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2026年4月8日 · MASA

地域包括診療料・地域包括診療加算とは?違い・施設基準・掲示義務をわかりやすく解説

地域包括診療料・地域包括診療加算とは?違い・施設基準・掲示義務をわかりやすく解説
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地域包括診療料と地域包括診療加算は、複数の慢性疾患を持つ患者に対するかかりつけ医機能を評価する点数です。名前が似ているため混同しやすいですが、点数体系や対象医療機関が異なります。

また、これらは

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の前提要件にもなっており、かかりつけ医機能の体制整備を検討する際に理解しておくべき重要な制度です。

この記事では、地域包括診療料と地域包括診療加算の違い、施設基準の要件、掲示義務の内容を、比較表や文例つきでわかりやすく解説します。

目次

  1. 地域包括診療料・地域包括診療加算とは
  2. 地域包括診療「料」と「加算」の違い
  3. 施設基準の要件
  4. 届出の手続き
  5. 掲示義務の内容と掲示例
  6. 機能強化加算との関係
  7. まとめ

地域包括診療料・地域包括診療加算とは

地域包括診療料・地域包括診療加算は、複数の慢性疾患を有する患者に対して、継続的かつ全人的な医療を提供するかかりつけ医を評価する制度です。

対象疾患(6疾患)

以下の6疾患のうち、2つ以上(疑いは除く)を有する外来患者が対象です。

  • 高血圧症
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 慢性心不全(2024年改定で追加)
  • 慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていないものに限る。2024年改定で追加)
  • 認知症

2022年度(令和4年度)改定で、従来の4疾患(高血圧症・糖尿病・脂質異常症・認知症)に慢性心不全と慢性腎臓病が追加され、現在の6疾患に拡大されています。

患者の同意

算定にあたっては、初回算定時に患者の署名付きの同意書を作成し、診療録に添付する必要があります。

地域包括診療「料」と「加算」の違い

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項目地域包括診療料地域包括診療加算
点数(1)1,660点28点
点数(2)1,600点21点
算定タイミング月1回再診時(再診料に加算)
対象医療機関200床未満の病院又は診療所診療所のみ
包括範囲薬剤料・処方料・処方箋料等を包括包括なし(再診料への加算のみ)
対象患者6疾患のうち2つ以上6疾患のうち2つ以上

どちらを選ぶべきか:

  • 地域包括診療料は高点数ですが、薬剤料等が包括されるため、処方内容によっては不利になる場合があります
  • 地域包括診療加算は再診料への上乗せのみで、薬剤料等は別途算定できるため、多くの診療所ではこちらが取り組みやすいとされています

施設基準の要件

共通の施設基準

地域包括診療料・地域包括診療加算に共通する要件は以下の通りです。

研修要件(2年ごとに20時間):

  • 担当医が、高血圧症・糖尿病・脂質異常症・認知症を含む複数の慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了していること
  • 研修内容は、服薬管理・健康相談・介護保険・禁煙指導・在宅医療等の主治医機能に関する内容が含まれること
  • 2年間で通算20時間以上の研修が必要
  • 初回届出後、2年ごとに研修実績の届出が必要(届出がなければ届出が取り消される)

28日以上投薬・リフィル処方箋に関する掲示:

  • 患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを院内の見やすい場所に掲示していること

その他の共通要件:

  • 当該患者に処方されている全ての医薬品を管理し、カルテに記載すること
  • 健康相談・予防接種に関する相談に応じること
  • 介護保険制度の主治医意見書を作成していること(または在宅医療の提供実績があること)
  • 院内処方を行うこと(院外処方のみの場合は、24時間対応の薬局と連携が必要)

地域包括診療加算1と2の違い

要件加算1(28点)加算2(21点)
在宅実績在支診10人以上 / その他3人以上不要
時間外対応往診・訪問診療の体制確保24時間の連絡体制確保
対象診療所のみ診療所のみ

加算1は在宅実績が必要なため、在宅医療を積極的に行っている診療所向けです。加算2は在宅実績は不要ですが、24時間の連絡体制が必要です。

時間外の対応体制については

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も参考にしてください。

地域包括診療料1と2の違い

要件診療料1(1,660点)診療料2(1,600点)
在宅実績在支診10人以上 / その他3人以上不要
時間外対応往診・訪問診療の体制確保24時間の連絡体制確保
対象200床未満の病院又は診療所200床未満の病院又は診療所

診療料も加算と同様に、1は在宅実績、2は24時間連絡体制がそれぞれの特徴です。

届出の手続き

届出先

管轄の地方厚生(支)局に届け出ます。

届出に必要な書類

届出様式は、厚生労働省の地方厚生局ホームページからダウンロードできます。

研修実績の届出(2年ごと)

初回の届出後、2年ごとに研修実績の届出が必要です。届出を行わない場合、届出が取り消しとなり、再度の届出が必要になります。研修実績の届出時期については、管轄の厚生局の案内を確認してください。

掲示義務の内容と掲示例

地域包括診療料・地域包括診療加算を算定する医療機関は、以下の内容を院内に掲示する必要があります。

掲示義務の全体像については

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厚生労働大臣が定める掲示事項の全体像を医科・歯科・薬局別に解説。令和6年度改定でウェブサイト掲載が義務化された背景や、対応していない場合のリスクについても説明します。

で詳しくまとめています。

掲示が必要な内容

患者の状態に応じ、以下の対応が可能であることを院内の見やすい場所に掲示します。

  • 28日以上の長期の投薬を行うことが可能であること
  • リフィル処方箋を交付することが可能であること
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と同じ掲示要件です。疑義解釈では、長期投薬とリフィル処方箋交付の「いずれの対応も可能であること」を掲示する必要があると明確化されています。

ウェブサイトへの掲載

院内掲示事項については、2025年5月31日で経過措置が終了し、ウェブサイトへの掲載が必須となりました。具体的な対応方法は

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で解説しています。

掲載すべき項目の一覧は

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医科・歯科のウェブサイト掲示義務の具体的な掲示項目を一覧で整理。全施設共通の5カテゴリー、選定療養12項目、施設基準ごとの掲示要件を網羅しています。

で確認できます。

院内掲示の文例

以下は、そのまま利用できる掲示文例です。

地域包括診療料(地域包括診療加算)に係るお知らせ

当院では、複数の慢性疾患をお持ちの患者様に対して、継続的かつ全人的な診療を行っています。

患者様の状態に応じ、以下の対応が可能です。

  • 28日以上の長期の投薬を行うこと
  • リフィル処方箋を交付すること

上記について、ご希望がございましたらお気軽に医師・スタッフにご相談ください。

○○クリニック(○○病院)

機能強化加算との関係

地域包括診療料・地域包括診療加算は、機能強化加算(80点)の前提要件の一つです。

機能強化加算を算定するには、地域包括診療加算1・2、地域包括診療料1・2のいずれかの届出が必要です(その他にも在宅系・小児系の要件でも算定可能)。

つまり、地域包括診療加算を届け出ることで、機能強化加算の算定にもつながります。例えば、地域包括診療加算2(21点)を届け出て算定実績3人以上があれば、機能強化加算(80点)の届出要件を満たすことができます。

機能強化加算の詳細は

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をご覧ください。

まとめ

地域包括診療料・地域包括診療加算は、複数の慢性疾患を持つ患者に対するかかりつけ医機能を評価する制度です。

押さえておくべきポイントは以下の通りです。

  • 地域包括診療料は200床未満の病院又は診療所、加算は診療所のみが対象
  • 対象疾患は6疾患(2022年改定で慢性心不全・慢性腎臓病が追加)のうち2つ以上
  • 担当医は2年ごとに20時間の研修を修了する必要がある
  • 28日以上の長期投薬・リフィル処方箋対応可であることを院内に掲示する
  • 2025年6月からウェブサイトへの掲載が義務化された
  • 機能強化加算の前提要件の一つでもある

掲示義務のWeb対応についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

適時調査では掲示義務の不備が指摘されやすいため、

適時調査チェックリスト|当日までに準備すべきこと完全版

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で事前に確認しておくことをおすすめします。

参考資料

  • 令和6年度診療報酬改定の概要(全体版)(PDF) — 厚生労働省保険局医療課
  • 令和6年度診療報酬改定の概要(外来)(PDF) — 厚生労働省保険局医療課
  • 基本診療料の施設基準等に係る届出書・届出様式(令和6年度) — 関東信越厚生局
  • 地域包括診療加算及び地域包括診療料の施設基準に係る研修実績の届出について — 近畿厚生局
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HIRO

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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1地域包括診療料・地域包括診療加算とは
  2. 2地域包括診療「料」と「加算」の違い
  3. 3施設基準の要件
  4. 4届出の手続き
  5. 5掲示義務の内容と掲示例
  6. 6機能強化加算との関係
  7. 7まとめ

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