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2026年4月9日 · MASA

院内トリアージ実施料(実施体制加算)とは?算定要件・施設基準・掲示義務を解説

院内トリアージ実施料(実施体制加算)とは?算定要件・施設基準・掲示義務を解説
# 院内トリアージ# 施設基準# 掲示義務# 救急外来# 看護師

院内トリアージ実施料は、救急外来で患者の緊急度を判定し、診療の優先順位をつけるトリアージの実施を評価する診療料です。

夜間・休日・深夜に受診した初診患者に対して算定でき、病院・診療所の両方が対象です。

この記事では、院内トリアージ実施料の施設基準・トリアージ実施基準の作成ポイント・掲示義務の内容を、文例つきでわかりやすく解説します。

目次

  1. 院内トリアージ実施料とは
  2. 施設基準の要件
  3. トリアージ実施基準の作成ポイント
  4. 届出の手続き
  5. 掲示義務の内容と掲示例
  6. 令和8年度改定での変更
  7. まとめ

院内トリアージ実施料とは

院内トリアージ実施料は、救急外来における患者の緊急度判定と優先順位付けを評価する医学管理料です。

基本情報

項目内容
点数300点
算定タイミング夜間・休日・深夜に受診した初診患者に対して
対象医療機関病院・診療所の両方
算定回数患者1人につき1回
併算定不可夜間休日救急搬送医学管理料を算定した患者には算定できない

トリアージとは

トリアージとは、救急外来に来院した患者の緊急度を短時間で判定し、診療の優先順位を決定する仕組みです。重症患者を見逃さず、限られた医療資源を効率的に配分するために行います。

院内トリアージ実施料は、このトリアージを適切に実施できる体制を整え、実際に行った場合に算定できます。

施設基準の要件

人員配置

以下のいずれかの配置が必要です。

  • 専任の医師
  • 救急医療に関する3年以上の経験を有する専任の看護師

「専任」とは、トリアージの実施を主な業務として担当することを意味します。

トリアージ実施基準の策定

以下の項目を含む院内トリアージの実施基準を策定し、定期的に見直しを行うことが必要です。

  • トリアージ目標開始時間(来院後何分以内にトリアージを開始するか)
  • 再評価時間(トリアージ後、どのタイミングで再評価するか)
  • トリアージ分類(緊急度のレベル分け)
  • トリアージの流れ(初回評価から一定時間後の再評価まで)

掲示・周知

  • 院内トリアージの実施について患者に説明を行うこと
  • 院内の見やすい場所への掲示等により周知すること
  • 掲示事項について、原則としてウェブサイトに掲載すること

診療録への記載

トリアージを実施した場合は、診療録等にその旨を記載すること。

トリアージ実施基準の作成ポイント

トリアージ目標開始時間

患者が来院してから何分以内にトリアージを開始するかを定めます。一般的には来院後10分以内を目標とする施設が多いです。

再評価時間

一度トリアージを行った患者でも、症状が変化する可能性があります。特に軽症と判断された患者についても、一定時間後に再度緊急度を評価する仕組みが必要です。

例: 緊急度「低」の患者は30分〜60分後に再評価

トリアージ分類の例

レベル緊急度目安
レベル1蘇生直ちに診療開始
レベル2緊急15分以内に診療開始
レベル3準緊急30分以内に診療開始
レベル4低緊急60分以内に診療開始
レベル5非緊急120分以内に診療開始

上記はJTAS(Japan Triage and Acuity Scale)を参考にした例です。各医療機関の実情に合わせて設定してください。

定期的な見直し

トリアージ実施基準は定期的に見直すことが施設基準で求められています。年1回程度の見直しを行い、実際の運用状況と照らし合わせて改善することが望ましいです。

届出の手続き

届出先

管轄の地方厚生(支)局に届け出ます。

届出に必要な書類

院内トリアージ実施料は特掲診療料に分類されます。届出様式は、厚生労働省の地方厚生局ホームページからダウンロードできます。

添付書類

  • 院内トリアージの実施基準(トリアージ目標開始時間・再評価時間・分類・流れを含む)
  • 専任の医師又は看護師の経験年数がわかる書類

掲示義務の内容と掲示例

院内トリアージ実施料を算定する医療機関は、院内トリアージの実施について患者に説明し、院内掲示により周知する必要があります。

掲示義務の全体像については

厚生労働大臣が定める掲示事項とは?医科・歯科・薬局別に全項目を解説

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厚生労働大臣が定める掲示事項の全体像を医科・歯科・薬局別に解説。令和6年度改定でウェブサイト掲載が義務化された背景や、対応していない場合のリスクについても説明します。

で詳しくまとめています。

掲示すべき内容

  • 院内トリアージを実施していること
  • トリアージの目的(緊急度に応じた優先順位付け)
  • 診療の順番が前後する場合があること

ウェブサイトへの掲載

院内掲示事項については、2025年5月31日で経過措置が終了し、ウェブサイトへの掲載が必須となりました。具体的な対応方法は

ウェブサイト掲示義務の対応方法|何をどう載せればいい?具体例つきで解説

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医療機関のウェブサイト掲示義務について、何を掲載すべきか・どう対応すべきかを具体例つきで解説します。令和8年改定での変更点も網羅。

で解説しています。

掲載すべき項目の一覧は

【医科・歯科編】ウェブサイト掲示義務の具体的な掲示項目一覧【第2部】

【医科・歯科編】ウェブサイト掲示義務の具体的な掲示項目一覧【第2部】

医科・歯科のウェブサイト掲示義務の具体的な掲示項目を一覧で整理。全施設共通の5カテゴリー、選定療養12項目、施設基準ごとの掲示要件を網羅しています。

で確認できます。

院内掲示の文例

以下は、そのまま利用できる掲示文例です。

院内トリアージについて

当院では、夜間・休日・深夜の救急外来において、院内トリアージを実施しています。

院内トリアージとは、来院された患者様の症状や状態を速やかに評価し、緊急度に応じて診療の優先順位を決定する仕組みです。

このため、受付の順番と診療の順番が前後する場合がございます。

重症度の高い患者様を優先的に診療するための取り組みですので、ご理解とご協力をお願いいたします。

○○病院(○○クリニック)

令和8年度改定での変更

「院内トリアージ実施料」から「院内トリアージ実施体制加算」へ

令和8年度(2026年度)の診療報酬改定で、従来の「院内トリアージ実施料」は廃止され、新たに「院内トリアージ実施体制加算」に変更されます。

評価の考え方の変化

項目従来(実施料)新制度(体制加算)
評価対象トリアージを実施したことトリアージを実施できる体制があること
算定方法患者1人ごとに算定体制があれば算定
考え方「やったか」「仕組みがあるか」

つまり、個々の実施ではなく体制整備そのものが評価されるようになります。

今から備えるべきこと

現在の施設基準(トリアージ実施基準の策定・掲示・人員配置)を満たしていれば、新制度への移行もスムーズです。特にトリアージ実施基準の策定と定期的な見直しは、新制度でも引き続き求められる可能性が高いため、今のうちに整備しておくことをおすすめします。

令和8年度改定の全体像は令和8年度(2026年度)診療報酬改定まとめ|改定率・主な変更点をわかりやすく解説をご参照ください。

まとめ

院内トリアージ実施料は、救急外来でのトリアージの実施を評価する診療料で、病院・診療所の両方が対象です。

押さえておくべきポイントは以下の通りです。

  • 点数は300点、夜間・休日・深夜の初診患者が対象
  • 専任の医師又は3年以上経験のある専任の看護師の配置が必要
  • トリアージ実施基準を策定し、定期的に見直すこと
  • 患者に説明し、院内掲示により周知すること
  • 2025年6月からウェブサイトへの掲載が義務化された
  • 令和8年度改定で「院内トリアージ実施体制加算」に変更予定

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

適時調査では掲示義務の不備が指摘されやすいため、

適時調査チェックリスト|当日までに準備すべきこと完全版

適時調査チェックリスト|当日までに準備すべきこと完全版

適時調査の通知が届いたら何を準備すべきか。事前提出書類・掲示物・人員配置のチェックリストと、よくある指摘事項TOP5を解説。

で事前に確認しておくことをおすすめします。

参考資料

  • 令和6年度診療報酬改定の概要(全体版)(PDF) — 厚生労働省保険局医療課
  • 特掲診療料の施設基準等に係る届出書・届出様式(令和6年度) — 関東信越厚生局
  • 院内トリアージ実施料の施設基準に係る届出書添付書類(様式7の3)(PDF) — 厚生労働省
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1院内トリアージ実施料とは
  2. 2施設基準の要件
  3. 3トリアージ実施基準の作成ポイント
  4. 4届出の手続き
  5. 5掲示義務の内容と掲示例
  6. 6令和8年度改定での変更
  7. 7まとめ

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