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施設基準
2026年4月10日 · MASA

在宅医療充実体制加算の施設基準と掲示要件を解説

在宅医療充実体制加算の施設基準と掲示要件を解説
# 在宅医療充実体制加算# 施設基準# 掲示義務# 在宅緩和ケア# 在宅医療

在宅医療に力を入れている機能強化型の在支診が、さらに高い評価を受けるための加算として在宅医療充実体制加算があります。これは令和8年度改定で旧「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」から名称変更されたもので、緩和ケアに限らず在宅医療全体の充実した体制を評価する加算に拡張されました。

この記事では、在宅医療充実体制加算の施設基準・掲示義務について、厚生労働省の通知をもとに解説します。

目次

  1. 在宅医療充実体制加算とは
  2. 在支診・機能強化型との関係
  3. 施設基準の要件
  4. 掲示義務の内容
  5. 届出方法
  6. まとめ

在宅医療充実体制加算とは

在宅医療充実体制加算は、機能強化型の在宅療養支援診療所(在支診)が、十分な緊急往診・看取り・緩和ケアの実績を有し、充実した在宅医療提供体制を整備している場合に算定できる加算です。

名称変更の経緯

時期名称
平成28年度(2016年)新設在宅緩和ケア充実診療所・病院加算
令和8年度(2026年)〜在宅医療充実体制加算

名称変更の背景には、緩和ケアだけでなく、重症患者への対応・地域連携・教育体制など在宅医療全体の提供体制を評価する枠組みへの拡張があります。

在支診・機能強化型との関係

在宅医療充実体制加算は、在支診の中でも最も高い評価を受ける位置づけです。

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ステップ区分主な要件
Step 1一般の在支診24時間体制のみ
Step 2機能強化型在支診常勤医3名以上+緊急往診10件+看取り4件
Step 3在宅医療充実体制加算緊急往診30件+看取り等30件+緩和ケア実績+教育体制

在宅医療充実体制加算を算定するには、まず機能強化型在支診の届出が前提条件となります。

在支診の施設基準について詳しくは、

在宅療養支援診療所(在支診)の施設基準と掲示要件を解説

在宅療養支援診療所(在支診)の施設基準と掲示要件を解説

在宅療養支援診療所(在支診)の施設基準・3つの区分(機能強化型単独・連携・一般)の違い・掲示要件を厚生労働省の通知をもとに解説。24時間体制や看取り実績の要件、届出方法をまとめました。

をご覧ください。

施設基準の要件

在宅医療充実体制加算の施設基準は以下のとおりです(通知 第9 2(3))。

医師体制

  • 在宅医療を担当する常勤換算医師数が3名以上かつ常勤医師数が2名以上であること

前提条件

  • 機能強化型の在支診(単独型又は連携型)の届出を行っていること
  • 機能強化型在支診の要件のうち、24時間連絡体制(イ)及び24時間往診体制(ウ)を満たすこと

実績要件

  • 過去1年間の緊急の往診の実績を30件以上有すること
  • 過去1年間の在宅における看取りの実績及び15歳未満の超重症児等に対する在宅医療の実績の合計が30件以上であること

ターミナルケア等の割合

  • 在宅時医学総合管理料等を算定する患者の延べ診療月数に占めるターミナルケア加算・看取り加算・死亡診断加算を算定する患者の割合が2割以上であること

訪問診療の規模

  • 訪問診療を担当する時間について常勤換算した医師数1人当たりの、訪問診療を実施する患者の実人数は100人以下であること

緩和ケアの実績

以下のいずれかを満たすこと。

  • Option A:末期悪性腫瘍等の患者に対し、患者が自ら注射によりオピオイド系鎮痛薬の注入を行う鎮痛療法を実施した実績を、過去1年間に2件以上有すること
  • Option B:オピオイド系鎮痛薬の投与経験が過去に5件以上ある常勤の医師が配置されており、かつ適切な方法によるオピオイド系鎮痛薬の投与実績を過去1年間に10件以上有すること

緩和ケア研修

  • がん性疼痛緩和指導管理料の施設基準に定める「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会」又は「緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会」等を修了している常勤の医師が在宅医療を担当していること

看取りの経験

  • 緩和ケア病棟又は在宅での1年間の看取り実績が10件以上の保険医療機関において、3か月以上の勤務歴がある常勤の医師がいること

教育体制

以下のいずれかを満たすこと。

  • 「診療参加型臨床実習」における地域医療実習の実習生を受け入れている又は過去2年度以内に受け入れ実績があること
  • 「臨床研修協力施設」として地域医療の研修医を受け入れている又は過去2年度以内に受け入れ実績があること
  • 専門研修プログラムの専門研修基幹施設又は連携施設として専攻医を受け入れている又は過去2年度以内に受け入れ実績があること
  • 地域枠等の医師を受け入れている又は過去2年度以内に受け入れ実績があること

その他

  • 在宅医療情報連携加算に係る届出を行っていること
  • 在宅データ提出加算に係る届出を行っていることが望ましいこと

在宅医療情報連携加算について詳しくは、

在宅医療情報連携加算の施設基準と掲示要件|ICT活用の要件を解説

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在宅医療情報連携加算(100点・月1回)の施設基準・ICT共有体制の要件・掲示義務を厚生労働省の通知をもとに解説。連携機関5以上、サーバー一元管理、患者同意などの要件と、連携機関名称の掲示義務をまとめました。

をご覧ください。

掲示義務の内容

在宅医療充実体制加算には、この加算特有の掲示義務があります。

院内掲示

院内の見やすい場所等に、以下の内容を掲示すること。

  • 過去1年間の看取り実績
  • 十分な緩和ケアが受けられる旨

患者に対して必要な情報提供が行われていることが求められます。

ウェブサイトへの掲載

施設基準の院内掲示事項は、原則としてウェブサイトにも掲載する必要があります(自ら管理するホームページ等を有しない場合はこの限りではありません)。

掲示文例

在宅医療充実体制に関するお知らせ

当院は、在宅医療充実体制加算の施設基準を満たしております。

  • 過去1年間の在宅における看取り実績:○件
  • 緊急の往診実績:○件
  • 当院では、がん等の末期の患者様に対して十分な緩和ケアを提供できる体制を整えております
  • 緩和ケア研修を修了した常勤医師が在宅医療を担当しております

○○クリニック

届出方法

在宅医療充実体制加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式11及び様式11の3を用います。

在支診の施設基準に係る届出と併せて届け出る場合は、それぞれ1部のみの届出で差し支えありません。

まとめ

在宅医療充実体制加算は、機能強化型在支診がさらに充実した在宅医療提供体制を整備している場合に算定できる加算です。

  • 旧「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」がR8で名称変更
  • 前提条件:機能強化型在支診の届出
  • 実績要件:緊急往診30件以上、看取り等30件以上、ターミナルケア割合2割以上
  • 緩和ケア:オピオイド実績+緩和ケア研修修了医師+看取り経験のある医師
  • 教育体制:臨床実習・研修医の受入れ実績
  • 掲示義務:看取り実績+緩和ケアが受けられる旨を院内掲示+ウェブサイト掲載(原則)
  • 届出:様式11+様式11の3

在宅医療の体制をさらに強化したい診療所にとって、機能強化型在支診→在宅医療充実体制加算のステップアップを目指すことは、診療報酬上の評価だけでなく地域からの信頼にもつながります。

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料

  • 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省
  • 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて — 厚生労働省保険局医療課
  • 在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の施設基準 — 中医協資料
掲示ナビ|HP掲示の義務化をシステムに任せる
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1在宅医療充実体制加算とは
  2. 2在支診・機能強化型との関係
  3. 3施設基準の要件
  4. 4掲示義務の内容
  5. 5届出方法
  6. 6まとめ

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