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2026年9月25日 · HIRO

【令和8年9月18日公表】病院立入検査の結果、適合率ワースト1は許可事項の変更

【令和8年9月18日公表】病院立入検査の結果、適合率ワースト1は許可事項の変更
# 立入検査# 医療監視# 医療法# 院内掲示

令和8年9月18日、厚生労働省が令和6年度の病院立入検査の結果を公表しました。全国8,073病院のうち7,620病院に検査が入り、実施率は94.4%。検査項目全体の適合率は98.5%で、前年度の98.3%からわずかに上がっています。

数字だけ見ると落ち着いた結果です。ただ、適合率の低い項目を並べた表を見ると、1位が2年続けて同じ項目でした。「医療法許可事項の変更」です。届け出た内容と実際の姿がずれている、という類の指摘が、いちばん多く残っているということになります。

目次

  1. 公表されたのは令和6年度の検査結果
  2. 適合率ワースト1は「医療法許可事項の変更」
  3. 「許可事項の変更」とは何を見ているのか
  4. 人員は横ばい、精神科病院では順位が入れ替わる
  5. 院内掲示も検査項目に入っている
  6. いま確認しておきたいこと
  7. まとめ
  8. 出典・参考

公表されたのは令和6年度の検査結果

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の根拠は医療法第25条第1項です。都道府県知事、保健所を設置する市の市長または特別区の区長が、必要と認めるときに病院・診療所・助産所などに立ち入り、人員や清潔保持の状況、構造設備、診療録や帳簿書類を検査できる、と定められています。今回公表されたのは、このうち病院に対して毎年度行われている定例の立入検査の結果です。資料では目的がこう書かれています。

病院が医療法及び関連法令により規定された人員及び構造設備を有し、かつ、適正な管理を行っているか否かについて検査することにより、病院を良質かつ、適正な医療を行う場にふさわしいものとすることを目的としています。

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で、こちらは医療法の話です。実施率は令和2年度に32.1%まで落ち、3年度68.7%、4年度87.8%、5年度93.2%と戻ってきて、6年度は94.4%。ほぼ通常運転に戻ったと言える水準です。

大項目別の適合率は、医療従事者98.3%、管理98.0%、帳票・記録98.9%、業務委託98.7%、防火・防災体制98.3%、放射線管理99.7%。検査項目621,855のうち612,352項目が適合しています。

適合率ワースト1は「医療法許可事項の変更」

適合率の低い項目の上位3つは、こうなっています。

1位が医療法許可事項の変更で92.7%。検査を受けた7,428病院のうち6,883病院が適合、裏を返せば545病院で指摘が残りました。前年度も92.7%で、数字が1ミリも動いていません。

2位がサイバーセキュリティの確保で92.8%。前年度の91.1%から1.7ポイント改善していますが、順位としてはまだ上位です。3位が職員の健康管理で94.1%、こちらは前年度92.1%から2.0ポイント上がりました。

以下、毒薬・劇薬以外の医薬品管理95.9%、放射線の安全利用に係る研修の実施96.3%、検体検査の精度管理体制整備96.6%、医療機器の保守点検の実施96.6%、毒劇薬の区別と施錠保管96.7%、検体検査に係る台帳の作成96.8%、医薬品安全管理責任者による手順書に基づく業務の定期的な確認の実施97.0%と続きます。10項目のうち9項目が「管理」の区分です。

「許可事項の変更」とは何を見ているのか

立入検査要綱を見ると、この項目の中身が書かれています。

病院の開設許可を受けた後に厚生労働省令で定める事項を変更したときその許可を受けていること。

すぐ上の行には、対になる項目として「医療法届出事項の変更」もあります。

病院開設許可後の開設届及び届出事項に変更を生じたときにその届出がなされていること。

どちらも構造は同じです。開設のときに出した内容から何かが変わったのに、変更の許可や届出が追いついていない。それが指摘になります。病床数や病室の用途、構造設備を動かしたとき、あるいは管理者が交代したとき。日々の診療に追われているうちに、手続きだけが取り残される。前年度と適合率が同じということは、この構図が去年から変わっていないということでもあります。

指摘の具体的な中身までは資料に書かれていないので、何の変更が漏れていたのかは分かりません。ただ、届け出た内容と実際の姿が一致しているか、という問いそのものは、掲示の世界でもまったく同じ形で出てきます。

人員は横ばい、精神科病院では順位が入れ替わる

人員基準のほうは安定しています。令和6年度の適合率は、医師97.9%、看護師・准看護師99.3%、薬剤師97.7%。医師は前年度と同率、看護師・准看護師は0.1ポイント下がり、薬剤師は前年度と同率でした。

医師数の適合率は平成30年度の97.0%から令和3・4年度の98.3%まで上がり、そこから5年度・6年度は97.9%に戻しています。大きく崩れてはいません。人が足りないことよりも、手続きや管理の運用が指摘の中心になっている、というのが令和6年度の姿です。

資料には精神科病院の結果も再掲されていて、こちらは1位と2位が逆になります。1位がサイバーセキュリティの確保で91.2%、2位が医療法許可事項の変更で92.5%。3位は検体検査に係る精度管理体制整備の93.2%です。

サイバーセキュリティは前年度89.5%から改善しているものの、病院全体の92.8%と比べるとまだ低い水準にあります。一方で許可事項の変更は前年度93.2%から92.5%へ下がりました。病院全体と精神科病院で、同じ項目でも動き方が違っています。

院内掲示も検査項目に入っている

ワースト10には入っていませんが、立入検査要綱には院内掲示の項目がきちんと置かれています。根拠は医療法第14条の2第1項で、掲示すべき事項はこうです。

①管理者の氏名 ②診療に従事する医師又は歯科医師の氏名 ③医師又は歯科医師の診療日及び診療時間 ④建物の内部に関する案内

備考には「①②③は、病院の入口、受付又は待合所付近の見やすい場所」と場所まで指定されています。医師の交代や診療時間の変更があったのに掲示が古いまま、というのは、許可事項の変更が漏れるのと同じ種類のずれです。

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は、根拠も検査する主体も別物です。ただ、現場から見れば「実態が変わったら掲示も直す」という一つの作業で、片方だけ直して片方が残る、という形で食い違いが生まれます。

いま確認しておきたいこと

令和6年度の結果を自院に引き寄せると、確認したいのは3つです。開設許可・届出の内容と、今の病床・構造設備・管理者が一致しているか。サイバーセキュリティの体制が、指摘を受けない水準で整理されているか。そして、院内に掲示している管理者名・医師名・診療日時が、今の実態と合っているか。

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で毎年8月に自己点検をしている医療機関であれば、その棚卸しに医療法側の項目も乗せてしまうのが早いと思います。厚生局に出しているものと、都道府県に出しているものと、院内に貼っているものは別々の書類ですが、元になっている実態は一つです。

まとめ

令和8年9月18日に公表された令和6年度の病院立入検査は、実施率94.4%、全体の適合率98.5%でした。適合率の低い項目の1位は医療法許可事項の変更で92.7%、前年度と同率です。2位はサイバーセキュリティの確保92.8%、3位は職員の健康管理94.1%で、いずれも前年度より改善しました。人員の適合率は医師97.9%、看護師・准看護師99.3%、薬剤師97.7%とほぼ横ばいです。

上位10項目のうち9項目が「管理」の区分に入っているというのが、この結果のいちばん分かりやすい特徴だと思います。人や設備が足りないのではなく、実態が動いたあとの手続きと記録が追いついていない。

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形にしておけば、実態が変わったときに手で直す場所が一つ減ります。医療現場の時間は、検査のための書類合わせではなく医療に使うほうがいい。令和6年度の数字は、そのことを静かに示しているように見えます。

出典・参考

一次資料

  • 厚生労働省医政局医療経営改革課「医療法第25条に基づく病院に対する立入検査結果(令和6年度)」(令和8年9月18日公表) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001747837.pdf

  • 厚生労働省「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001260077.pdf

  • e-Gov法令検索「医療法」(昭和23年法律第205号)第25条 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205

二次資料

  • 厚生労働省「医療法に基づく立入検査について」(過年度の結果を含む公表ページ) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/i-anzen/tachiirikensa.html
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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1公表されたのは令和6年度の検査結果
  2. 2適合率ワースト1は「医療法許可事項の変更」
  3. 3「許可事項の変更」とは何を見ているのか
  4. 4人員は横ばい、精神科病院では順位が入れ替わる
  5. 5院内掲示も検査項目に入っている
  6. 6いま確認しておきたいこと
  7. 7まとめ
  8. 8出典・参考

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