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施設基準医療DX診療報酬改定
2026年5月31日 · HIRO

医療情報取得加算とは?点数・算定要件と2026年6月の廃止・後継加算を解説

医療情報取得加算とは?点数・算定要件と2026年6月の廃止・後継加算を解説
# 電子的診療情報連携体制整備加算# オンライン資格確認# マイナ保険証# 掲示義務# 2026年度改定

「医療情報取得加算」は、オンライン資格確認やマイナ保険証で取得した診療情報を活用する体制を評価する加算として、多くの医療機関・薬局が日常的に算定してきました。一方で、この加算は令和8年度(2026年)診療報酬改定をもって廃止されます。

この記事では、医療情報取得加算とは何かを点数・算定要件・施設基準・掲示義務まで整理したうえで、2026年6月1日からどう変わるのか(後継となる「電子的診療情報連携体制整備加算」への移行)を、医科・歯科・薬局それぞれの目線でわかりやすく解説します。

目次

  1. 医療情報取得加算とは
  2. 医療情報取得加算の点数の変遷
  3. 医療情報取得加算の算定要件
  4. 医療情報取得加算の施設基準と掲示義務
  5. 【2026年6月】医療情報取得加算は廃止|電子的診療情報連携体制整備加算へ
  6. 後継「電子的診療情報連携体制整備加算」で何が変わる
  7. 医療情報取得加算のよくある誤解・注意点
  8. まとめ
  9. 出典・参考

医療情報取得加算とは

医療情報取得加算とは、オンライン資格確認等システムを通じて取得した患者の受診歴・薬剤情報・特定健診情報などを活用し、質の高い医療を提供する体制を評価する加算です。令和6年度(2024年)診療報酬改定で新設され、2024年6月1日から算定が始まりました。

それまで同様の役割を担っていた「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」を見直す形で再編されたもので、さらにさかのぼると令和4年度改定の「電子的保健医療情報活用加算」にルーツがあります。オンライン資格確認が2023年4月から原則義務化された流れのなかで、名称と点数が段階的に組み替えられてきた加算です。

ポイントを先にまとめます。

  • 新設:2024年6月(令和6年度改定)
  • 対象:医科・歯科・薬局のすべて
  • 目的:オンライン資格確認で得た診療情報の活用を評価
  • 2026年6月1日(令和8年度改定)で廃止(医科・歯科は電子的診療情報連携体制整備加算へ/薬局は廃止のみ)

「いま算定しているのに無くなるのか」と戸惑う場面が増えると見られるため、本記事では現行の仕組みと、廃止後の取り扱いの両方を押さえます。

医療情報取得加算の点数の変遷

医療情報取得加算は、新設からわずか半年で点数構成が大きく見直されています。経緯を知っておくと、廃止後の理解もスムーズです。

医療情報取得加算の点数の変遷タイムライン(2024年6月新設・2024年12月一律1点・2026年6月廃止)

新設時(2024年6月〜11月):4区分

新設当初は、マイナ保険証で情報を取得したかどうかで点数に差をつける4区分でした。

区分場面点数算定頻度
医療情報取得加算1初診3点月1回
医療情報取得加算2初診1点月1回
医療情報取得加算3再診2点3月に1回
医療情報取得加算4再診1点3月に1回

マイナ保険証で診療情報を取得した場合(加算2・4)のほうが点数が低い設計で、マイナ保険証の利用を促す狙いがありました。薬局でも調剤管理料の加算として、6月に1回、加算1=3点・加算2=1点という形で設定されていました。

2024年12月〜:一律1点へ簡素化(これが廃止前の現行点数)

健康保険証の新規発行が2024年12月2日で終了したことを踏まえ、マイナ保険証の利用有無による点数差が撤廃され、区分のない一律の点数に簡素化されました。

場面点数算定頻度
初診1点月1回
再診(外来診療料を含む)1点3月に1回
薬局(調剤管理料の加算)1点12月(1年)に1回

これが、2026年5月末まで運用されている「現行」の医療情報取得加算です。

医療情報取得加算の算定要件

現行(2024年12月以降)の算定要件は、次のとおりです。

  • 初診時:月1回に限り算定
  • 再診時(外来診療料を含む):3月に1回に限り算定
  • 薬局:1年(12月)に1回に限り算定
  • 施設基準を満たす保険医療機関・薬局で、必要な診療情報を取得したうえで診療・調剤を行うこと

2024年12月以降は、マイナ保険証で情報を取得したかどうかにかかわらず点数は同じです。算定頻度が「初診は毎月」「再診は3か月に1度」と異なる点が、レセプト上の取り違えが起きやすい箇所でした。

医療情報取得加算の施設基準と掲示義務

医療情報取得加算には、次のような体制が施設基準として求められてきました。

  • 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求(オンライン請求)を行っていること
  • オンライン資格確認(電子資格確認)を行う体制を有していること
  • 取得した受診歴・薬剤情報・特定健診情報等を活用して診療・調剤を行うこと
  • これらに関する事項を、院内の見やすい場所およびウェブサイトに掲示していること

注目したいのは、最後の掲示です。医療情報取得加算では、院内掲示だけでなく自院ホームページ(ウェブサイト)への掲載が施設基準に組み込まれています。掲示する内容は、おおむね「オンライン資格確認の体制を有していること」「取得した診療情報を活用して質の高い医療を提供していること」という趣旨です。

院内掲示とウェブサイト掲示の両方で、同じ内容を整合させて掲げておく必要があります。届け出ている体制と掲示の内容がずれていると、適時調査や個別指導で指摘されるリスクにつながります。

院内掲示とウェブサイト掲示は同じ内容にそろえる|届出と掲示を一致させる

なお、医療機関・薬局のウェブサイト掲示は、この加算固有のルールとは別に、診療報酬の掲示事項全般を原則ウェブサイトにも掲載する義務として制度化されています(根拠:保医発0327第10号、令和6年3月27日)。経過措置は2025年5月31日までで、2025年6月1日から本格的に義務化されました。掲示義務の全体像は

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ウェブサイト掲示義務の法的根拠、2つの柱の構造、包括規定の重要性、経過措置の終了、対象施設、掲載方法まで、制度の全体像をわかりやすく解説します。

で詳しく解説しています。

【2026年6月】医療情報取得加算は廃止|電子的診療情報連携体制整備加算へ

ここが本記事の最重要ポイントです。医療情報取得加算は、令和8年度(2026年)診療報酬改定で廃止されます。施行は2026年6月1日です。

令和8年度の個別改定項目では、「医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算を廃止し、(中略)電子的診療情報連携体制整備加算を新設する」と明記されています。薬局についても「調剤報酬における医療情報取得加算を廃止する」とされています。

つまり、これまで別々に存在していた「医療情報取得加算」と「医療DX推進体制整備加算」が整理され、医科・歯科では電子的診療情報連携体制整備加算(歯科は電子的歯科診療情報連携体制整備加算)に統合される形です。薬局の医療情報取得加算は廃止され、同名の後継加算はありません(薬局では別系統として、医療DX推進体制整備加算が電子的調剤情報連携体制整備加算へ再編されています)。医療DX推進体制整備加算側の廃止と移行については

医療DX推進体制整備加算は2026年6月に廃止へ|新加算の掲示要件を解説

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医療DX推進体制整備加算は2026年6月に廃止され、電子的診療情報連携体制整備加算に移行します。新加算の点数・施設基準・掲示要件の変更点をわかりやすく解説します。

もあわせてご覧ください。

2026年6月1日以降は「医療情報取得加算」という名称の算定はできなくなります。レセコン・電子カルテのマスタ更新時に、旧加算が残っていないかの確認が必要です。

後継「電子的診療情報連携体制整備加算」で何が変わる

後継となる電子的診療情報連携体制整備加算では、点数も算定の考え方も変わります。医科の初診料に係る点数は次のとおりです。

区分点数区分の考え方
電子的診療情報連携体制整備加算115点電子処方箋の発行体制と、電磁的に診療情報を共有・活用する体制の両方を満たす
電子的診療情報連携体制整備加算29点いずれか一方を満たす
電子的診療情報連携体制整備加算34点共通の施設基準のみ

再診料・外来診療料では区分のない2点で、いずれも月1回算定できます。旧・医療情報取得加算の再診が「3月に1回・1点」だったことと比べると、算定頻度が月1回に増え、点数も引き上げられた点が大きな違いです。歯科(電子的歯科診療情報連携体制整備加算)は初診で加算1=9点・加算2=4点、再診は2点(いずれも月1回)と、医科より区分が少ない設定です。あわせて入院料の加算としても新設され、入院初日に加算1=160点・加算2=80点が算定できます。

掲示義務の考え方は引き継がれます。後継加算の施設基準でも、明細書交付や医療DX推進体制、診療情報を取得・活用して診療を行う旨を院内の見やすい場所に掲示し、その内容を原則としてウェブサイトに掲載することが求められます。名称が変わっても「院内とWebで同じ内容を掲げる」という運用は変わりません。

後継加算の施設基準・要件の詳細は

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で深掘りしています。前提となる仕組みは

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もあわせて確認してください。

医療情報取得加算のよくある誤解・注意点

  • 「まだ算定できる」と思い込む:2026年6月1日以降は廃止されます。6月以降のレセプトに旧加算が残らないよう、システム側の更新を確認しましょう。
  • 初診と再診の算定頻度を混同する:現行では初診が月1回、再診が3月に1回です。後継加算では再診も月1回に変わります。
  • 掲示を院内だけで済ませる:施設基準では院内掲示に加えてウェブサイト掲載が求められます。後継加算でも同様です。
  • 薬局の医療情報取得加算に同名の後継があると考える:薬局の医療情報取得加算は廃止され、同名の後継はありません(別系統の電子的調剤情報連携体制整備加算は存在します)。

まとめ

医療情報取得加算は、オンライン資格確認で得た診療情報の活用を評価する加算として2024年6月に新設され、同年12月に一律1点へ簡素化されました。そして2026年6月1日、令和8年度改定で廃止され、医科・歯科では電子的診療情報連携体制整備加算へ統合されます。

実務で重要なのは、(1)6月以降は旧加算を算定しないようシステムを更新すること、(2)後継加算では再診の算定頻度や点数が変わること、(3)院内とウェブサイトの掲示内容を新しい体制に合わせて更新すること、の3点です。とくに掲示は、届け出た内容と掲げている内容が一致していることが、適時調査・個別指導での安心につながります。

出典・参考

一次資料(厚生労働省)

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 個別改定項目」(医療情報取得加算の廃止・電子的診療情報連携体制整備加算の新設) https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf
  • 中央社会保険医療協議会 総会 総-8(令和6年7月17日、医療情報取得加算の見直し・一律1点化) https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001276103.pdf
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(告示・通知一覧) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 保医発0327第10号(令和6年3月27日、ウェブサイト掲示義務の根拠通知) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001499456.pdf

二次資料(業界誌・専門サイト)

  • med-cpa「電子的診療情報連携体制整備加算・点数と区分の解説」 https://med-cpa.jp/hoshu-15/
  • ウィーメックス(メディコム)「医療DX推進体制整備加算・電子的診療情報連携体制整備加算の解説」 https://www.phchd.com/jp/medicom/park/idea/medicalfees-medical-promotion-system
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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1医療情報取得加算とは
  2. 2医療情報取得加算の点数の変遷
  3. 3医療情報取得加算の算定要件
  4. 4医療情報取得加算の施設基準と掲示義務
  5. 5【2026年6月】医療情報取得加算は廃止|電子的診療情報連携体制整備加算へ
  6. 6後継「電子的診療情報連携体制整備加算」で何が変わる
  7. 7医療情報取得加算のよくある誤解・注意点
  8. 8まとめ
  9. 9出典・参考
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