外来服薬支援料1と2は同じ月に両方算定できる?レセ分割・併算定の可否を解説

一包化指示のある処方箋を持って来局した患者さんが、「他の薬局でもらった薬も一緒に一包化して」と持参薬を出された。外来服薬支援料は、処方箋の分が「2」、他薬局の持参薬の分が「1」。対象が違うのだから、レセプトを分ければ同じ月に両方算定できるのだろうか――窓口でそう手が止まった方は、少なくないはずです。
結論から言うと、一度の来局で処方箋薬と持参薬を「一緒に一包化」した1回の服薬支援では、外来服薬支援料1と2の両方は取れません。レセプトを2枚に分けても結論は変わりません。この記事では、なぜ両取りできないのか、算定単位や調剤技術料の扱いはどうなるのかを、一次資料と疑義解釈をもとにQ&A形式で整理します。
そもそも外来服薬支援料1と2は何が違う?
迷いの出発点は、1と2が「別の対象」に対する評価として作られていることにあります。
- 外来服薬支援料1:処方箋によらない、調剤済みの薬剤への支援。他の薬局で調剤された薬、保険医療機関で院内投薬された薬、患者さんが持参した服用中の薬などを、一包化や服薬カレンダーで整理する。
- 外来服薬支援料2:自局で受けた処方箋の薬を、処方箋受付ごとに一包化して服薬管理を支援する。
別々の業務に見えるからこそ、「それぞれの対象に対して、別のレセに分ければ両方立つのでは」と考えたくなります。ここが今回の論点です。
Q1. 処方箋薬と持参薬を一緒に一包化したら、1と2の両方を算定できる?
できません。これは質問とまったく同じケースを想定した疑義解釈(厚生労働省が示す運用上のQ&A)があります。
一包化指示のある処方箋と一緒に、他薬局で調剤された薬や院内投薬された薬を持参され、処方箋調剤の際にすべての薬剤を一包化して服薬支援した場合について、「他薬局・院内投薬の薬の一包化に対しては外来服薬支援料1、処方箋の一包化に対しては外来服薬支援料2を、それぞれ算定できるが、併算定不可」と明確に整理されています。つまり同じ1回の服薬支援の場面では、1か2のどちらか一方しか立ちません。
Q2. レセプトを2枚に分ければ、同じ月に両方取れる?
取れません。ここが誤解の生まれやすいところです。
両取りが禁じられているのは「同じ1回の服薬支援」に対して算定単位が競合するからであって、レセプトの枚数を分ければ回避できる、という話ではありません。レセを2枚に割っても、対象になっている服薬支援は一度の一包化という同一の行為です。分割は回避策になりません。切り分けに迷うケースを自己判断で別レセに割るのは、査定・返還のリスクにつながります。
Q3. 「両方取れない」の根拠はどこに書いてある?
留意事項通知(点数表の各項目の運用を厚生労働省が示す文書)に、はっきり書かれています。
調剤報酬点数表の区分14の2 外来服薬支援料2には、「処方箋受付1回につき1回算定できる」と定めたうえで、続けて「この場合において、外来服薬支援料1は算定できない」と明記されています。先ほどの疑義解釈(Q1)も、この規定を具体的なケースに当てはめたものです。通知本文と疑義解釈の両方が、同じ場面での1と2の併算定を否定しているわけです。
Q4. 調剤技術料は、1と2どちらで算定できる?
ここは1と2で扱いがはっきり分かれます。
- 外来服薬支援料2:当該処方箋の調剤に係る調剤技術料を同時に算定できる。処方箋受付に伴う支援なので、調剤基本料などと同じ場面で立ちます。
- 外来服薬支援料1:処方箋によらない調剤済みの薬剤への支援なので、一包化を行っても調剤基本料等の調剤技術料は算定できない。
処方箋に基づく一包化を通常は2で算定するのは、この対比が理由です。調剤技術料が付くかどうかで、どちらの料で立てるかを取り違えないようにします。調剤技術料そのものの区分は調剤基本料の区分と点数一覧で確認できます。
Q5. 算定単位(回数の数え方)はどう違う?
1と2は、算定の単位も異なります。
- 外来服薬支援料1:注1と注2を合わせて、服薬支援1回につき、月1回に限り算定。
- 外来服薬支援料2:処方箋受付ごとに算定(処方箋受付1回につき1回)。
「1は月1回・2は受付ごと」という単位の違いも、併算定の可否とあわせて押さえておくと、月内で複数回の来局があったときに数え違えません。
Q6. まったく別の機会なら、1と2それぞれ立つことはある?
あります。今回禁じられているのは、あくまで「一緒に一包化したこの1回の服薬支援」で1と2を両取りすることです。
たとえば別の日・別の患者など、まったく別の機会で、一方が外来服薬支援料1、他方が外来服薬支援料2として立つケースは、今回の併算定禁止の話とは別問題です。持参薬だけの服薬支援と、処方箋の一包化とが、それぞれ独立した機会で発生していれば、それぞれの要件を満たす限り別々に算定し得ます。判断が割れそうなときは、自己判断で別レセに割らず、所管の社会保険診療報酬支払基金・地方厚生局に確認するのが確実です。
算定前のチェックリスト
窓口で手が止まったとき、次の順で確認すると整理できます。
- 処方箋薬と持参薬を「一緒に一包化」した1回の服薬支援か → その1回では1か2のどちらか一方(処方箋に基づくなら通常は2)
- レセプトを別々に分けようとしていないか → 分けても1と2の併算定回避にはならない
- 調剤技術料を同時に立てたいか → それができるのは2の側(1は調剤技術料が付かない)
- 回数の数え方 → 1は月1回まで、2は処方箋受付ごと
- 切り分けに迷うケース → 支払基金・地方厚生局に確認
持参薬の残薬整理そのものの流れは調剤時残薬調整加算とは?やかかりつけ薬剤師の届出要件と掲示義務もあわせて確認すると、服薬管理まわりの整理がつきます。
薬局の掲示義務との関係
掲示ナビは医療機関・薬局のウェブサイト掲示義務に対応するサービスなので、掲示との関係も整理しておきます。
外来服薬支援料は、施設基準の届出を要する項目ではないため、この料そのものがウェブや院内の掲示対象になるわけではありません。一方で薬局には、調剤基本料の区分、地域支援体制、かかりつけ薬剤師など、別に掲示が求められる項目があります。届け出ているのに掲示にない、改定で内容が変わったのに古い掲示が残っている、というズレは適時調査や指導で指摘されやすいポイントです。薬局で何を掲示すべきかは薬局の施設基準 掲示例・見本集や薬局編 ウェブサイト掲示義務の掲示項目で全項目を確認できます。掲示ナビは厚生局への届出データを起点に掲示ページを自動生成するため、加算の出入りや改定があっても掲示内容が自動で追従し、この「届出と掲示の不整合」を構造的に防げます。
まとめ
外来服薬支援料1と2の併算定について、要点を整理します。
- 一度の来局で処方箋薬と持参薬を一緒に一包化した1回の服薬支援では、1と2は併算定できない(区分14の2の通知+疑義解釈 問35)
- レセプトを2枚に分けても結論は同じ。分割は回避策にならない
- 処方箋に基づく一包化は通常は2で算定(2は調剤技術料と同時算定できる/1は調剤技術料が付かない)
- 算定単位は、1が月1回まで、2が処方箋受付ごと
- まったく別の機会で1と2がそれぞれ立つのは、今回の併算定禁止とは別問題
窓口で迷ったら、「その1回の服薬支援に対して、どちらの料で立てるか」に立ち返ると整理できます。算定の入口を正確に押さえつつ、掲示物の管理のような本質ではない作業に時間を奪われないよう、仕組みに任せられるところは任せて、医療現場の時間を患者さんへの対応に取り戻していきましょう。
出典・参考
一次資料(厚生労働省・日本薬剤師会掲載)
- 厚生労働省保険局医療課「調剤報酬点数表に関する事項」(令和8年3月5日 保医発0305第6号 別添3)区分14の2 外来服薬支援料(外来服薬支援料2の2(2)「外来服薬支援料1は算定できない」、外来服薬支援料1の1(4)調剤技術料算定不可、2(9)調剤技術料の同時算定) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713883.pdf
- 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日 事務連絡)外来服薬支援料 問35(処方箋薬と持参薬を一緒に一包化した場合、1と2はそれぞれ算定できるが併算定不可) https://www.nichiyaku.or.jp/files/co/pharmacy-info/2022/doubtinterpretation0331-01.pdf




