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2026年8月25日 · HIRO

【令和8年9月まで】電子処方箋の導入補助、対象期限が延長|診療所・薬局の補助額と申請

【令和8年9月まで】電子処方箋の導入補助、対象期限が延長|診療所・薬局の補助額と申請
# 電子処方箋# 診療所# 薬局# 医療DX# オンライン資格確認

電子処方箋の導入を「そのうち」と後回しにしてきたクリニックや薬局にとって、令和8年の夏は判断の節目です。電子処方箋の導入費用を支える国の補助について、補助対象となる導入期限が令和8年9月までに延長されています。裏を返せば、この期限を過ぎると導入時の補助が受けにくくなるということです。この記事では、電子処方箋の補助の枠組み、令和8年9月までという期限の意味、施設区分ごとの補助額、そして「義務なのか」という誤解しやすい点まで、一次資料で整理します。

目次

  1. 何が起きているのか ― 電子処方箋の導入補助、対象期限が令和8年9月まで
  2. 電子処方箋とは ― 義務ではなく「普及促進」の段階
  3. 施設区分ごとの補助額 ― 診療所・薬局は事業額の2分の1
  4. 申請の窓口 ― 国(支払基金)への申請が本体
  5. 導入率の現状 ― 薬局は8割超、医科・歯科の診療所はこれから
  6. 掲示との関係 ― 医療DXの取り組みは院内・Web掲示にも関わる
  7. まとめ ― 令和8年9月までに押さえる要点
  8. 出典・参考

何が起きているのか ― 電子処方箋の導入補助、対象期限が令和8年9月まで

電子処方箋の導入費用については、医療情報化支援基金(ICT基金)による補助が設けられています。厚生労働省医薬局総務課の事務連絡(令和7年10月2日)では、この補助について「補助対象とする導入期限を令和8年9月まで延長した上で、令和7年10月以降に導入した施設に対しても補助を実施する」とされました。

つまり、令和7年10月以降に電子処方箋を導入した施設も補助の対象とし、その導入期限を令和8年9月まで延ばした、という整理です。ここでいう「導入期限」は、電子処方箋管理サービスの導入・運用開始のタイミングを指します。逆にいえば、令和8年9月までに導入まで進めておくことが、補助を受けるうえでの目安になります。とくに薬局については、事務連絡で「令和8年9月までの延長を最後とし、未導入薬局に対しては導入期限までの導入を促していく」とされており、この期限が一区切りとして位置づけられています。

電子処方箋とは ― 義務ではなく「普及促進」の段階

前提として押さえておきたいのが、電子処方箋の制度上の位置づけです。電子処方箋は、紙の処方箋に代えて処方情報を電子的にやり取りするしくみで、複数の医療機関・薬局にまたがる薬の重複や飲み合わせのチェックに役立ちます。

ここで誤解しやすいのが「義務かどうか」です。医療機関に義務化されているのはオンライン資格確認(マイナ保険証の利用に必要な資格確認のしくみ)であって、電子処方箋そのものは、現時点では義務ではなく普及を促す段階にあります。厚生労働省の電子処方箋推進会議の資料でも、電子処方箋は概ね全国の医療機関・薬局への普及を目指す「目標」として掲げられ、導入を「要請」する表現が使われています。導入を後押しするしくみとして、費用面の補助に加えて、診療報酬の医療DX推進体制整備加算といったインセンティブも用意されています。「義務だから急いで入れる」のではなく、「補助が手厚いうちに、自院の判断で入れる」と捉えるのが正確です。

施設区分ごとの補助額 ― 診療所・薬局は事業額の2分の1

補助額は施設の区分によって異なります。厚生労働省の事務連絡別添では、令和7年10月以降の導入分について、区分ごとの補助上限額と補助率が示されています。院外処方機能(基本機能+追加機能)を導入する場合の主な区分は次のとおりです。

診療所は、事業額の上限を54.2万円として補助率2分の1、補助上限は27.1万円です。歯科診療所もこの「診療所」区分に含まれます。薬局は、事業額の上限55.3万円で補助率2分の1、補助上限27.7万円。病院は補助率3分の1で補助上限135.3万円、200床以上の大規模病院は補助率3分の1で補助上限200.7万円、月4万回以上を受け付ける大型チェーン薬局は補助率4分の1で補助上限13.8万円とされています。

今回の延長では、従来の院外処方機能に加えて院内処方機能も補助対象に追加されました。院内処方情報を電子処方箋管理サービスへ登録する部分についても補助の対象となり、院内処方機能まで導入する場合は補助上限が上乗せされます(診療所で補助上限35.9万円など)。院内処方が中心の診療所にとっても、補助を使いやすくなった形です。

申請の窓口 ― 国(支払基金)への申請が本体

補助金の申請は、社会保険診療報酬支払基金への申請が本体です。手続きは、医療機関等向け総合ポータルサイト上で行います。従来は都道府県が独自に上乗せの補助事業(電子処方箋の活用・普及促進事業)を実施していた地域もありましたが、多くの都道府県では令和7年9月末の導入分をもって事業を終了しており、令和8年度に新たな上乗せ補助を予定していない旨を案内しています。令和7年10月以降の延長分は、国(支払基金=ポータル)を通じた補助が主軸になります。

申請の締切など細かな期限は、医療機関等向け総合ポータルサイトで案内されています。導入を進める際は、導入(運用開始)を令和8年9月までに済ませることを目安にしつつ、補助金の申請手続きと締切は必ずポータルサイトの最新の案内で確認してください。過去の都道府県事業の締切をそのまま今の締切と思い込まないことが大切です。

導入率の現状 ― 薬局は8割超、医科・歯科の診療所はこれから

導入がどこまで進んでいるかも見ておきましょう。厚生労働省の電子処方箋推進会議の資料(令和7年9月21日時点)によると、電子処方箋の運用開始率は、薬局が85.5%に達している一方、病院は15.3%、医科診療所は22.1%、歯科診療所は6.1%にとどまっています。

薬局が先行し、医療機関側、とりわけ診療所や歯科の導入がこれからという状況です。処方箋を出す側の医療機関が導入して初めて、地域全体で電子処方箋のメリット(重複投薬や併用禁忌のチェックなど)が生きてきます。補助対象の導入期限が令和8年9月までとされたいまは、まだ導入していない診療所・歯科にとって、費用補助を使って踏み出しやすいタイミングだといえます。

掲示との関係 ― 医療DXの取り組みは院内・Web掲示にも関わる

電子処方箋の導入は、掲示の面ともつながります。電子処方箋やオンライン資格確認といった医療DXの体制は、診療報酬の医療DX推進体制整備加算などで評価されており、これらの加算を算定する場合には、医療DX推進の体制に関する事項などを院内に掲示し、あわせてウェブサイトにも掲載することが求められます。

令和6年度改定で原則義務化されたWeb掲示義務(自院のホームページを持つ医療機関が、院内掲示事項をウェブサイトにも掲載する義務)のもとでは、届け出ている加算と掲示している内容が食い違っていると、適時調査や個別指導で指摘の対象になり得ます。電子処方箋を導入して関連加算を算定するなら、その体制を院内掲示とWeb掲示の両方でそろえておくことが大切です。医療DX関連の掲示のポイントは

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にまとめています。掲示ナビは、厚生局への届出データを起点に掲示ページを整えるしくみなので、加算の出入りや改定に掲示内容が自動で追従し、院内とWebの内容を一致させておけます。

まとめ ― 令和8年9月までに押さえる要点

電子処方箋の導入費用を支える国の補助について、補助対象となる導入期限が令和8年9月まで延長されています。令和7年10月以降の導入分も対象で、薬局についてはこの延長を一区切りと位置づける案内が出ています。

押さえておく要点は3つです。まず、電子処方箋は義務ではなく普及促進の段階で、義務化されているのはオンライン資格確認だということ。次に、補助は施設区分で異なり、診療所・薬局は事業額の2分の1(診療所の補助上限27.1万円など)で、令和7年10月以降は院内処方機能も対象に加わったこと。そして、申請の本体は国(支払基金=医療機関等向け総合ポータル)で、導入は令和8年9月までを目安に、申請の締切はポータルの最新案内で必ず確認すること。この3点を押さえ、まだ導入していない診療所・歯科は、補助が手厚いうちに検討を進めるのが得策です。あわせて、導入して関連加算を算定するなら、院内・Web掲示の内容もそろえておくと安心です。

出典・参考

一次資料(厚生労働省・厚生局・支払基金 等)

  • 厚生労働省医薬局総務課 事務連絡「令和7年10月以降の電子処方箋の導入補助について」(令和7年10月2日、補助対象の導入期限・施設区分別の補助上限額と補助率) https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2025/251003_1.pdf
  • 厚生労働省「第5回電子処方箋推進会議 資料1 電子処方箋の普及・活用拡大に向けた対応状況」(令和7年9月29日、運用開始率・普及方針) https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001569995.pdf
  • 厚生労働省「電子処方箋」特設ページ(導入状況ダッシュボード・最新データ) https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html

二次資料(業界誌・専門サイト 等)

  • 神奈川県「電子処方箋の活用・普及促進事業について」(都道府県事業の終了・国ルートの案内) https://www.pref.kanagawa.jp/docs/n3x/denshishohousen/denshishohousen.html
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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1何が起きているのか ― 電子処方箋の導入補助、対象期限が令和8年9月まで
  2. 2電子処方箋とは ― 義務ではなく「普及促進」の段階
  3. 3施設区分ごとの補助額 ― 診療所・薬局は事業額の2分の1
  4. 4申請の窓口 ― 国(支払基金)への申請が本体
  5. 5導入率の現状 ― 薬局は8割超、医科・歯科の診療所はこれから
  6. 6掲示との関係 ― 医療DXの取り組みは院内・Web掲示にも関わる
  7. 7まとめ ― 令和8年9月までに押さえる要点
  8. 8出典・参考

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