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2026年4月13日 · 掲示ナビ編集部

かかりつけ薬剤師の届出要件と掲示義務|令和8年度の制度変更を解説

かかりつけ薬剤師の届出要件と掲示義務|令和8年度の制度変更を解説
# かかりつけ薬剤師# 服薬管理指導料# 掲示義務# 届出要件# 令和8年度改定# 薬局

「かかりつけ薬剤師指導料」はもう存在しません。 令和8年度改定で廃止され、服薬管理指導料に統合されました。にもかかわらず、院内掲示やウェブサイトに旧名称が残ったままの薬局は少なくありません。

適時調査で「届出内容と掲示が一致していない」と指摘されれば、改善命令の対象になります。この記事を読めば、5分で掲示の過不足を確認できます。令和8年度改定後のかかりつけ薬剤師に関する届出要件・施設基準・掲示義務を整理し、見落としやすいポイントをチェックリスト形式でまとめました。


目次

  1. 令和8年度改定でかかりつけ薬剤師制度はどう変わった?
  2. 服薬管理指導料の点数体系
  3. かかりつけ薬剤師の施設基準
  4. 患者同意の取得方法(お薬手帳方式)
  5. 届出方法(様式90)
  6. 掲示義務の内容
  7. 見落とされやすい掲示のポイント
  8. よくある質問(FAQ){#faq}
  9. まとめ

令和8年度改定でかかりつけ薬剤師制度はどう変わった?

令和8年度改定の最大の変更点は、「かかりつけ薬剤師指導料」と「かかりつけ薬剤師包括管理料」の廃止です。

項目旧制度(令和6年度)新制度(令和8年度)
かかりつけ薬剤師指導料76点廃止
かかりつけ薬剤師包括管理料291点廃止
服薬管理指導料―イ(かかりつけ薬剤師)・ロ(それ以外)

かかりつけ薬剤師としての評価は、服薬管理指導料の「イ」区分として残りますが、点数はイ・ロとも同額です。つまり、届出しているだけでは点数の差がつかない時代になりました。

その代わり、実際に患者をフォローした実績に対する加算が新設されています。

新設加算点数算定頻度
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算50点3月に1回
かかりつけ薬剤師訪問加算230点6月に1回

これまでは「かかりつけ薬剤師である」こと自体が加点の理由でした。令和8年度からは、フォローアップや訪問を実際に行った薬局だけが加算を取れる仕組みです。届出を出しているのに加算を取りに行かなければ、制度上のメリットを取りこぼすことになります。

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服薬管理指導料の点数体系

服薬管理指導料は4区分に分かれており、それぞれに「イ(かかりつけ薬剤師)」と「ロ(それ以外)」があります。

区分条件イ(かかりつけ薬剤師)ロ(それ以外)
服薬管理指導料13月以内の再処方+手帳提示45点45点
服薬管理指導料2上記以外59点59点
服薬管理指導料3施設入所者への訪問45点―
服薬管理指導料4オンラインイ 45点ロ・ハ・ニ 59点

イとロで点数に差はありません。差がつくのは前述のフォローアップ加算(50点)と訪問加算(230点)です。

調剤基本料の届出区分によっても算定要件が変わります。自薬局の区分を確認しておきましょう。

詳しくは以下の記事で解説しています。

調剤基本料の区分と点数一覧|届出区分ごとの掲示要件を解説

調剤基本料の区分と点数一覧|届出区分ごとの掲示要件を解説

調剤基本料の7区分(基本料1〜3・特別調剤基本料A・B)の点数・該当要件・掲示義務を令和8年度改定に対応して解説。処方箋集中率の計算方法や妥結率の減算ルールもわかりやすくまとめています。


かかりつけ薬剤師の施設基準

かかりつけ薬剤師として届出するには、薬剤師個人の要件と薬局の要件の両方を満たす必要があります。

薬剤師個人の要件

以下の全てを満たす必要があります。

要件内容
保険薬局勤務経験3年以上(医療機関での勤務経験は1年を上限として算入可)
当該薬局での勤務時間週31時間以上(育児・介護短時間勤務の場合は週24時間以上かつ週4日以上。ただし週31時間以上勤務する他の届出薬剤師がいる場合に限る)
当該薬局での在籍期間継続して6か月以上(旧制度の1年から短縮)
研修認定薬剤師認定制度認証機構が認証する研修認定を取得していること
地域活動医療に係る地域活動に参画していること

在籍期間の要件が旧制度の1年から6か月に短縮されました。新規に届出を検討している薬局にとっては、届出のハードルが下がっています。

薬局の要件

要件内容
届出薬剤師の配置上記の個人要件を全て満たす薬剤師を配置
薬剤師の定着性以下のいずれかを満たすこと:常勤薬剤師の平均在籍期間が1年以上 or 管理薬剤師が3年以上在籍
プライバシー配慮パーテーション等で区切られた独立したカウンターを設置

経過措置

令和8年5月31日時点で旧制度の届出を行っていた薬局は、令和8年11月30日まで薬剤師の定着性要件(常勤薬剤師平均在籍1年以上 or 管理薬剤師3年以上在籍)を満たすものとみなされます。薬剤師個人の要件は経過措置の対象外のため、引き続き全項目を満たす必要があります。

経過措置の期限を過ぎると届出が無効になるため、早めに要件を確認してください。


患者同意の取得方法(お薬手帳方式)

令和8年度改定で、かかりつけ薬剤師の患者同意の取得方法も変わりました。

項目旧制度新制度
同意方法同意書への署名+写し交付お薬手帳に記載+記載ページの写しを薬局で保管

お薬手帳への必須記載事項

手帳には以下の情報を記載する必要があります。

  • 患者氏名・生年月日・連絡先
  • アレルギー歴・副作用歴
  • 主な既往歴
  • 利用する保険薬局名・保険薬局又は保険薬剤師の連絡先
  • 薬剤師氏名の近傍に「かかりつけ」の文字

同意書方式からお薬手帳方式に変わったことで、患者の心理的ハードルは下がりましたが、記載漏れが起きやすくなります。適時調査では手帳の写しの保管状況を確認されることがあるため、チェック体制を整えましょう。


届出方法(様式90)

かかりつけ薬剤師として服薬管理指導料の「イ」を算定するには、地方厚生局への届出が必要です。

項目内容
届出様式様式90
届出略称(服管か薬)
届出書の記載事項薬剤師名、薬剤師登録番号、勤務経験年数、在籍期間、研修認定の状況等
届出先管轄の地方厚生(支)局

届出書には薬剤師名と登録番号を記載します。この情報は後述の掲示義務にも関わるため、届出内容を正確に把握しておくことが重要です。


掲示義務の内容

かかりつけ薬剤師に関する掲示義務は、以下の2つの根拠から生じます。

1. 施設基準通知の一般規定による掲示

施設基準通知の一般規定では、届出を行った施設基準の内容について院内の見やすい場所に掲示することが求められています。かかりつけ薬剤師固有の掲示条文はありませんが、この一般規定により、届出内容の掲示が必要です。

届出書(様式90)に薬剤師名が含まれるため、実質的にかかりつけ薬剤師の氏名を掲示する必要があります。

掲示が不十分な場合、適時調査では「届出内容と院内掲示が整合していない」として改善指導の対象になります。最悪の場合、届出の取消しにつながる可能性もあるため、軽視できません。

2. ウェブサイトへの掲示義務

令和7年6月から、全ての医療機関・薬局はウェブサイトにも掲示事項を掲載する義務があります。院内掲示だけでなく、ウェブサイト上にもかかりつけ薬剤師に関する情報を掲示しなければなりません。

詳しくは以下の記事で解説しています。

ウェブサイト掲示義務の対応方法

掲示すべき内容

掲示項目内容
届出している旨服薬管理指導料(かかりつけ薬剤師)の届出を行っていること
かかりつけ薬剤師名届出書に記載した薬剤師の氏名
算定可能な加算かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・訪問加算の届出状況

見落とされやすい掲示のポイント

適時調査で指摘されやすいポイントを「掲示漏れ3点セット」として整理しました。以下のチェックリストで確認してください。

掲示漏れチェックリスト

  • 旧制度の名称が残っていないか? 「かかりつけ薬剤師指導料」は廃止されています。掲示物に旧名称が残っていると、適時調査で「届出内容と掲示が一致していない」と指摘されます
  • かかりつけ薬剤師の氏名を掲示しているか? 届出書に薬剤師名が含まれている以上、院内掲示にも氏名の記載が必要です。「かかりつけ薬剤師がいます」だけでは不十分です
  • ウェブサイトにも反映しているか? 令和7年6月からウェブサイトへの掲示も義務化されています。院内掲示を更新してもウェブサイトが旧制度のままというケースが多発しています

これらは単独では軽微に見えますが、適時調査では複数の不備が重なると指導の対象になります。改定のタイミングで一括して見直すことをお勧めします。

かかりつけ薬剤師の掲示と合わせて、地域支援体制加算や医薬品供給対応体制加算の掲示も確認しておきましょう。

詳しくは以下の記事で解説しています。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準と点数一覧|届出要件と掲示義務を解説

地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準と点数一覧|届出要件と掲示義務を解説

令和8年度改定で統合された地域支援・医薬品供給対応体制加算(旧・地域支援体制加算+後発医薬品調剤体制加算)の加算1〜5の点数・施設基準・届出要件・掲示義務を解説。

地域支援体制加算の施設基準と掲示


よくある質問(FAQ){#faq}

Q. かかりつけ薬剤師指導料は廃止されたのに届出は必要?

必要です。 名称は変わりましたが、服薬管理指導料の「イ(かかりつけ薬剤師)」として届出が必要です。届出略称は(服管か薬)、届出様式は様式90です。

Q. 在籍期間の要件が1年から6か月に短縮されたのは本当?

はい。 令和8年度改定で、当該薬局での在籍期間要件は継続して6か月以上に短縮されました。新たに届出を検討している薬局にとっては朗報です。

Q. 旧制度で届出済みの薬局は届出し直す必要がある?

経過措置により、令和8年5月31日時点で旧制度の届出を行っていた薬局は令和8年11月30日までは薬剤師の定着性要件をみなしで満たします。ただし、経過措置期間中に新制度の要件を満たしているか確認し、必要に応じて届出内容を更新してください。

Q. パートの薬剤師はかかりつけ薬剤師になれる?

原則として週31時間以上の勤務が必要です。ただし、育児・介護による短時間勤務の場合は、週24時間以上かつ週4日以上の勤務で認められます。この場合、同じ薬局に週31時間以上勤務する他の届出薬剤師がいることが条件です。

Q. 患者の同意は同意書でなくお薬手帳でよい?

はい。 令和8年度改定で同意方法がお薬手帳方式に変更されました。薬剤師氏名の近傍に「かかりつけ」と記載し、そのページの写しを薬局で保管します。旧制度の同意書方式は不要です。


まとめ

令和8年度改定でかかりつけ薬剤師制度は大きく変わりました。届出しているだけでは点数差がつかなくなり、フォローアップや訪問の実績で加算を取りに行く仕組みです。

そして制度名称の変更に伴い、院内掲示とウェブサイトの掲示内容も更新が必要です。

特に注意すべきポイントは以下の3つです。

  1. 旧名称の削除: 「かかりつけ薬剤師指導料」は廃止。掲示物から旧名称を削除する
  2. 薬剤師氏名の掲示: 届出内容にかかりつけ薬剤師名が含まれるため、氏名の掲示が必要
  3. ウェブサイトへの反映: 令和7年6月から義務化。院内掲示だけでは不十分

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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1令和8年度改定でかかりつけ薬剤師制度はどう変わった?
  2. 2服薬管理指導料の点数体系
  3. 3かかりつけ薬剤師の施設基準
  4. 4患者同意の取得方法(お薬手帳方式)
  5. 5届出方法(様式90)
  6. 6掲示義務の内容
  7. 7見落とされやすい掲示のポイント
  8. 8よくある質問(FAQ){#faq}
  9. 9まとめ

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