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2026年10月2日 · HIRO

【10月4日まで】災害時に保険証がなくても受診できる取扱い|施設基準の届出も特例

【10月4日まで】災害時に保険証がなくても受診できる取扱い|施設基準の届出も特例
# オンライン資格確認# 施設基準# 届出

令和8年台風第25号に伴う災害で、オンライン資格確認等システムの「緊急時医療情報・資格確認機能」が千葉県49市町村と東京都大島町でアクティブ化されています。期間は令和8年10月4日まで。この機能を使えるのは対象地域の医療機関・薬局に限られますが、保険証を提示できない被災患者の受入れは、地域を限らず起こります。

令和8年3月31日付けの通知で、災害時の取扱いは個別の通知を待たずに適用される形に変わりました。施設基準の届出の扱いまで含めて整理します。

目次

  1. 何が起きたか:9月22日と9月25日の事務連絡
  2. 保険証がなくても受診できる:患者が申し立てる項目
  3. 「緊急時医療情報・資格確認機能」で何が見えるのか
  4. 施設基準の届出も特例扱いになる
  5. 令和8年3月31日に変わった「通知を待たない」仕組み
  6. 自院が対象になったとき、何を確認するか
  7. まとめと次のチェックポイント
  8. 出典・参考

何が起きたか:9月22日と9月25日の事務連絡

内閣府政策統括官(防災担当)は令和8年9月21日、令和8年台風第25号に伴う災害について、千葉県の15市8町1村と東京都の1町に災害救助法を適用したと公表しました。あわせて、令和8年8月13日からの大雨で既に適用していた千葉県の21市4町についても、継続的に救助を必要としていることから台風第25号の災害でも適用されているものとされています。

これを受けて厚生労働省は、令和8年9月22日付け事務連絡で「緊急時医療情報・資格確認機能」のアクティブ化範囲を示し、9月25日付けの「(その2)」で期間を延長しました。

  • 9月22日(その1):範囲は千葉県49市町村と東京都大島町、期間は「災害救助法の適用第一報から一週間」=令和8年9月27日まで
  • 9月25日(その2):同じ範囲で、期間は令和8年10月4日まで

同じ枠組みは直前の災害でも動いていました。令和8年台風第24号及び前線による大雨では愛知県名古屋市が対象で、9月17日付け事務連絡で終了が案内されています。

保険証がなくても受診できる:患者が申し立てる項目

もうひとつ、令和8年9月22日付けで保険局医療課から出た事務連絡があります。保険証を紛失した、あるいは自宅に残したまま避難している患者について、次の項目を申し立てることで受診できる取扱いです。

氏名、生年月日、連絡先(電話番号等)、被用者保険の被保険者にあっては事業所名、国民健康保険又は後期高齢者医療制度の被保険者にあっては住所(国民健康保険組合の被保険者については、これらに加えて、組合名)を申し立てる

レセプトの請求方法は、平成25年1月24日付け事務連絡「暴風雪被害に係る診療報酬等の請求の取扱いについて」に準じます。記号・番号が確認できない場合は明細書の欄外上部に赤色で「不詳」と記載し、一部負担金の減免措置の対象になる明細書は赤色で「災1」と記載して別に束ねます。

平時に

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を整理しておくと、非常時の切り替えも早くなります。

「緊急時医療情報・資格確認機能」で何が見えるのか

通常のオンライン資格確認では、患者がマイナンバーカードで本人確認を行い、薬剤情報や特定健診情報の提供に同意した場合に限って、医師等の有資格者がそれらを閲覧できます。災害時はカードが手元にないので、この前提が崩れます。

そこで使うのがこの機能です。閲覧の前に患者から口頭等で同意を取得した上で、次の2通りで患者を特定します。

  • 被保険者番号を把握している場合:その番号をキーに資格確認端末から照会する
  • 把握していない場合:氏名・生年月日・性別・保険者名称または住所の一部を確認して端末に入力し、被保険者番号等を特定してから照会する

人の生命、身体又は財産の保護のために必要があり、本人の同意を得ることが困難な場合は、個人情報保護法第20条第2項第2号に基づき本人の同意は不要とされています。身分証明書や家族から提供された情報で本人を特定します。

注意したいのは、使える場面が厳しく限られている点です。事務連絡は、利用規約第25条・第26条を参考に「患者への医療サービスを提供する以外の目的での利用は認められない」ことを周知徹底するよう求めています。閲覧すればログが残り、支払基金・国保中央会が必要と認めれば個別に事実関係を確認します。悪質な場合は機関名の公表やサービス提供の停止まで規約に書かれています。災害時だから何を見てもいい、という話ではありません。

施設基準の届出も特例扱いになる

施設基準の観点でいちばん実務に効くのが、令和8年3月31日付け保医発0331第2号「災害発生時における保険診療関係等及び診療報酬の取扱いについて」です。被災者を受け入れた、あるいは被災地に職員を派遣したことで人員が一時的に動いた医療機関について、次の扱いが定められています。

  • 月平均夜勤時間数が1割以上一時的に変動しても、変更の届出を行わなくてよい
  • 看護要員や理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・臨床検査技師・精神保健福祉士・公認心理師の数、看護要員と入院患者の比率、看護師比率が1割以上一時的に変動しても、変更の届出を行わなくてよい
  • DPC対象病院について、参加基準を満たさなくなった場合としての届出を行わなくてよい

ただし条件があります。届出を行わなくてよいとされた医療機関は、入院患者が一時的に急増したことや職員が一時的に不足したことを記録し、保管しておくこととされています。記録が残っていなければ、あとから説明できません。

被災地側では、平均在院日数や重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、医療区分2・3の患者割合を満たさなくなった場合も、直ちに変更の届出を行う必要はないとされています。

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令和8年9月10日の事務連絡で、9月末で経過措置が切れる施設基準の届出が一覧化されました。10月14日までに出せば10月1日に遡れます。

とは理屈が違いますが、「要件を外れたら即届出」という普段の感覚が一時的に止まる点は共通です。

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施設基準を届け出ている医療機関・薬局・訪問看護ステーションが毎年8月1日現在で行う「定例報告」を、令和8年度版で整理。改定で報告項目が大幅に見直された点、対象・基準日・提出期限(多くは8月末必着)、郵送と電子申請(定例報告マクロツール)、届出と掲示のずれ点検までまとめます。

で自己点検する際も、変動の理由が記録に残っているかが拠りどころになります。

データ提出関係は別扱いで、データ提出が困難な場合の提出期限は「都度事務連絡を行う」とされています。期限が自動で延びるわけではないので、

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令和8年9月16日、データ提出の実績が認められた医療機関に事務連絡が出ました。これから始める場合、様式7の10の次の期限は11月20日です。

のように期限が決まっているものは、該当するなら事務連絡を探す必要があります。

令和8年3月31日に変わった「通知を待たない」仕組み

この通知で押さえておきたいのは、適用の考え方そのものが変わったことです。従来は災害ごとに随時通知を発出して対応してきたとした上で、今般は災害発生時に一定の基準を満たした場合には「個別の通知の発出を待たず」下記のとおり取り扱うとしています。

基準は3つすべてを満たすことです。

  • 対象となる災害:日本DMAT活動要領Ⅳの2に定める「DMAT自動待機基準」が適用される災害
  • 対象となる地域:被災者の受け入れ・派遣に関する取扱いはDMAT指定医療機関が待機を行う地域、被災地側の取扱いは災害が実際に発生した地域または特別警報が発出された地域
  • 対象となる期間:当該災害発生日の属する月とその翌月

その後も継続する必要がある場合は個別に取扱いを定めるとされています。実際に動いているのがこれです。令和8年8月千葉豪雨の特例措置は令和8年9月30日までの扱いでしたが、令和8年9月29日付け事務連絡で「令和8年10月1日以降も当面の間」継続することとされました。

なお、救護所・避難所での診療や在宅医療に関する取扱い、仮設の医療機関・薬局で診療等を行う場合の取扱いなど一部の項目は、災害による事情が終了するまで適用するとされており、月単位の区切りに縛られません。

自院が対象になったとき、何を確認するか

ここから先は、保医発0331第2号が「被災地における保険診療・保険調剤・訪問看護の取扱い」として定めている内容です。被災地に所在する施設が対象で、被災地の外で被災者を受け入れただけの施設は当たりません。

  • 被災地の医療機関の医師等が、避難所に継続して居住している通院困難な患者に、同意を得て継続的に訪問して診察した場合、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)は算定できる。通院による療養が可能と判断される患者には算定できない
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・施設入居時等医学総合管理料は、被災前から医学管理を行っている患者が避難所に避難した場合、被災前の居住場所に応じた区分で算定できる

  • 被災地の保険薬局が処方箋を持参しない被災患者の調剤を行う場合、事後的に処方箋が発行されることを条件に、交通の遮断等で医師の診療を受けられないと認められ、かつ主治医からの処方内容が電話やメモ等で確認できるときは保険調剤として扱える

被災地の訪問看護では、災害発生以前に指示書の交付を受けている利用者について、医療機関が被災して主治医と連絡が取れない場合には、指示書の有効期間を超えても基本療養費・

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を算定できる扱いが定められています。

まとめと次のチェックポイント

  • 緊急時医療情報・資格確認機能のアクティブ化対象は千葉県49市町村と東京都大島町、期間は令和8年10月4日まで(9月25日付け事務連絡)
  • 保険証を提示できない被災患者は、氏名・生年月日・連絡先などの申立てで受診できる(9月22日付け保険局医療課事務連絡)
  • 施設基準の人員・比率が一時的に1割以上変動しても変更の届出は不要。ただし理由の記録と保管が条件(保医発0331第2号)
  • 令和8年8月千葉豪雨の特例措置は令和8年10月1日以降も当面の間継続(9月29日付け事務連絡)
  • 災害時の取扱いはDMAT自動待機基準に連動する。原則は発生月とその翌月、延長は個別に決まる

次のチェックポイントは10月4日です。延長か終了かは同じ枠組みの事務連絡で示されるので、対象地域に自院があるなら案内を見落とさないようにしてください。対象地域でなくても、災害時の取扱いが「通知を待たずに始まる」ようになった以上、どのタイミングで何が自動で緩むのかは把握しておく価値があります。

災害対応で現場が手一杯のときほど、掲示物の管理に時間を取られない状態をつくっておきたいところです。

出典・参考

一次資料(厚生労働省・内閣府・厚生局 等)

  • 厚生労働省政策統括官付医療情報基盤担当参事官室 ほか「令和8年台風第25号に伴う災害に係るオンライン資格確認等システムにおける『緊急時医療情報・資格確認機能』をアクティブ化する医療機関・薬局の範囲・期間について(その2)」(令和8年9月25日事務連絡) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/080929_004.pdf

  • 厚生労働省保険局医療課「令和8年台風第25号に伴う災害の被災者に係るマイナ保険証又は資格確認書の提示等について」(令和8年9月22日事務連絡、別添2に保医発0331第2号を収録) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/080929_002.pdf

  • 厚生労働省政策統括官付医療情報基盤担当参事官室 ほか「令和8年台風第24号及び前線による大雨に伴う災害に係るオンライン資格確認等システムにおける『緊急時医療情報・資格確認機能』のアクティブ化終了について」(令和8年9月17日事務連絡) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/080929_001.pdf

  • 厚生労働省保険局医療課「令和8年8月千葉豪雨の被災に伴う保険診療関係等の特例措置の期間について」(令和8年9月29日事務連絡) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/080930_001.pdf

  • 内閣府政策統括官(防災担当)「令和8年台風第25号に伴う災害に係る災害救助法の適用について」(令和8年9月21日) https://www.bousai.go.jp/pdf/260921.pdf

  • 関東信越厚生局「医療保険関係通知一覧(令和8年)」 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/gyomu/hoken_kikan/tsuchi/r08.html

二次資料(自治体・専門サイト)

  • 千葉県「令和8年台風第25号に伴う災害に係る災害救助法の適用について」 https://www.pref.chiba.lg.jp/bousaik/press/saigaikyujoho-r80921.html
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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1何が起きたか:9月22日と9月25日の事務連絡
  2. 2保険証がなくても受診できる:患者が申し立てる項目
  3. 3「緊急時医療情報・資格確認機能」で何が見えるのか
  4. 4施設基準の届出も特例扱いになる
  5. 5令和8年3月31日に変わった「通知を待たない」仕組み
  6. 6自院が対象になったとき、何を確認するか
  7. 7まとめと次のチェックポイント
  8. 8出典・参考

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