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2026年4月6日 · MASA

ウェブサイト掲示義務とは?制度の全体像と対応期限を解説【第1部】

ウェブサイト掲示義務とは?制度の全体像と対応期限を解説【第1部】
# ウェブサイト掲示義務# 掲示義務# 療養担当規則# 診療報酬改定# 施設基準

目次

  1. ウェブサイト掲示義務とは
  2. 法的根拠
  3. ウェブサイト掲示義務の「2つの柱」
  4. 包括規定が最も重要
  5. 対象となる施設
  6. 経過措置の終了
  7. 令和8年(2026年)改定による変更点
  8. 掲載方法
  9. 未対応の場合のリスク
  10. まとめ

ウェブサイト掲示義務とは

令和6年(2024年)6月の診療報酬改定により、ホームページを有する全ての保険医療機関・保険薬局は、院内の書面掲示事項を原則としてウェブサイトにも掲載しなければならなくなりました。

これは「デジタル臨時行政調査会」による「アナログ規制見直し工程表」(令和4年12月)を受けた改正であり、患者がいつでもどこでも医療機関の情報を確認できる環境を整備することが目的です。

経過措置は令和7年(2025年)5月31日に終了しており、同年6月1日からウェブサイト掲載は完全義務化されています。

法的根拠

本制度の法的根拠は令和6年厚生労働省令第35号による療養担当規則(療担規則)の改正です。具体的には、療担規則第2条の6に第2項が新設され、書面掲示事項のウェブサイト掲載が原則義務化されました。薬局については薬担規則第2条の4第2項が同様に改正されています。

主要な通知・告示は以下の通りです。

通知番号内容
保医発0327第10号(令和6年3月27日)掲示事項の実務的留意事項を示す中核通知
保医発0305第5号基本診療料の施設基準における掲示要件
保医発0305第6号特掲診療料の施設基準における掲示要件
保発0305第11号明細書関連の根拠通知
令和6年厚生労働省告示第56号選定療養に関するウェブサイト掲載義務
令和8年厚生労働省告示第68号令和8年改定に伴う掲示事項等の改正

ウェブサイト掲示義務の「2つの柱」

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ウェブサイト掲示義務は2つの柱で構成されています。

第1の柱:全施設共通の掲示事項

療養担当規則・掲示事項等告示に基づき、全ての保険医療機関・薬局に共通して課される掲示事項です。以下のカテゴリーがウェブサイト掲載の対象となります。

カテゴリー概要
(1) 入院基本料に関する事項看護職員数・入院患者数の割合、DPC対象病院の場合は各種係数(入院施設がある場合)
(2) 届出事項に関する事項地方厚生局に届け出た全ての施設基準について、患者が受けられるサービス等を分かりやすく掲示
(3) 明細書の発行状況明細書の無償発行の旨、発行しない場合の理由等
(4) 保険外負担に関する事項療養の給付と直接関係のないサービスの名目と料金(消費税込み総額表示)
(5) 食事療養・生活療養標準負担額を超える負担がある場合の内容と料金、特別メニューの情報
(6) 先発医薬品の選定療養長期収載品(先発医薬品)の選定療養費に関する説明
(7) 評価療養・選定療養差額ベッド代、予約料、多焦点眼内レンズ、200床以上の初診料等の金額
(8) 物価対応料 ※令和8年6月〜外来・在宅物価対応料に関する患者向け説明

第2の柱:個別施設基準が定める掲示事項

各施設基準の要件として、ウェブサイト掲載が明示的に定められている項目です。令和8年改定後の主な項目は以下の通りです。

カテゴリー主な掲示項目
かかりつけ医関連機能強化加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料
感染対策外来感染対策向上加算、連携強化加算、サーベイランス強化加算
医療DX電子的診療情報連携体制整備加算(令和8年新設)、在宅医療DX情報活用加算
処方・調剤一般名処方、長期処方・リフィル処方箋、明細書発行体制等加算
賃上げ対応ベースアップ評価料(外来・入院・歯科・調剤)
在宅・連携在宅医療情報連携、介護施設連携、夜間休日診療体制
オンライン診療情報通信機器を用いた診療、指針遵守確認チェックリスト

第2の柱の詳細は、

【医科・歯科編】ウェブサイト掲示義務の具体的な掲示項目一覧【第2部】

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医科・歯科のウェブサイト掲示義務の具体的な掲示項目を一覧で整理。全施設共通の5カテゴリー、選定療養12項目、施設基準ごとの掲示要件を網羅しています。

および

【薬局編】ウェブサイト掲示義務の掲示項目と実務対応ガイド【第3部】

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薬局のウェブサイト掲示義務の掲示項目を網羅。調剤管理料、地域支援体制加算、医療DX推進体制整備加算(8項目)、在宅薬学総合加算など、薬局固有の要件を解説します。

で解説しています。

包括規定が最も重要

第1の柱の(2)に含まれる包括規定が、この制度の核心です。

地方厚生局に届け出た全ての施設基準について、患者が受けられるサービス等を分かりやすくウェブサイトに掲示する義務があります。つまり、第2の柱で明示的に列挙されていない加算(入退院支援加算、患者サポート体制充実加算、認知症ケア加算、医療安全対策加算等)であっても、届出済みであればウェブサイト掲示の対象となります。

この規定により、自院が届出している全項目を把握し、それぞれの患者向け説明をウェブサイトに掲載することが求められます。

対象となる施設

ウェブサイト掲示義務の対象は、ホームページを「自ら管理する」保険医療機関・保険薬局です。

状況対応
ホームページを持っているウェブサイト掲載が必須
ホームページを持っていない院内掲示のみでOK(新規開設義務まではない)

「自ら管理する」には、自院で運営するホームページのほか、外部の制作会社に委託して管理しているサイトも含まれます。

経過措置の終了

項目期限
療養担当規則改正に伴う経過措置令和7年(2025年)5月31日に終了
令和7年6月1日以降完全義務化

経過措置の対象外に注意

以下の項目は令和6年改定以前からウェブサイト掲載が施設基準に含まれていたため、経過措置は適用されません。

  • 機能強化加算
  • 情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)

令和8年(2026年)改定による変更点

令和8年度の診療報酬改定では、ウェブサイト掲示義務に関して以下の変更がありました。

掲示事項の拡大

変更点内容
物価対応料の新設令和8年6月より、外来・在宅物価対応料に関する掲示が全施設で必要に
電子的診療情報連携体制整備加算医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算を廃止・再編。新たな掲示要件が設定
オンライン診療チェックリスト指針遵守確認チェックリストのウェブサイト掲載が必須に
連携施設の詳細情報在宅医療・共同管理に関する連携医療機関の名称・住所・電話番号の掲載
調剤ベースアップ評価料令和8年6月より、薬局のベースアップ評価料に関する掲示が必要に

令和6年改定の加算が廃止・再編されたもの

令和6年改定令和8年改定
医療DX推進体制整備加算廃止 → 電子的診療情報連携体制整備加算に再編
医療情報取得加算廃止 → 電子的診療情報連携体制整備加算に統合
後発医薬品使用体制加算廃止 → 地域支援・医薬品供給対応体制加算等に再編

これらの再編に伴い、ウェブサイトに掲載している掲示内容も更新が必要です。令和6年改定時の掲示文面をそのまま掲載していると、現行制度と合わなくなる可能性があります。

掲載方法

厚生労働省の通知上、掲載形式(PDF・HTML・テキスト等)の明確な指定はありません。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 院内掲示物のスキャンPDFだけでは不十分 — スマートフォン等での可読性に問題がある
  • 推奨:ハイブリッド型 — Webページ上にテキストで要約・抜粋を掲載し、PDFは補足として添付する
  • 掲載場所 — トップページへの追記、「お知らせ」ページ、専用ページのいずれも可

保医発0327第10号の通知本文には「患者が受けられるサービス等を分かりやすく掲示する」と明記されており、患者にとっての分かりやすさが重要です。

具体的な掲載方法の選択肢(自作・PDF・専用ツール)については、

ウェブサイト掲示義務の対応方法|何をどう載せればいい?具体例つきで解説

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医療機関のウェブサイト掲示義務について、何を掲載すべきか・どう対応すべきかを具体例つきで解説します。令和8年改定での変更点も網羅。

で詳しく解説しています。

未対応の場合のリスク

経過措置は既に終了しています。ウェブサイト掲示義務に未対応の場合、以下のリスクがあります。

  • 施設基準の要件不充足と判断される可能性 — 適時調査等で指摘を受ける
  • 加算の算定に影響 — ウェブサイト掲載が施設基準の要件に含まれる加算(電子的診療情報連携体制整備加算等)は、掲載がなければ算定できない

まとめ

ウェブサイト掲示義務の全体像をまとめます。

  • 令和6年改定で療養担当規則が改正され、院内掲示事項のウェブサイト掲載が原則義務化
  • 令和8年改定で掲示事項がさらに拡大(物価対応料、電子的診療情報連携体制整備加算等)
  • 2つの柱で構成:全施設共通の掲示事項(8カテゴリー) + 個別施設基準が定める掲示事項(60種類以上)
  • 包括規定により、届出済みの全施設基準がウェブサイト掲示の対象
  • 経過措置は2025年5月31日に終了し、完全義務化済み
  • ホームページを持たない施設は対象外(新規開設義務なし)
  • 掲載はPDF・HTML・テキストいずれも可だが、患者にとって分かりやすい形式が求められる

具体的にどの項目をウェブサイトに掲載すべきかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

【医科・歯科編】ウェブサイト掲示義務の具体的な掲示項目一覧【第2部】

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医科・歯科のウェブサイト掲示義務の具体的な掲示項目を一覧で整理。全施設共通の5カテゴリー、選定療養12項目、施設基準ごとの掲示要件を網羅しています。

【薬局編】ウェブサイト掲示義務の掲示項目と実務対応ガイド【第3部】

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ウェブサイト掲示義務の対応方法|何をどう載せればいい?具体例つきで解説

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医療機関のウェブサイト掲示義務について、何を掲載すべきか・どう対応すべきかを具体例つきで解説します。令和8年改定での変更点も網羅。

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 保険医療機関及び保険医療養担当規則 — e-Gov法令検索
  • 保医発0327第10号 掲示事項等の実務的留意事項(PDF) — 厚生労働省
  • 保医発0305第5号 基本診療料の施設基準(PDF) — 厚生労働省
  • 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省
  • 令和8年度診療報酬改定説明資料等について — 厚生労働省
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1ウェブサイト掲示義務とは
  2. 2法的根拠
  3. 3ウェブサイト掲示義務の「2つの柱」
  4. 4包括規定が最も重要
  5. 5対象となる施設
  6. 6経過措置の終了
  7. 7令和8年(2026年)改定による変更点
  8. 8掲載方法
  9. 9未対応の場合のリスク
  10. 10まとめ

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