全国平均63.24%まで急上昇しましたが、加算の判定に使われるのは 自院の値 であり、月次のメール通知で必ず確認してください。利用率は支払基金からの月次メール通知と、医療機関等向け総合ポータルサイトのログインで確認できます(厚労省ポンチ絵 P.7)。基準を割った月は当該加算が算定不可となるため、月次確認は実務として習慣化したい運用です。

院内掲示 — 書き換えるべき定型文と差し替え例

施設基準には院内掲示の義務が明記されています。

医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること

(中医協 総-2-2 PDF P.2 加算1 (9))

よくある「古いまま」のパターン

  • 「マイナ保険証利用率の基準を満たしています」とだけ書かれ、加算区分・点数が読み取れない
  • 「電子処方箋に対応」と書かれているが、実際は加算4〜6(電子処方箋未対応)を算定
  • 利用率閾値(45%、60%など)を文中に書き込み、引上げのたびに矛盾が発生

推奨される掲示文のひな型

医療DX推進体制整備加算(◯◯◯◯年◯月時点)

当院は、オンライン資格確認等システムを通じて取得した診療情報を活用し、質の高い医療を提供する体制を整備しています。電子処方箋(○対応 / ×未対応)、電子カルテ情報共有サービス(活用できる体制を整備)、マイナンバーカードの健康保険証利用の促進に取り組んでいます。

算定加算:医療DX推進体制整備加算◯(◯点)

ポイントは3つ。加算区分と点数を明示、電子処方箋の有無を施設基準どおりに記載、利用率の数値そのものは書かない。掲示物末尾に 更新日 を記載しておくと適時調査時の説明が容易になります。

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Web掲示 — 院内と同じ文言で良いのか問題

施設基準では、院内掲示事項を 原則としてウェブサイトにも掲載すること が定められています。

(9)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではないこと。

(中医協 総-2-2 PDF P.2 加算1 (10))

Web掲載の根拠は保医発0327第10号(令和6年3月27日)にも示されており、Web掲示の経過措置(一般原則のもの)は 2025年5月31日で終了済み で、現在は原則として 自院HPを持つすべての医療機関 が Web 掲載を求められます(保医発0327第10号 PDF)。実務的には、院内掲示と同じ文言をそのまま掲載するのが最もシンプル。適時調査で「同じ内容を提示している」と説明しやすく、改定時の二重作業も共通テンプレ化で軽減できます。

「自ら管理するホームページ等を有しない場合」は適用外ですが、適時調査で確認される項目なので、HPなし という事実を台帳に記録しておくと安心です。HPの更新権限が外部の制作会社にある、お知らせ記事として一度載せたきりで埋もれる、院内は更新したのにWebだけ古い、といった落とし穴も多いため、院内とWebの文言を一元管理する仕組みを持っておくと改定時の二重作業を防げます。

5/31までの経過措置と6月の新加算移行

施設基準(5)「電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制」の経過措置は、当初2025年9月30日までだったものが 2026年5月31日まで延長 されました(中医協 総-2-2 PDF P.4)。期間中は実接続がなくても「活用できる体制を有しているもの」とみなされます。Web掲示の経過措置(2025年5月31日)と期日が似ているので混同しないよう注意してください。

2026年6月1日からは令和8年度診療報酬改定が施行され、医療DX推進体制整備加算は廃止、新たに 電子的診療情報連携体制整備加算 へ移行します。

5月31日時点で医療DX推進体制整備加算の施設基準を届出済みであっても、6月1日以降に電子的診療情報連携体制整備加算を算定する場合は 改めて届出が必要

(疑義解釈その4 令和8年4月21日 PDF)

5月までにやっておきたいタスクとよくある質問

  • 4月・5月の利用率が新基準(加算4=70%など)を満たしているかの月次確認
  • 院内・Web掲示の文言を現行加算区分・点数に揃える
  • 6月1日施行の電子的診療情報連携体制整備加算の届出書類準備
  • 電子カルテ情報共有サービスの実接続スケジュールを電子カルテベンダーと確認

Q. 利用率が基準を割った月は加算ごと算定不可? → はい。基準を満たさない月は当該加算の算定はできません。届出のやり直しは不要です。

Q. 利用率は今月の数字が使われる? → 算定月の3か月前 の値が使われます。前月・前々月で代用も可、過去3か月分のうち最も高い率を選択する救済措置も認められています。

Q. HPがない医療機関はWeb掲示しなくてよい? → 「自ら管理するホームページ等を有しない場合」は適用外です。自院に管理権限のあるHPがある場合は、原則として院内掲示と同じ内容を掲載します。

まとめ

医療DX推進体制整備加算の70%基準は2026年3〜5月の3か月間の経過版ですが、適時調査での指摘リスクは 掲示文言の更新漏れ に集中します。届出済みの医療機関では、利用率の月次確認、院内掲示の文言を現行加算区分・点数に揃える、Webサイトを院内と同期、電子カルテ情報共有サービス経過措置の終了(5/31)と6月以降の届出直しに備える、の4点を整理しておきましょう。

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 医療DX推進体制整備加算等の要件の見直しについて(PDF) — 中医協 総-2-1(令和7年7月23日)厚生労働省保険局医療課
  • 医療DX推進体制整備加算等の要件の見直しについて 個別改定項目(PDF) — 中医協 総-2-2(令和7年7月23日)厚生労働省保険局医療課
  • 医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて(PDF) — 厚生労働省保険局医療課
  • 掲示事項等の留意事項について の一部改正(PDF) — 保医発0327第10号(令和6年3月27日)厚生労働省保険局医療課長
  • 疑義解釈資料の送付について(その4)(PDF) — 厚生労働省保険局医療課 事務連絡(令和8年4月21日)
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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1「届出は終わっているのに、掲示の文言は2024年のまま」になっていませんか
  2. 2結論:加算1・4は70%、加算2・5は50%、加算3・6は30%が新基準
  3. 3マイナ保険証利用率の段階引上げ早見表と確認方法
  4. 4院内掲示 — 書き換えるべき定型文と差し替え例
  5. 5Web掲示 — 院内と同じ文言で良いのか問題
  6. 65/31までの経過措置と6月の新加算移行
  7. 7まとめ

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