【医科・歯科編】ウェブサイト掲示義務の具体的な掲示項目一覧【第2部】

はじめに
本記事は、

ウェブサイト掲示義務とは?制度の全体像と対応期限を解説【第1部】
ウェブサイト掲示義務の法的根拠、2つの柱の構造、包括規定の重要性、経過措置の終了、対象施設、掲載方法まで、制度の全体像をわかりやすく解説します。
の続編です。第1部では制度の全体像を解説しましたが、本記事では医科・歯科の医療機関がウェブサイトに掲載すべき具体的な項目を一覧で整理します。
令和8年(2026年)改定対応済み: 本記事は令和8年度診療報酬改定の内容を反映しています。医療DX推進体制整備加算の廃止・再編、物価対応料の新設等に対応済みです。
第1の柱:全施設共通の掲示事項
掲示事項等告示に基づき、以下のカテゴリーがウェブサイト掲載の対象です。医科・歯科共通の掲示事項です。
(1) 入院基本料に関する事項(入院施設がある場合)
- 病院の場合: 病棟ごとの看護職員数と入院患者数の割合、看護要員の構成(看護師・准看護師の比率等)
- 診療所の場合: 看護に従事している看護職員の数
- DPC対象病院の場合: DPC対象病院である旨、基礎係数・機能評価係数Ⅰ・Ⅱ・救急補正係数・激変緩和係数
(2) 地方厚生局長への届出事項に関する事項
最も広範な規定です。地方厚生局に届け出た全ての施設基準(基本診療料・特掲診療料)および入院時食事療養(Ⅰ)・入院時生活療養(Ⅰ)について、患者が受けられるサービス等を「分かりやすく」掲示する義務があります。
施設基準に個別のウェブサイト掲載規定がない加算(入退院支援加算、患者サポート体制充実加算、認知症ケア加算、医療安全対策加算等)であっても、この包括規定によりウェブサイト掲示の対象となります。
(3) 明細書の発行状況に関する事項
- 明細書を無償発行している旨
- 発行しない場合はその正当な理由と患者が希望した場合の対応
- 発行を希望しない場合の申出方法
(4) 保険外負担に関する事項
療養の給付と直接関係のないサービス等の名目と料金を掲示します。原則として消費税込み総額表示が求められます。
主な対象:
- 文書料(診断書、証明書等)
- 在宅医療の交通費
- 予防接種料
- おむつ代
- テレビ代、病衣貸与代
- 診療録開示手数料 等
(5) 先発医薬品(長期収載品)の選定療養
長期収載品の選定療養費に関する説明を掲示します。後発医薬品がある先発医薬品を患者が希望する場合の自己負担について、患者にわかりやすく説明する内容です。
(6) 食事療養・生活療養に関する事項
- 標準負担額を超える患者負担がある場合の内容と料金
- 特別メニューの食事がある場合はそのメニューと費用
(7) 評価療養・選定療養に関する事項
差額ベッド代、予約料、多焦点眼内レンズ、200床以上の初診料等、該当する場合にその内容と金額を掲示します。
(8) 物価対応料 ※令和8年6月〜
令和8年改定で新設された外来・在宅物価対応料について、患者向けの説明を掲示します。
選定療養に関する掲示事項(該当する場合)
保険外併用療養費に係る選定療養についても、該当する場合にウェブサイト掲示が必要です。対象は以下の項目です。
| No. | 項目 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 特別療養環境室(差額ベッド) | ベッド数・場所・料金 |
| 2 | 予約に基づく診察 | 届出が必要 |
| 3 | 診療時間以外の時間における診察 | 届出が必要 |
| 4 | 制限回数を超える診療 | 腫瘍マーカー・リハビリ・精神科専門療法等 |
| 5 | 前歯部の金合金・白金加金の支給 | 歯科 |
| 6 | 金属床による総義歯の提供 | 歯科 |
| 7 | う蝕に罹患している患者の指導管理 | 歯科 |
| 8 | 多焦点眼内レンズの支給 | |
| 9 | プログラム医療機器 | 保険適用期間終了後の患者希望使用 |
| 10 | 間歇スキャン式持続血糖測定器の使用 | |
| 11 | 精子の凍結・融解 | 医療上必要と認められない場合 |
| 12 | 長期収載品(先発医薬品)の選定療養 | 届出不要、掲示は必須 |
第2の柱:施設基準が明示的に定める掲示事項(医科)
以下は、各施設基準の要件としてウェブサイト掲載が明示的に規定されている項目の一覧です。
令和8年改定で廃止・再編された加算は最新の名称で記載しています。
かかりつけ医・地域包括診療関連
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| 機能強化加算 | かかりつけ医機能の6項目(他院受診状況把握、専門医紹介、健康管理相談、保健福祉相談、夜間休日対応、医療機能情報提供制度の案内) |
| 地域包括診療加算/料 | 健康相談・予防接種相談、介護相談対応、28日以上の長期投薬またはリフィル処方箋の交付が可能 |
| 小児かかりつけ診療料 | かかりつけ医としての指導内容(急性疾患対応、慢性疾患管理、専門医紹介、予防接種管理等) |
感染対策関連
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| 外来感染対策向上加算 | 発熱等の感染症を疑わせる症状の患者の受入れを行う旨 |
| 連携強化加算 | 感染対策に関する連携医療機関の名称 |
| サーベイランス強化加算 | サーベイランスへの参加状況 |
医療DX関連(令和8年改定で再編)
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| 電子的診療情報連携体制整備加算(令和8年新設) | オンライン資格確認の活用体制、マイナ保険証の利用促進、電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスの体制 |
| 在宅医療DX情報活用加算 | オンライン資格確認の活用、マイナ保険証促進、電子処方箋・電子カルテ情報共有サービス |
| 訪問看護医療DX情報活用加算 | オンライン資格確認の活用、マイナ保険証促進 |
注意: 令和6年改定時の「医療DX推進体制整備加算」「医療情報取得加算」は令和8年改定で廃止され、「電子的診療情報連携体制整備加算」に再編されました。旧加算の掲示文面をそのまま掲載している場合は更新が必要です。
処方・調剤関連
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| 一般名処方加算 | 一般名処方の趣旨を患者に説明する旨。長期収載品の選定療養に関する記載 |
| 長期処方・リフィル処方箋 | 28日以上の長期処方やリフィル処方箋の交付が可能である旨 |
| 明細書発行体制等加算 | 明細書を無料で交付している旨(19床以下の診療所) |
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算(令和8年新設) | 後発医薬品の使用促進、供給不足時の対応方針 |
注意: 令和6年改定時の「外来後発医薬品使用体制加算」は令和8年改定で廃止され、上記加算等に再編されました。
ベースアップ評価料
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| 外来・在宅ベースアップ評価料 | 対象職員の賃金改善に関する計画の概要 |
| 入院ベースアップ評価料 | 同上 |
| 歯科外来・在宅ベースアップ評価料 | 同上 |
オンライン診療
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| 情報通信機器を用いた診療 | 初診において向精神薬の処方を行わない旨、指針遵守確認チェックリスト |
外来化学療法関連
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| 外来腫瘍化学療法診療料1 | 24時間連絡体制、緊急入院体制、レジメン委員会、連携医療機関名称等 |
| 外来腫瘍化学療法診療料3 | 緊急時の診療体制、連携医療機関名称等 |
| がん性疼痛緩和指導管理料 | 放射線治療・神経ブロックの提供体制 |
入院関連
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| ハイリスク分娩等管理加算 | 年間分娩件数、配置医師数、助産師数、連携医療機関 |
| ハイリスク妊産婦共同管理料 | 共同管理を行う医療機関の名称・住所・電話番号 |
| バイオ後続品使用体制加算 | バイオ後続品の使用に積極的に取り組んでいる旨 |
| 地域医療体制確保加算 | 時間外労働が長時間の医師がいる場合その旨 |
| 協力対象施設入所者入院加算 | 介護施設の協力医療機関としての対応、連携施設名称 |
| 手術件数(通則5・6) | 前年の区分ごとの手術件数 |
| 院内トリアージ実施料 | 院内トリアージの実施基準 |
在宅医療関連
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| 在宅緩和ケア充実加算 | 緩和ケアの体制に関する事項 |
| 介護保険施設等連携往診加算 | 協力医療機関としての急変対応、介護施設名称 |
| 在宅医療情報連携加算 | ICT連携体制、連携機関名称等(5以上) |
その他
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| コンタクトレンズ検査料 | 初診料・再診料点数、検査料区分、担当医師氏名・経験等 |
| 早期診療体制充実加算 | 精神科の早期診療体制に関する情報 |
| プログラム医療機器等指導管理料 | プログラム医療機器の管理体制に関する情報 |
歯科がウェブサイトに掲示すべき項目
歯科については、上記の共通掲示事項に加え、以下の施設基準固有の掲示事項があります。
| 施設基準 | 掲示すべき内容 |
|---|---|
| 歯科初診料(院内感染防止対策) | 院内感染防止対策を実施していること |
| 地域歯科診療支援病院歯科初診料 | 院内感染防止対策の実施 |
| 歯科外来診療医療安全対策加算 | 緊急時の連携体制、歯科診療の医療安全管理対策 |
| 電子的歯科診療情報連携体制整備加算(令和8年新設) | 電子的な診療情報連携体制の整備状況 |
| 明細書発行体制等加算(歯科) | 明細書を無料で交付している旨 |
| 在宅歯科医療情報連携加算 | ICT連携体制と連携機関名称等 |
| 一般名処方加算(歯科) | 医科と同様 |
| 歯科技工加算 | 迅速な有床義歯の修理・床裏装の体制 |
| 歯科手術件数 | 歯科点数表第9部手術の前年実施件数 |
歯科固有の選定療養
該当する場合に掲示が必要です。
- 前歯部の金属歯冠修復に使用する金合金・白金加金の支給
- 金属床による総義歯の提供
- う蝕に罹患している患者の指導管理(フッ化物局所応用・小窩裂溝填塞)
対応のポイント
まずやるべきこと
- 自院の届出一覧を確認する — 地方厚生局に届け出ている全ての施設基準をリストアップ
- 第1の柱(8カテゴリー)を掲載する — 全施設共通の掲示事項
- 第2の柱の該当項目を掲載する — 届出している加算ごとの掲示事項
- 選定療養の該当項目を掲載する — 該当する場合
- 令和8年改定の変更点を反映する — 廃止・再編された加算の掲示文面を更新
よくある見落とし
- 包括規定により、施設基準に「ウェブサイト掲載」と明記されていない加算も対象である
- 保険外負担は消費税込み総額表示が必要
- 令和6年改定時の掲示文面をそのまま掲載していると、令和8年改定で廃止された加算名が残っている可能性がある
まとめ
医科・歯科の医療機関がウェブサイトに掲載すべき項目は多岐にわたります。特に重要なのは以下の3点です。
- 届出済みの全施設基準がウェブサイト掲示の対象(包括規定)
- 選定療養のうち、該当するものは掲示が必要
- 令和8年改定で加算の廃止・再編があり、掲示内容の更新が必要
薬局の掲示項目については、

【薬局編】ウェブサイト掲示義務の掲示項目と実務対応ガイド【第3部】
薬局のウェブサイト掲示義務の掲示項目を網羅。調剤管理料、地域支援体制加算、医療DX推進体制整備加算(8項目)、在宅薬学総合加算など、薬局固有の要件を解説します。
で解説しています。
具体的な対応方法については、

ウェブサイト掲示義務の対応方法|何をどう載せればいい?具体例つきで解説
医療機関のウェブサイト掲示義務について、何を掲載すべきか・どう対応すべきかを具体例つきで解説します。令和8年改定での変更点も網羅。
をご覧ください。
掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 保医発0327第10号 掲示事項等の実務的留意事項(PDF) — 厚生労働省
- 保医発0305第5号 基本診療料の施設基準(PDF) — 厚生労働省
- 保医発0327第6号 令和8年 施設基準の掲示要件(PDF) — 厚生労働省
- 令和8年度診療報酬改定について — 厚生労働省
- 保険医療機関及び保険医療養担当規則 — e-Gov法令検索
