掲示ナビ
ブログプレスリリース
ブログ/診療報酬改定/生活習慣病管理料と地域包括診療加算は同じ月に両方算定できる?地域包括診療料との違いも解説
診療報酬改定
2026年7月9日 · HIRO

生活習慣病管理料と地域包括診療加算は同じ月に両方算定できる?地域包括診療料との違いも解説

生活習慣病管理料と地域包括診療加算は同じ月に両方算定できる?地域包括診療料との違いも解説
# 生活習慣病管理料# 地域包括診療加算# 地域包括診療料# 令和8年度改定

高血圧や糖尿病の患者さんを、生活習慣病管理料で継続してみている。同じ患者さんは地域包括診療加算の対象にもなりそう――どちらも慢性疾患の継続管理を評価する点数だから、対象がまるかぶりに見える。でも、生活習慣病管理料には「これとは一緒に取れない」ルールがいくつかあった気がして、両方つけていいのか自信が持てない。レセプトの前でそう手が止まった方は、少なくないはずです。

結論から言うと、生活習慣病管理料と地域包括診療加算は、それぞれの要件を満たせば同じ月に両方算定できます。ただし、よく似た名前の「地域包括診療料」のほうは、生活習慣病管理料と同じ月には取れません。混乱のもとは、生活習慣病管理料が持つ「包括」のルールと、“加算”と“料”という一字違いの区別にあります。この記事では、なぜ加算なら取れて料なら取れないのかを、一次資料で確認しながらQ&A形式で整理します。

目次

  1. なぜ「両方は取れないのでは」と不安になるのか
  2. Q1. 生活習慣病管理料の「包括」ルールとは? 何が取れなくなる?
  3. Q2. 地域包括診療加算は、生活習慣病管理料と同じ月に取れる?
  4. Q3. なぜ「加算」は包括されないのに算定できるの?
  5. Q4. 「地域包括診療料」なら同じ月に取れる? 名前が紛らわしい
  6. Q5. 逆に、生活習慣病管理料と「一緒に取れない」のはどれ?
  7. 算定前のチェックリスト
  8. 掲示義務との関係
  9. まとめ
  10. 出典・参考

なぜ「両方は取れないのでは」と不安になるのか

生活習慣病管理料は、いくつかの費用を「まとめて所定点数に含む(包括する)」つくりの管理料です。だから「この患者さんで生活習慣病管理料を取るなら、他の点数はほとんど取れなくなるのでは」という感覚が働きます。しかも地域包括診療加算と地域包括診療料は名前がほぼ同じで、どちらも同じ6疾病(高血圧症・糖尿病・脂質異常症など)を対象にしています。「包括される範囲がどこまでか」と「加算と料のどちらの話か」の2つが重なって見えにくいことが、悩みの正体です。

Q1. 生活習慣病管理料の「包括」ルールとは? 何が取れなくなる?

留意事項通知(点数表の各項目の運用を厚生労働省が示す文書)は、生活習慣病管理料(Ⅰ)について、次の費用を「全て所定点数に含まれる」と定めています。

  • 再診料の「注8」外来管理加算
  • 第1部の医学管理等(糖尿病合併症管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料など一部を除く)
  • 検査
  • 注射
  • 病理診断

つまり、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した月は、これらを別に出来高で算定できません。生活習慣病管理料(Ⅱ)は少しつくりが違い、外来管理加算と第1部第1節の医学管理料等を包括しますが、検査・注射は包括しません。いずれにせよ、ポイントは「包括されるのは、外来管理加算・医学管理料等・(Ⅰなら)検査注射など」という点です。生活習慣病管理料そのものの要件は生活習慣病管理料とは?Ⅰ・Ⅱの違い・算定要件で確認できます。

Q2. 地域包括診療加算は、生活習慣病管理料と同じ月に取れる?

取れます。地域包括診療加算は、いま挙げた「包括される費用」のどれにも当てはまらないからです。

地域包括診療加算は、再診料の「注12」として付く加算です。生活習慣病管理料が包括するのは「注8」外来管理加算や医学管理料等であって、再診料の「注12」加算はそこに含まれていません。したがって、生活習慣病管理料を算定している患者さんについて、地域包括診療加算の要件(担当医、服薬管理、研修修了など)を満たしていれば、同じ月に重ねて算定できます。実際、どちらも高血圧・糖尿病などのかかりつけ患者を継続してみる評価なので、要件がそろえば両方立つのが自然な設計です。

Q3. なぜ「加算」は包括されないのに算定できるの?

評価している対象が別だからです。生活習慣病管理料が包括するのは、あくまで外来管理加算・医学管理料等・検査などの「診療行為の費用」です。地域包括診療加算は、主治医機能を持った診療所が慢性疾患の患者を継続的・全人的にみることそのものを評価する、再診料の加算です。

留意事項通知は、生活習慣病管理料の包括対象を「外来管理加算、第1部医学管理等、検査、注射、病理診断」と具体的に列挙しています。この列挙に再診料の加算は入っていません。列挙されていないものは包括の対象外、というのが読み方です。だから地域包括診療加算は、包括に飲み込まれず別に算定できる、と理解すると筋が通ります。

Q4. 「地域包括診療料」なら同じ月に取れる? 名前が紛らわしい

ここが最大の落とし穴です。「地域包括診療加算」は取れますが、一字違いの「地域包括診療料」は、生活習慣病管理料と同じ月には取れません。

地域包括診療料は、再診料の加算ではなく、第1部の医学管理料の一つです。生活習慣病管理料が包括する「第1部の医学管理等」に含まれ、しかも包括の除外リストにも載っていません。したがって、生活習慣病管理料を算定した月は、地域包括診療料を別に算定できません。加えて地域包括診療料は、それ自体が慢性疾患を月単位で包括評価するかかりつけの点数なので、生活習慣病管理料と二本立てにする性質のものではありません。

  • 地域包括診療加算(再診料「注12」の加算):生活習慣病管理料と同月に併算定できる
  • 地域包括診療料(第1部の医学管理料):生活習慣病管理料に包括され、同月には取れない

なお、地域包括診療料と地域包括診療加算は、施設基準としてどちらか一方しか届け出られません。ですので実務上は、「自院が届け出ているのは加算か料か」を確認すれば、生活習慣病管理料と同月に取れるかどうかが決まります。両者の違いは地域包括診療料・地域包括診療加算とは?で整理しています。

Q5. 逆に、生活習慣病管理料と「一緒に取れない」のはどれ?

混同を避けるために、取れない側も押さえておきます。生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した月に別に取れなくなるのは、算定日の外来管理加算、第1部の医学管理等(糖尿病合併症管理料などの一部を除く)、検査、注射、病理診断です。ここに地域包括診療料も(第1部の医学管理料として)含まれる、と考えると整理できます。

一方で、外来管理加算は「算定日とは別日に診療した場合は、その要件に従って算定できる」とされています。「取れない」のはあくまで包括に列挙された範囲で、地域包括診療“加算”はその外にある、と線を引くのがコツです。別の管理料どうしの併算定の考え方は外来服薬支援料1と2は同じ月に両方算定できる?や難病外来指導管理料と特定薬剤治療管理料は両方算定できる?も参考になります。個別の当てはめで迷うケースは、自己判断で決めず、所管の社会保険診療報酬支払基金・地方厚生局に確認するのが確実です。

算定前のチェックリスト

レセプトの前で手が止まったら、次の順で確認すると整理できます。

  • 生活習慣病管理料と地域包括診療「加算」(再診料の注12)は、要件を各々満たせば同じ月に併算定できる
  • 生活習慣病管理料が包括するのは、外来管理加算・第1部医学管理等・(Ⅰなら)検査注射病理。再診料の注12加算はここに含まれない
  • 一字違いの地域包括診療「料」(第1部の医学管理料)は、生活習慣病管理料に包括され同月には取れない
  • 自院が届け出ているのは地域包括診療「加算」か「料」か(両方は届け出られない)を確認すると、同月可否が決まる
  • 生活習慣病管理料の要件(療養計画書の交付・同意、200床未満、初診月は算定しない等)と、地域包括診療加算の要件(担当医・研修修了・服薬管理等)を各々満たす
  • 個別の当てはめに迷うケースは、支払基金・地方厚生局に確認

掲示義務との関係

掲示ナビは医療機関・薬局のウェブサイト掲示義務に対応するサービスなので、掲示との関係も整理しておきます。

生活習慣病管理料には、患者の状態に応じて28日以上の長期投薬やリフィル処方箋の交付に対応可能である旨を、見やすい場所に掲示する要件があります。地域包括診療加算にも、かかりつけ医としての対応方針などを院内やウェブに掲示・掲載する要件が含まれます。どちらも「算定するなら掲示が前提」という点で共通です。医療機関が院内・ウェブに掲示すべき項目の全体像は医科・歯科編 ウェブサイト掲示義務の掲示項目で確認できます。掲示ナビは厚生局への届出データを起点に掲示ページを自動生成するため、加算の出入りや改定があっても掲示内容が自動で追従し、届出と掲示の不整合を構造的に防げます。

まとめ

生活習慣病管理料と地域包括診療加算の併算定について、要点を整理します。

  • 生活習慣病管理料と地域包括診療「加算」は、それぞれの要件を満たせば同じ月に両方算定できる
  • 根拠は、生活習慣病管理料が包括するのは外来管理加算・医学管理料等・検査注射病理であって、再診料の「注12」加算はそこに含まれないこと
  • 一字違いの地域包括診療「料」は、第1部の医学管理料として生活習慣病管理料に包括され、同月には取れない
  • 地域包括診療の加算と料は、施設基準としてどちらか一方しか届け出られない。自院がどちらかで同月可否が決まる
  • 算定は「それぞれの要件を、それぞれ満たす」ことが前提

レセプトで迷ったら、「それは再診料の加算か、第1部の医学管理料か」に立ち返ると、生活習慣病管理料に包括されるかどうかが見えてきます。算定の入口を正確に押さえつつ、掲示物の管理のような本質ではない作業に時間を奪われないよう、仕組みに任せられるところは任せて、医療現場の時間を診療に取り戻していきましょう。

出典・参考

一次資料(厚生労働省)

  • 厚生労働省保険局医療課「医科診療報酬点数表に関する事項」(令和8年3月5日 保医発0305第6号 別添1)B001-3 生活習慣病管理料(Ⅰ)(3)(外来管理加算・第1部医学管理等・検査・注射・病理診断を包括、除外は糖尿病合併症管理料等5項目)、B001-3-3 生活習慣病管理料(Ⅱ)(3)(外来管理加算・第1部第1節医学管理料等を包括)、A001 再診料 注12 地域包括診療加算、B001-2-9 地域包括診療料(地域包括診療料と地域包括診療加算はどちらか一方に限り届出可) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf
掲示ナビ|HP掲示の義務化をシステムに任せる

関連記事

難病外来指導管理料と特定薬剤治療管理料は同じ月に両方算定できる?併算定の可否を解説
診療報酬改定

難病外来指導管理料と特定薬剤治療管理料は同じ月に両方算定できる?併算定の可否を解説

難病外来指導管理料を算定している患者で血中濃度も測定。特定薬剤治療管理料も一緒に取れるのか、それとも「指導管理料は同月ひとつ」の縛りに引っかかるのか。特掲診療料の通則が定める相互排他グループを一次資料で確認し、Q&A形式で解説します。

続きを読む
2026年7月8日
単科クリニックの同日再診でベースアップ評価料・物価対応料は取れる?「2科目じゃないと取れない」の真偽をQ&Aで解説
診療報酬改定

単科クリニックの同日再診でベースアップ評価料・物価対応料は取れる?「2科目じゃないと取れない」の真偽をQ&Aで解説

単科クリニックの同日再診でも、再診料を算定していれば外来・在宅ベースアップ評価料・物価対応料は算定できます。算定要件は「初診料・再診料等を算定したこと」で、2科目・複数診療科は条件ではありません。「2科目じゃないと取れない」の誤解を、R8の一次資料からQ&Aで整理します。

続きを読む
2026年7月10日
夜診(18-20時)で時間外加算の特例は取れる?夜間・早朝等加算との違いを解説
診療報酬改定

夜診(18-20時)で時間外加算の特例は取れる?夜間・早朝等加算との違いを解説

平日18時から20時の夜診。標榜時間内なのに時間外加算の特例は取れるのか、救急当番日だけなのか。時間外特例医療機関の3類型と、一般の夜診クリニックの本命「夜間・早朝等加算」(週30時間以上・届出不要)の違いを、一次資料をもとにQ&A形式で解説します。

続きを読む
2026年7月7日
外来服薬支援料1と2は同じ月に両方算定できる?レセ分割・併算定の可否を解説
診療報酬改定

外来服薬支援料1と2は同じ月に両方算定できる?レセ分割・併算定の可否を解説

一包化指示の処方箋と持参薬を一緒に一包化したとき、外来服薬支援料1と2は同月に両方算定できるのか。レセプトを分ければ回避できるのか。区分14の2の通知と疑義解釈その1 問35をもとにQ&A形式で解説します。

続きを読む
2026年7月4日
ブログ一覧に戻る

Newsletter

ブログ更新をメールで受け取る

掲示義務・診療報酬改定の最新解説を、メールでお届けします。

購読すると確認メールが届きます。いつでも配信停止できます。

厚生労働大臣の定める掲示事項を自動で生成掲示ナビ

Author

HIRO

HIRO

医療系専門ライター

Threads

診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1なぜ「両方は取れないのでは」と不安になるのか
  2. 2Q1. 生活習慣病管理料の「包括」ルールとは? 何が取れなくなる?
  3. 3Q2. 地域包括診療加算は、生活習慣病管理料と同じ月に取れる?
  4. 4Q3. なぜ「加算」は包括されないのに算定できるの?
  5. 5Q4. 「地域包括診療料」なら同じ月に取れる? 名前が紛らわしい
  6. 6Q5. 逆に、生活習慣病管理料と「一緒に取れない」のはどれ?
  7. 7算定前のチェックリスト
  8. 8掲示義務との関係
  9. 9まとめ
  10. 10出典・参考

関連サービス

MediAuto|医療機関専用のホームページ制作。集患・採用・掲示義務対応まで、1サイトに揃えたオリジナルサイト

集患・採用・掲示義務対応まで、医療機関に必要なものを1サイトに揃える、医療機関専用のホームページ制作サービスです。1サイトごとに一から組み込むオリジナルサイトを制作します。

詳しくはこちら
シラセル|厚労省の通知・事務連絡を見落としていませんか。AIが毎日要約してアプリ・メール・プッシュで1日1通お届け

厚生労働省・PMDA・中医協などの一次情報の更新を監視し、見落としがちな通知・事務連絡をいち早くお知らせするサービスです。

詳しくはこちら
掲示ナビ

お問い合わせ

support@mail.keiji-navi.jp050-7107-5157

リンク

お知らせブログプレスリリース利用規約プライバシーポリシー特定商取引法に基づく表記

© 2026 掲示ナビ|運営 株式会社ウェルピポ

Category

すべての記事100施設基準69診療報酬改定66掲示義務33医療DX8保険外併用療養費6適時調査・指導2広告・Web戦略2経営2労働安全衛生1

Archive

2026年7月62026年6月242026年5月242026年4月46