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2026年4月13日 · 掲示ナビ編集部

後発医薬品調剤体制加算の廃止とバイオ後続品調剤体制加算の新設|掲示義務を解説

後発医薬品調剤体制加算の廃止とバイオ後続品調剤体制加算の新設|掲示義務を解説
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「後発医薬品調剤体制加算」は令和8年度改定で全て廃止されました。 掲示物に旧名称が残ったまま算定を続けていると、適時調査で届出内容と掲示の不一致を指摘され、改善指導の対象になります。

さらに「バイオ後続品調剤体制加算(50点)」が新設され、届出薬局には新たな掲示義務が発生しています。経過措置の期限は令和9年5月31日。残り約1年です。

この記事では、後発医薬品関連の加算で「何が変わって、何が変わっていないのか」を整理し、掲示物として何をどこに貼ればよいか実務レベルで解説します。

目次

  1. 令和8年度改定で後発医薬品の加算はどう変わった?
  2. 地域支援・医薬品供給対応体制加算の後発医薬品要件
  3. バイオ後続品調剤体制加算とは(新設)
  4. 調剤基本料の後発医薬品減算(ペナルティ)
  5. 掲示義務の内容(後発医薬品+バイオ後続品)
  6. 掲示物の作成チェックリスト
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ

令和8年度改定で後発医薬品の加算はどう変わった?

令和8年度の調剤報酬改定で、後発医薬品(ジェネリック医薬品)に関連する加算体系は大きく再編されました。まず全体像を旧制度との対比で確認しましょう。

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旧制度と新制度の対比

旧制度(令和6年度まで)点数新制度(令和8年度〜)点数
後発医薬品調剤体制加算121点廃止—
後発医薬品調剤体制加算228点廃止—
後発医薬品調剤体制加算330点廃止—
——地域支援・医薬品供給対応体制加算1〜5加算ごとに異なる
——バイオ後続品調剤体制加算(新設)50点

ポイントは以下の3点です。

  • 後発医薬品調剤体制加算1〜3は全て廃止されました
  • 後発医薬品の調剤割合に関する要件は「地域支援・医薬品供給対応体制加算」に統合されました
  • バイオ後続品(バイオシミラー)については独立した新設加算が設けられました

経過措置

令和8年3月31日時点で旧「後発医薬品調剤体制加算」の届出をしていた薬局は、令和9年5月31日まで後発医薬品調剤割合85%の要件を満たしているものとみなされます。

ただし、掲示物は改定後の正しい名称に更新する必要があります。旧名称のまま掲示を続けていると、適時調査で指摘される可能性があります。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の後発医薬品要件

後発医薬品調剤体制加算の廃止後、後発医薬品の調剤割合に関する要件は「地域支援・医薬品供給対応体制加算」に引き継がれました。

詳しくは以下の記事で解説しています。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準と点数一覧|届出要件と掲示義務を解説

地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準と点数一覧|届出要件と掲示義務を解説

令和8年度改定で統合された地域支援・医薬品供給対応体制加算(旧・地域支援体制加算+後発医薬品調剤体制加算)の加算1〜5の点数・施設基準・届出要件・掲示義務を解説。

後発医薬品に関する共通要件

地域支援・医薬品供給対応体制加算(加算1〜5)を算定するための共通要件として、以下が定められています。

  • 後発医薬品の調剤割合が直近3か月間で85%以上であること
  • 後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨を、薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示すること

届出様式は「様式87の3の1」で、後発医薬品の調剤割合に関するチェック項目が含まれています。

掲示義務のポイント

掲示の内容は「後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨」です。具体的には以下のような文言を掲示します。

当薬局では、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の調剤を積極的に行っております。後発医薬品についてご不明な点がございましたら、薬剤師にお気軽にご相談ください。

掲示場所は薬局の「内側及び外側」の両方が必要です。内側だけ、外側だけでは要件を満たしません。

バイオ後続品調剤体制加算とは(新設)

バイオ後続品調剤体制加算は、令和8年度改定で新設された加算です。バイオ後続品(バイオシミラー)の使用促進を目的としています。

基本情報

項目内容
点数50点(特別調剤基本料Aの薬局は5点)
根拠条文第93条
届出様式様式87の3の7

施設基準

バイオ後続品調剤体制加算を算定するには、以下の施設基準を満たす必要があります。

  1. バイオ後続品のあるバイオ医薬品のうち、バイオ後続品の割合が80%以上となる成分数が、調剤実績のあるバイオ医薬品の成分数の60%以上であることが望ましい
  2. バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨を、薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示すること

対象となるバイオ医薬品の成分名

以下の成分が届出時の調剤割合計算の対象です。なお、インスリン製剤(インスリンアスパルト・グラルギン・リスプロ)は施設基準の割合計算には含みますが、加算の算定対象からは除外されます(先行品との薬価差が小さいため)。

成分名主な用途
アダリムマブ関節リウマチ、クローン病など
インスリンアスパルト糖尿病(超速効型インスリン)
インスリングラルギン糖尿病(持効型インスリン)
インスリンリスプロ糖尿病(超速効型インスリン)
エタネルセプト関節リウマチ
ソマトロピン成長ホルモン分泌不全症
テリパラチド骨粗鬆症
フィルグラスチム好中球減少症

掲示義務

バイオ後続品調剤体制加算を届け出た薬局は、「バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨」を薬局の内側及び外側に掲示する義務があります。

後発医薬品の掲示と同じ場所に並べて掲示すると、患者にとってもわかりやすくなります。

調剤基本料の後発医薬品減算(ペナルティ)

後発医薬品の使用促進は加算だけでなく、使用割合が低い薬局にはペナルティ(減算)もあります。

減算の条件

以下のいずれかに該当する場合、調剤基本料が5点減算されます。

条件内容
後発医薬品の調剤割合が低い場合直近の後発医薬品の調剤割合が50%以下
報告義務を怠った場合毎年8月1日現在の後発医薬品割合を直近1年間に地方厚生局に報告していない

適用除外

処方箋の受付回数が月600回以下の薬局は、この減算の対象外です。

調剤基本料の詳細については以下の記事をご参照ください。

調剤基本料の区分と点数一覧|届出区分ごとの掲示要件を解説

調剤基本料の区分と点数一覧|届出区分ごとの掲示要件を解説

調剤基本料の7区分(基本料1〜3・特別調剤基本料A・B)の点数・該当要件・掲示義務を令和8年度改定に対応して解説。処方箋集中率の計算方法や妥結率の減算ルールもわかりやすくまとめています。

掲示義務の内容(後発医薬品+バイオ後続品)

後発医薬品とバイオ後続品に関する掲示義務を、一覧表で整理します。

加算掲示内容掲示場所根拠
地域支援・医薬品供給対応体制加算後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨薬局の内側及び外側施設基準告示 p.372
バイオ後続品調剤体制加算バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨薬局の内側及び外側施設基準告示 p.382

どちらの掲示も、薬局の「内側」と「外側」の両方に掲示する必要があります。

掲示文例

後発医薬品に関する掲示

後発医薬品(ジェネリック医薬品)の調剤について

当薬局では、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の調剤を積極的に行っております。 後発医薬品の使用について、ご不明な点やご相談がございましたら、薬剤師までお気軽にお申し付けください。

バイオ後続品に関する掲示

バイオ後続品(バイオシミラー)の調剤について

当薬局では、バイオ後続品(バイオシミラー)の調剤を積極的に行っております。 バイオ後続品の使用について、ご不明な点やご相談がございましたら、薬剤師までお気軽にお申し付けください。

長期収載品の選定療養との関連

後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)については、患者が先発医薬品を希望した場合に差額の一部が自己負担となる「選定療養」の仕組みも導入されています。掲示義務との関連が深いため、あわせてご確認ください。

詳しくは以下の記事で解説しています。 長期収載品(先発医薬品)の選定療養と掲示義務

掲示物の作成チェックリスト

掲示物を作成・更新する際に確認すべきポイントをチェックリストにまとめました。適時調査の前にもご活用ください。

旧制度からの移行チェック

  • 「後発医薬品調剤体制加算」の名称が掲示物に残っていないか
  • 旧加算の点数(21点・28点・30点)が記載されていないか
  • 「地域支援・医薬品供給対応体制加算」の正しい名称に更新したか

後発医薬品の掲示チェック

  • 「後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨」が掲示されているか
  • 薬局の内側に掲示されているか
  • 薬局の外側に掲示されているか
  • 患者の見えやすい場所に掲示されているか

バイオ後続品の掲示チェック(届出薬局のみ)

  • 「バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨」が掲示されているか
  • 薬局の内側に掲示されているか
  • 薬局の外側に掲示されているか
  • 患者の見えやすい場所に掲示されているか

Webサイトの掲示チェック

  • 自院のWebサイトにも掲示内容を反映しているか
  • 旧名称がWebサイト上に残っていないか

Webサイトへの掲示については以下の記事で詳しく解説しています。 ウェブサイト掲示義務の対応方法

よくある質問(FAQ)

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Q. 後発医薬品調剤体制加算は完全に廃止されたのですか?

はい。後発医薬品調剤体制加算1〜3は令和8年度改定で全て廃止されました。後発医薬品の調剤割合に関する要件は「地域支援・医薬品供給対応体制加算」の共通要件に統合されています。

Q. 経過措置はいつまでですか?

令和8年3月31日時点で旧加算の届出をしていた薬局は、令和9年5月31日まで後発医薬品調剤割合85%の要件が猶予されます。ただし、掲示物の名称は速やかに更新することをおすすめします。

Q. バイオ後続品調剤体制加算の届出をしていない薬局でも掲示は必要ですか?

バイオ後続品調剤体制加算の施設基準に基づく「バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨」の掲示義務は、当該加算を届け出た薬局に適用されます。ただし、後発医薬品全般に関する掲示義務(「後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨」)は、地域支援・医薬品供給対応体制加算を届け出た薬局にも適用されます。

Q. 掲示物は院内だけでよいですか?

いいえ。後発医薬品・バイオ後続品ともに、薬局の「内側及び外側」の両方に掲示する必要があります。外側への掲示を忘れている薬局が多いため、特に注意してください。

Q. 後発医薬品の調剤割合が50%以下だとどうなりますか?

調剤基本料が5点減算されます。また、毎年8月1日時点の後発医薬品割合を地方厚生局に報告していない場合も同様に5点減算となります。ただし、処方箋受付回数が月600回以下の薬局は対象外です。

Q. 適時調査ではどのような点を確認されますか?

適時調査では、主に以下の点が確認されます。

  • 掲示内容が最新の制度に基づいているか(旧名称が残っていないか)
  • 掲示場所が「内側及び外側」の両方を満たしているか
  • 掲示内容と届出内容が一致しているか
  • 患者の見えやすい場所に掲示されているか
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まとめ

令和8年度の調剤報酬改定で、後発医薬品関連の加算体系は大きく変わりました。

  • 後発医薬品調剤体制加算1〜3は全て廃止
  • 後発医薬品の調剤割合要件は地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合
  • バイオ後続品調剤体制加算(50点)が新設
  • 後発医薬品・バイオ後続品ともに薬局の内側及び外側への掲示が必要
  • 後発医薬品の調剤割合50%以下で調剤基本料が5点減算

掲示物に旧名称が残っていないか、新設のバイオ後続品の掲示は対応済みか、いま一度ご確認ください。


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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1令和8年度改定で後発医薬品の加算はどう変わった?
  2. 2地域支援・医薬品供給対応体制加算の後発医薬品要件
  3. 3バイオ後続品調剤体制加算とは(新設)
  4. 4調剤基本料の後発医薬品減算(ペナルティ)
  5. 5掲示義務の内容(後発医薬品+バイオ後続品)
  6. 6掲示物の作成チェックリスト
  7. 7よくある質問(FAQ)
  8. 8まとめ

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