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診療報酬改定
2026年6月13日 · HIRO

早期リハビリテーション加算の起算日は入院日に|疑義解釈その6で確定した別疾患・転院の線引き

早期リハビリテーション加算の起算日は入院日に|疑義解釈その6で確定した別疾患・転院の線引き
# 早期リハビリテーション加算# リハビリテーション# 疑義解釈# 診療報酬改定# 令和8年度改定

他院から転院してきて、前の病院から続けてきたリハビリを引き継ぐ患者さん。あるいは、入院中に別の病気を発症して、新しくリハビリが始まった患者さん——。そんなとき、「早期リハビリテーション加算の起算日って、いつからカウントし直すんだっけ?」と手が止まったことはないでしょうか。

令和8年(2026年)6月の改定で、早期リハビリテーション加算の起算日が「入院した日」に変わりました。そして令和8年5月22日に公開された疑義解釈資料(その6)で、「入院の途中で別の疾患のリハビリが始まったら、起算日はリセットされるのか」という線引きが、はっきり示されました。この記事では、厚生労働省の改定資料・疑義解釈(一次資料)に当たりながら、変更点と実務での注意点を整理します。

目次

  1. 何が変わったか:起算日が「入院日」に、点数は2段階に
  2. 起算日が「入院日」になって生まれた疑問
  3. 疑義解釈(その6)が示した4つの線引き
  4. 現場で確認しておきたいこと
  5. 算定根拠は、適時調査・個別指導で問われる
  6. 関連する加算・記事
  7. まとめ
  8. 出典・参考

何が変わったか:起算日が「入院日」に、点数は2段階に

早期リハビリテーション加算は、疾患別リハビリテーション料(心大血管・脳血管・廃用症候群・運動器・呼吸器など)に上乗せして算定する加算です。令和8年度改定では、入院直後のリハビリ介入を促す観点から、点数と算定要件が次のように見直されました。

改定前改定後(令和8年6月〜)
点数25点(1単位)60点(入院初日〜3日目)/25点(入院4日目〜14日目)
起算日発症・手術・急性増悪から7日目、または治療開始日のいずれか早いもの入院した日
算定の限度起算日から30日入院日から14日

ポイントは2つです。ひとつは、入院後3日以内のリハビリが60点と手厚く評価されるようになったこと。もうひとつは、起算日が「発症・手術から」ではなく「入院した日」にそろえられ、算定できる期間が30日から14日に短くなったことです。

なお、早期リハビリテーション加算・急性期リハビリテーション加算・初期加算・新設された休日リハビリテーション加算は、それぞれの算定要件を満たせば併算定できます。

起算日が「入院日」になって生まれた疑問

起算日が「入院日」に統一されたことで、現場ではこんな疑問が生まれました。

入院を続けている患者さんが、途中で別の病気を発症してリハビリが新しく始まった。このとき、疾患別リハビリテーション料の起算日は新しい病気で切り替わる。では、早期リハビリテーション加算の起算日も、そこでリセットされて14日カウントし直しになるのか?

ここを取り違えると、本来取れない期間に加算を算定してしまったり、逆に取れる加算を取りこぼしたりします。この線引きを明確にしたのが、疑義解釈(その6)の問16・問17です。

疑義解釈(その6)が示した4つの線引き

① 同じ医療機関に入院し続けているなら、リセットされない

疑義解釈(その6)問16は、こう答えています。

同一医療機関に入院を継続している場合は、疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わった場合であっても早期リハビリテーション加算の起算日は当初の入院日から変更されない。

つまり、入院中に別の疾患を発症して疾患別リハビリテーション料の起算日が切り替わっても、早期リハビリテーション加算の起算日は最初に入院した日のまま。新しい病気が始まったからといって、14日のカウントがリセットされるわけではありません。

② 新しい疾患のために転院・再入院したら、その日が起算日

一方、同じ問16は続けてこう述べます。

疾患別リハビリテーションの起算日の切り替えの契機となった新たな疾患の発症等のために、入院中の患者が転院した場合又は退院していた患者が再入院した場合は、転院日又は再入院日を早期リハビリテーション加算の起算日とする。

新たな疾患の発症などをきっかけに転院した、あるいは退院後に再入院した場合は、その転院日・再入院日が起算日になります。この場合は、改めて入院日から14日の算定が始まります。①との違いは「同じ医療機関に入院し続けているか」「転院・再入院をはさんだか」です。

③ 他院から転院してきた患者は、前の病院の入院日が起算日

ここで注意したいのが、改定資料に明記されたもう一つのルールです。改定後の算定要件には、

ただし、他の保険医療機関から転院してきた患者については、転院前の保険医療機関に入院した日を起算日とする。

とあります(※他の疾患別リハビリテーション料についても同様)。同じ疾患でリハビリを継続したまま転院してきた患者については、自院に入院した日ではなく、前の病院に入院した日が起算日です。つまり、前医ですでに日数が進んでいれば、自院で算定できるのは14日の残りの期間だけ、ということになります。冒頭の「前の病院から続けてきたリハビリを引き継ぐ患者さん」は、このケースに当たります。

②(新たな疾患のための転院=転院日が起算日)と③(同じ疾患でリハ継続の転院=前医の入院日が起算日)は、転院の理由によって扱いが分かれる点に注意が必要です。

④ 外来でリハビリ中の患者が急性増悪で入院したら、入院日が起算日

疑義解釈(その6)問17は、外来からの入院について答えています。

外来で疾患別リハビリテーションを実施していた患者であっても、入院の契機となった疾患により疾患別リハビリテーション料の起算日が切り替わる場合、早期リハビリテーション加算の対象疾患の要件を満たせば、入院日を起算日として早期リハビリテーション加算を算定することができる。

外来で疾患別リハビリテーションを受けていた患者が急性増悪などで入院し、その入院の契機となった疾患でリハビリの起算日が切り替わるなら、対象疾患の要件を満たせば、入院日を起算日として早期リハビリテーション加算を算定できます。

現場で確認しておきたいこと

起算日まわりで迷ったとき、確認したいポイントを整理します。

  • 早期リハビリテーション加算は入院日が起算日・14日が限度。入院初日〜3日目は60点、4日目〜14日目は25点
  • 入院を続けている患者は、途中で別疾患のリハビリが始まっても起算日はリセットされない(当初の入院日のまま)
  • 新たな疾患のための転院・再入院は、その日が起算日になり、14日が改めて始まる
  • 他院から転院してきた患者(同じ疾患でリハ継続)は、前の病院の入院日が起算日。前医の日数を情報提供書などで確認し、自院での残り日数を計算する
  • 外来でリハビリ中の患者が急性増悪で入院した場合は、入院日が起算日で算定できる

特に注意したいのは③です。転院患者を受け入れたとき、自院の入院日でカウントを始めてしまうと、本来取れない期間まで加算を算定してしまう恐れがあります。前医の入院日を起点に、レセコンの起算日設定を確認しておきましょう。

算定根拠は、適時調査・個別指導で問われる

疾患別リハビリテーション料は施設基準の届出が必要な項目で、その算定根拠は適時調査や個別指導で確認されやすいポイントです。早期リハビリテーション加算の起算日が正しく設定されているか、リハビリテーション実施計画書の記載と整合しているかは、まさに調査で見られる論点です。

調査・指導の種類と違いは適時調査・個別指導・医療監視の違い|医療機関が受ける3つの調査を比較、個別指導の流れと対策は個別指導とは?選定基準・当日の流れ・対策をわかりやすく解説で整理しています。施設基準の届出は院内・ウェブの掲示にも直結します。掲示事項の全体像は厚生労働大臣が定める掲示事項とは?医科・歯科・薬局別に全項目を解説で確認できます。

関連する加算・記事

リハビリテーションまわりや令和8年度改定の全体像は、次の記事で扱っています。

  • 回復期リハ病棟 2026年6月改定|『退院前訪問指導+院外リハ』セット運用と施設基準・掲示の更新ポイント
  • 令和8年度診療報酬改定をわかりやすく解説|改定率・主要変更点・対応スケジュール完全ガイド
  • 適時調査・個別指導・医療監視の違い|医療機関が受ける3つの調査を比較

まとめ

  • 令和8年6月改定で、早期リハビリテーション加算の起算日が「入院した日」に変わり、点数は入院初日〜3日目60点・4日目〜14日目25点、14日が限度になった
  • 疑義解釈(その6)問16:同じ医療機関に入院し続けているなら、途中で別疾患のリハビリが始まっても早期リハビリテーション加算の起算日はリセットされない
  • 新たな疾患のための転院・再入院は、その日が起算日になり14日が改めて始まる
  • 他院から転院してきた患者(同じ疾患でリハ継続)は、前の病院の入院日が起算日。前医の日数を確認して残り日数を算定する
  • 外来でリハビリ中の患者が急性増悪で入院したら、入院日を起算日として算定できる
  • 起算日の設定ミスは、適時調査・個別指導での指摘・返還につながりうる。実施計画書との整合とあわせて点検を

掲示物や算定ルールの管理に時間を取られるのは、医療の本質ではありません。とはいえ、起算日のような算定の起点を正しく押さえておくことは、後の調査で足をすくわれないための近道です。改定で変わった点と疑義解釈の線引きを、レセコンの設定までセットで確認しておきましょう。

出典・参考

一次資料(厚生労働省)

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 Ⅲ-4 質の高いリハビリテーションの推進」(早期リハビリテーション加算の改定・起算日・点数、転院患者の起算日、休日リハビリテーション加算の新設) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001666318.pdf
  • 厚生労働省保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その6)」(令和8年5月22日事務連絡、問16・問17:早期リハビリテーション加算の起算日の取扱い) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

二次資料(参考)

  • PT-OT-ST.NET「発症早期のリハビリテーションの更なる推進及び休日のリハビリテーションの適切な評価【Ⅲ-4-1-①】」 https://www.pt-ot-st.net/contents4/medical-treatment-reiwa-8/department/4908
  • メディコム(ウィーメックス)「【令和8年度改定対応】疾患別リハビリテーション料・点数ガイド」 https://www.phchd.com/jp/medicom/park/idea/medicalfees-rehabilitation
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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1何が変わったか:起算日が「入院日」に、点数は2段階に
  2. 2起算日が「入院日」になって生まれた疑問
  3. 3疑義解釈(その6)が示した4つの線引き
  4. 4現場で確認しておきたいこと
  5. 5算定根拠は、適時調査・個別指導で問われる
  6. 6関連する加算・記事
  7. 7まとめ
  8. 8出典・参考

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