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2026年8月19日 · HIRO

【令和8年10月施行】病床機能「回復期→包括期」に変更|地域医療構想の省令改正

【令和8年10月施行】病床機能「回復期→包括期」に変更|地域医療構想の省令改正
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病床を持つ医療機関にとって、令和8年の秋は制度面で大きな節目になります。厚生労働省は令和8年7月31日、地域医療構想に関する医療法施行規則などの改正省令を公布しました。目玉は2つ。ひとつは病床機能報告の区分で「回復期機能」が「包括期機能」へと名前と中身を変えること。もうひとつは、病院・有床診療所が担う役割を示す「医療機関機能」の報告が5つの区分で新しく始まることです。しかも、この部分の施行は令和8年10月1日と目前に迫っています。この記事では、何が公布されたのか、いつから何が変わるのか、令和8年度改定で新設された「包括期」の加算とどうつながるのかを、一次資料で整理します。

目次

  1. 何が公布されたのか ― 地域医療構想の省令改正が令和8年7月31日に公布
  2. 病床機能報告の「回復期機能」が「包括期機能」に変わる
  3. 新設される「医療機関機能」報告の5区分
  4. いつから何が変わるのか ― 令和8年10月1日と令和9年4月1日で施行が分かれる
  5. 令和8年度改定の「包括期」加算とのつながり
  6. 掲示・施設基準の整合性も見直す好機
  7. まとめ ― 令和8年10月1日施行で押さえる要点
  8. 出典・参考

何が公布されたのか ― 地域医療構想の省令改正が令和8年7月31日に公布

厚生労働省医政局長は令和8年7月31日付で「医療法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令の公布について(地域医療構想関係)」(医政発0731第3号)を発出しました。あわせて、その中身である整備省令(令和8年厚生労働省令第119号)が同日公布されています。

これは、令和7年に成立した「医療法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第87号)の施行に伴うものです。地域における医療機関の機能分化・連携を進める「新たな地域医療構想」の枠組みを、医療法施行規則などのレベルで具体化する改正です。地域医療構想とは、都道府県が地域ごとの人口動態や医療需要を見通して、必要な病床の機能と量を整えていくための計画のことです。今回の改正は、その計画を新しい形で回していくための土台づくりだと考えるとわかりやすいはずです。

改正はいくつかのパートに分かれ、施行日も分かれています。とくに医療機関側が早めに把握しておきたいのは、令和8年10月1日から施行される部分です。

病床機能報告の「回復期機能」が「包括期機能」に変わる

まず押さえたいのが、病床機能報告の区分の変更です。病床機能報告は、一般病床・療養病床を持つ医療機関が、自院の各病棟がどの機能を担っているかを都道府県へ報告する制度で、これまで「高度急性期機能」「急性期機能」「回復期機能」「慢性期機能」の4区分でした。今回の改正で、このうち「回復期機能」が「包括期機能」に変更されます。

包括期機能は、単なる名称変更ではありません。省令では、高齢者などに対して治療と入院早期からのリハビリテーション、早期の在宅復帰に向けた療養上の管理・支援を一体的に行うもの、または急性期を経過した患者に在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供するもの(急性期を経過した脳血管疾患・大腿骨頸部骨折などの患者に、日常生活動作の向上と在宅復帰を目的とした集中的なリハビリテーションを行うものを含む)と定義されました。従来の回復期機能より、高齢者救急を受け止めて在宅につなぐ役割が明確に打ち出された形です。

ここで注意したいのは、この「包括期機能」は病床機能報告制度上の区分だという点です。診療報酬でいう回復期リハビリテーション病棟入院料そのものが廃止・改称されるわけではありません。報告制度の機能区分と、診療報酬の病棟の種類は別の枠組みなので、混同しないようにしておきましょう。

新設される「医療機関機能」報告の5区分

もうひとつの目玉が、「医療機関機能」の報告です。これまでの病床機能報告が「病棟ごとの機能」を報告するものだったのに対し、医療機関機能は「その医療機関が地域で担う役割」を報告するものです。療養病床・一般病床を有する病院・診療所の管理者が報告することとされ、省令では次の5区分が規定されました。

まず「高齢者救急・地域急性期機能」。高齢者などに救急医療を提供しつつ、入院早期からのリハビリテーションと退院支援、退院後のリハビリや介護サービスへの連携までを担う機能です。次に「急性期拠点機能」。手術や救急医療など、医療資源を多く要する医療を地域で集約的に提供する機能です。3つ目が「在宅医療等連携機能」。地域の在宅医療を提供し、あるいは他の病院・診療所・訪問看護ステーション・介護サービス事業者などと連携して、患者が住み慣れた地域で暮らせるよう支える機能です。4つ目が「専門等機能」。集中的なリハビリテーションや中長期の入院医療、地域の実情に応じた医療(有床診療所が提供するものに限る)、あるいは一部の診療科に特化した医療を提供する機能です。最後が「医育及び広域診療機能」。医師養成課程を持つ大学病院のうち主たるものが担う、医師確保や人材育成、広域的な診療を総合的に提供する機能です。

自院がどの機能に手を挙げるかは、地域医療構想調整会議での協議とも結びつきます。報告した機能が協議で調ったものと異なる場合や、実態と著しく乖離している場合には、都道府県知事が報告内容の変更を求められる仕組みも設けられました。

いつから何が変わるのか ― 令和8年10月1日と令和9年4月1日で施行が分かれる

施行日は2段階に分かれています。今回の目玉である医療機関機能等の報告や病床機能区分の変更(省令の第1条関係)は、令和8年10月1日から施行されます。一方、病床の設置・増床の許可申請で求められる書面の記載事項、構想区域の基準、将来の病床数の必要量の算定方法、地域医療構想調整会議の参加者などに関する部分(第2条・第3条関係)は、令和9年4月1日からの施行です。

将来の病床数の必要量については、令和22年(2040年)の推計人口をもとに算定する方法が定められました。一般病床の医療資源投入量(1日あたりの出来高換算点数)で、高度急性期機能は3000点以上、急性期機能は600点以上3000点未満、包括期機能は600点未満の医療または主にリハビリテーションを受ける患者、といった目安で区分する考え方です。地域ごとに、どの機能の病床がどれだけ必要かを見通していく、その物差しが更新されたことになります。

まずは令和8年10月1日施行の報告関係が直近の論点です。自院がどの医療機関機能を担うのか、各病棟の機能区分を新しい定義でどう報告するのかを、早めに整理しておくのが確実です。

令和8年度改定の「包括期」加算とのつながり

病床機能報告で「包括期機能」という言葉が正式に登場したことは、診療報酬の動きとも重なります。高齢者救急を受け止めて在宅復帰につなぐ病棟を評価する流れは、令和6年度改定で地域包括医療病棟入院料が創設されたところから始まり、令和8年度改定ではその入院料が再編されるとともに、包括期充実体制加算が新たに設けられました。制度としては地域医療構想(医療法)と診療報酬は別物ですが、「急性期を経過した高齢者を、リハビリと在宅復帰でしっかり支える」という政策の方向性は共通しています。

自院が包括期機能を担うと位置づけるなら、診療報酬側でどの入院料・加算を算定するのかもあわせて考えることになります。令和8年度改定で新設された枠組みは

包括期充実体制加算とは?2026年6月新設の施設基準・点数・掲示義務を解説

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令和8年度(2026年度)診療報酬改定で新設された「包括期充実体制加算」は、地域包括医療病棟入院料または地域包括ケア病棟入院料を算定する200床未満の病院が、高齢者救急と在宅・介護施設の後方支援を担う体制と実績を評価する新加算です。1日80点、入院日から14日を限度に算定でき、2026年6月1日から施行されました。

にまとめています。回復期リハビリテーション病棟の運用の変化は

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R8 改定で新設された回復期リハ強化体制加算(80点)の3要件、退院前訪問指導料の2回算定化、9/30 経過措置(実績指数のみ対象)、退棟患者数・実績指数のウェブサイト公表要件化、Web 掲示義務の更新範囲を、事務長・リハ責任者向けに整理。日慢協・橋本会長 5/21 提言『回復期リハビリテーションシステム』の射程と現行制度との境界線も明示します。

、病院の経営環境の全体像は

2026年2月の病院患者数はコロナ前未回復、新地域医療構想と再編・集約化議論にどう向き合うか

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2026年5月19日公表の厚労省「病院報告(令和8年2月分概数)」によれば、外来患者数はコロナ前比12.8%減・入院は8.3%減で未回復のまま定常化。一方、2028年度までに全病院が機能を決め、急性期は人口20〜30万人に1か所へ集約する「新地域医療構想」が動き出している。直近の数字と中長期方針を結び、届出と掲示の整合性まで踏み込んで解説。

で触れています。

掲示・施設基準の整合性も見直す好機

今回の改正は地域医療構想という医療提供体制の話で、院内掲示やWeb掲示に直接関わるものではありません。ただ、自院が担う機能や各病棟の機能区分をあらためて棚卸しするこのタイミングは、届け出ている施設基準と、患者向けに掲示している内容がそろっているかを見直す機会にもなります。

令和6年度改定で原則義務化されたWeb掲示義務(自院のホームページを持つ医療機関が、院内掲示事項をウェブサイトにも掲載する義務)のもとでは、届出と掲示の内容が食い違っていると、適時調査や個別指導で指摘の対象になり得ます。令和8年度改定で入院料や加算が再編されたいまは、掲示が古い加算名のままだったり、新しく取った加算が掲示に反映されていなかったりするずれが起きやすい時期です。病院の掲示項目の整理は

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にまとめています。掲示ナビは、厚生局への届出データを起点に掲示ページを整えるしくみなので、加算の出入りや改定に掲示内容が自動で追従します。機能や施設基準を点検する流れのなかで、掲示物までそろっているかを仕組み側にまかせておけば、点検の手間を減らせます。

まとめ ― 令和8年10月1日施行で押さえる要点

令和8年7月31日に公布された地域医療構想の省令改正(医政発0731第3号、整備省令=令和8年厚生労働省令第119号)で、病床を持つ医療機関に関わる制度が動きます。

押さえておく要点は3つです。まず、病床機能報告の「回復期機能」が「包括期機能」に変わり、高齢者救急を受け止めて在宅復帰につなぐ役割が明確になったこと。ただしこれは報告制度上の区分で、診療報酬の回復期リハビリテーション病棟入院料そのものの改称ではないこと。次に、病院・有床診療所の管理者が担う役割を示す「医療機関機能」の報告が、高齢者救急・地域急性期/急性期拠点/在宅医療等連携/専門等/医育及び広域診療の5区分で新しく始まること。そして、これらの報告関係は令和8年10月1日施行と目前で、病床許可の申請書面や将来病床数の算定などは令和9年4月1日施行と、施行時期が分かれていること。この3点を押さえ、自院がどの機能を担うのかを早めに整理しておけば、慌てずに対応できます。あわせて、届出と院内・Web掲示の内容がそろっているかも点検しておくと安心です。

出典・参考

一次資料(厚生労働省・厚生局・支払基金 等)

  • 厚生労働省医政局長「医療法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令の公布について(地域医療構想関係)」(令和8年7月31日 医政発0731第3号) https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260803G0050.pdf
  • 厚生労働省「新たな地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」資料(新たな地域医療構想策定ガイドライン) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001613447.pdf
  • 厚生労働省「新着の通知」(令和8年度、医政局) https://www.mhlw.go.jp/hourei/new/tsuchi/newindex.html

二次資料(業界誌・専門サイト 等)

  • ナース専科「『医療機関機能』の機能報告を追加へ――新たな地域医療構想」 https://knowledge.nurse-senka.jp/501028
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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1何が公布されたのか ― 地域医療構想の省令改正が令和8年7月31日に公布
  2. 2病床機能報告の「回復期機能」が「包括期機能」に変わる
  3. 3新設される「医療機関機能」報告の5区分
  4. 4いつから何が変わるのか ― 令和8年10月1日と令和9年4月1日で施行が分かれる
  5. 5令和8年度改定の「包括期」加算とのつながり
  6. 6掲示・施設基準の整合性も見直す好機
  7. 7まとめ ― 令和8年10月1日施行で押さえる要点
  8. 8出典・参考

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