【10月30日必着】紹介割合・逆紹介割合の報告|逆紹介の基準が50‰に

特定機能病院や一般病床200床以上の地域医療支援病院など、外来の機能分化を担う病院には、毎年10月に巡ってくる報告があります。紹介割合・逆紹介割合の報告です。北海道・東北・近畿の各厚生局は、令和8年度の期限を「10月30日(金)必着」と案内しています。必着なので、郵送する場合は届くまでの日数も見込んでおく必要があります。
今年はもう一つ、気をつけたい点があります。令和8年度診療報酬改定で、逆紹介割合の基準が引き上げられました。この報告の結果は、令和9年4月からの初診料・外来診療料に直結します。何を出すのか、基準がどう変わったのかを、告示と通知の原文で整理します。
10月の報告で何を出すのか
報告の根拠は、令和8年3月5日付けの「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(保医発0305第6号)です。初診料の項目に、次の趣旨が書かれています。
紹介割合及び逆紹介割合を別紙様式28により、毎年10月に地方厚生(支)局長へ報告すること。
使う様式は「初診料及び外来診療料の注2、注3に掲げる報告書」(別紙様式28)です。書く数字は、初診の患者数、再診の患者数、紹介患者数、逆紹介患者数、救急患者数の5つと、そこから計算する2つの割合です。
- 紹介割合(%)=(紹介患者数+救急患者数)÷ 初診の患者数 × 100
- 逆紹介割合(‰)= 逆紹介患者数 ÷(初診の患者数+再診の患者数)× 1,000
集計期間は、原則として報告する年度の前年度1年間です。今回なら令和7年4月〜令和8年3月の実績になります。
数え方には細かい決まりがあります。たとえば、救急車で搬送された患者は初診・再診の患者数から除きます。オンライン診療だけで終わった患者は、紹介患者数にも逆紹介患者数にも入れません。連携強化診療情報提供料を算定している患者は、再診の患者数から除いたうえで、逆紹介患者数には含めます。
提出先は、所在地の県を管轄する厚生局の事務所です(大阪府は近畿厚生局の指導監査課、愛知県は東海北陸厚生局の指導監査課、宮城県は東北厚生局の指導監査課)。近畿厚生局と四国厚生支局は、提出方法を郵送と案内しています。
対象になる病院と、変わった基準
報告が必要なのは次の4種類です。基準を下回っているかどうかに関わらず、対象なら毎年報告します。
- 特定機能病院
- 地域医療支援病院(一般病床が200床未満の病院を除く)
- 紹介受診重点医療機関(外来機能報告の対象病院のうち都道府県が公表した病院。一般病床が200床未満の病院を除く)
- 上の3つ以外で、許可病床が400床以上の病院(一般病床が200床未満の病院を除く)
令和8年度改定で変わったのは、逆紹介割合の基準です。厚生労働省の改定資料では、次のように示されています。
| 対象 | 紹介割合の基準 | 逆紹介割合の基準 |
|---|---|---|
| 特定機能病院・地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関 | 50%未満(変更なし) | 30‰未満 → 50‰未満 |
| 許可病床400床以上の病院 | 40%未満(変更なし) | 20‰未満 → 40‰未満 |
紹介割合か逆紹介割合のどちらか一方でも基準を下回ると、「紹介割合等が低い保険医療機関」に当たります。
経過措置もあります。留意事項通知には「令和8年3月31日時点で、現に逆紹介割合の実績に係る基準を満たしていた病院にあっては、令和9年3月31日までの間に限り、当該基準を満たすものとみなす」とあります。この経過措置を今回の10月報告にどう当てはめるかは、10月22日時点で私が確認した範囲では、疑義解釈などで示されていません。旧基準は満たすものの新基準に届かない病院は、管轄の厚生局に扱いを確認しておくと確実です。
基準を下回るとどうなるか
基準を下回ったと報告した病院は、翌年4月から翌々年3月まで、初診料・外来診療料が下がります。今回の報告なら、令和9年4月〜令和10年3月です。
| 項目 | 通常 | 基準を下回った場合 |
|---|---|---|
| 初診料 | 291点 | 216点 |
| 初診料(情報通信機器を用いた場合) | 253点 | 188点 |
| 外来診療料 | 77点 | 57点 |
下がった点数を算定するのは、すべての患者ではありません。初診料では、他の医療機関からの紹介状がない患者が対象です(緊急その他やむを得ない事情がある場合を除く)。
外来診療料では、令和8年度改定で対象患者が広がりました。これまでの「一般病床200床未満の病院や診療所への紹介を申し出たのに、受診を続けた患者」に加えて、「過去1年間に12回以上外来診療料を算定した患者」が入っています。ただし、紹介先との連携で連携強化診療情報提供料などを算定している患者、緊急の患者、専門性の高い医学管理が必要で医師が継続通院を認めた患者は除かれます。
下回った後でも、報告年度の連続する6か月間で基準を満たせば、翌年4月1日までに再度報告できます。そうすれば、下がった点数の対象にはなりません。新たに対象になった病院の扱いは別に定められていて、近畿厚生局は「報告年度の連続する少なくとも3カ月の実績を、翌年4月1日までに報告」と案内しています。
地域の診療所・中小病院にも関わる話
この報告は大病院の手続きですが、逆紹介の受け手は地域の診療所や中小病院です。令和8年度改定では、受け手側の評価として「特定機能病院等紹介患者受入加算」(60点)が新しくできました。対象は、診療所または許可病床200床未満の病院が、特定機能病院等からの紹介患者に初診を行った場合です。どんな紹介なら対象になるかは、

疑義解釈その12(令和8年9月2日)全22問|医科・調剤の改定Q&Aまとめ
令和8年9月2日に発出された疑義解釈その12(全22問)を、医科・ベースアップ評価料・調剤・訪問看護の別添ごとに整理しました。
で整理しています。
厚生労働省の改定資料は、この見直しを「大病院と地域のかかりつけ医機能を担う医療機関との連携による大病院の外来患者の逆紹介の推進」という項目に位置づけています。紹介を受ける側も、加算の要件を一度確認しておくと安心です。
掲示との関係と、同じ時期の報告
紹介状なしで初診を受けた患者から、通常の初診料との差額を選定療養として徴収することもできます。留意事項通知は、患者に十分な情報提供をして、患者が自由に選んで同意した場合に限るとしています。選定療養で費用を受け取るなら、療担規則第5条の4により、その内容と費用を院内に掲示し、原則としてウェブサイトにも載せる必要があります。院内掲示とWeb掲載のルールは

保険外併用療養費と実費徴収の違いとは?掲示義務と2026年6月の追加項目を解説
差額ベッド代などの「保険外併用療養費」と、Wi-Fi利用料や診断書代などの「実費徴収」は同じ保険外でも扱いが異なります。厚生局報告の有無・掲示の決まり方の違いと、2026年6月に追加された4項目、院内・Web掲示義務までを医科・歯科・薬局向けに整理します。
で、病院の掲示例は

病院の施設基準 掲示例・見本集【無料】|入院基本料・加算の掲示義務を網羅
病院が掲示すべき施設基準・加算・保険外併用療養の掲示例を、テンプレート付きで全項目解説。令和8年6月診療報酬改定(医療DX加算再編、急性期病院A/B新設、診療録管理体制加算見直し)に対応した最新版。院内掲示とホームページ掲載の両方に使えます。
で紹介しています。
同じ時期に重なる報告もあります。

【11月30日まで】妥結率等の報告|未提出で調剤基本料は半減、初診料は75点減
妥結率等に係る報告の受付は10月1日から11月末日まで。出し忘れると薬局は調剤基本料が100分の50に、許可病床200床以上の病院は初診料が291点から216点に下がります。様式・適用期間・医科と薬局の違いを一次資料で整理しました。
:11月30日まで。許可病床200床以上の病院は、出し忘れると初診料が下がります

【10月19日開始】病床機能・外来機能報告は12月11日まで|第1.1版の変更点
病床機能報告と外来機能報告の期間が12月11日までに延びました。ただし報告事項を整理したという別途通知が出るまで、報告様式の作成・提出はしないよう求められています。対象、いまやること、罰則を一次資料で整理しました。
:12月11日まで。10月14日付の事務連絡で、10月19日から受付が始まりました
まとめと次のチェックポイント
- 対象の病院は、基準を下回っているかどうかに関わらず、毎年10月に別紙様式28で紹介割合・逆紹介割合を報告する
- 北海道・東北・近畿の各厚生局の期限は10月30日(金)必着。四国厚生支局は「10月31日が土日祝なら前の開庁日」としており、今年は同じく10月30日になる。それ以外の局は、管轄の厚生局の案内を確認する
- 令和8年度改定で、逆紹介割合の基準が50‰(特定機能病院等)、40‰(許可病床400床以上)に上がった
- 基準を下回ると、令和9年4月〜令和10年3月の初診料が216点、外来診療料が57点に下がる
- 外来診療料は、過去1年間に12回以上算定した患者も減算の対象に加わった
次のチェックポイントは、10月30日の提出期限です。その先は、基準を下回った場合の再報告の期限である翌年4月1日になります。
届出や報告が変われば、掲示すべき内容も変わります。掲示ナビは厚生局の届出データを起点に掲示内容を自動で作るので、報告の準備に追われる時期でも、掲示の更新を手で抱え込まずに済みます。
出典・参考
一次資料(厚生労働省・厚生局)
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厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 7.外来医療の機能分化・強化等」(紹介・逆紹介割合に基づく減算規定の見直し、特定機能病院等紹介患者受入加算の新設) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001681336.pdf
-
近畿厚生局「初診料及び外来診療料の注2、注3に係る報告について」(提出期限 令和8年10月30日必着、Q&A) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/iryo_shido/26kaitei-shoshin-gairai.html
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「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)抜粋(近畿厚生局掲載) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/iryo_shido/000350132.pdf
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「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日 保医発0305第6号)抜粋(近畿厚生局掲載) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/iryo_shido/000350133.pdf
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別紙様式28「初診料及び外来診療料の注2、注3に掲げる報告書」(近畿厚生局掲載) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/iryo_shido/000254694.pdf
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北海道厚生局「初診料及び外来診療料の注2、注3に規定する紹介割合等の報告について」(報告期限 令和8年10月30日必着) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/hokkaido/iryo_shido/shoshin.html
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東北厚生局「初診料及び外来診療料の注2、注3に掲げる報告」(報告期限 令和8年10月30日必着) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/shinsei/shido_kansa/sonota/syoshinn2-3.html
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四国厚生支局「初診料及び外来診療料の注2、注3に規定する施設基準に係る報告」(毎年10月31日、土日祝の場合は前開庁日まで必着) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/shikoku/iryo_shido/shoshin.html
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東海北陸厚生局「初診料及び外来診療料の注2、注3に規定する施設基準に係る報告について」 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/newpage_00078.html
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保険医療機関及び保険医療養担当規則 第2条の6、第5条の4(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50000100015
二次資料(業界誌・専門サイト)
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GemMed「【2026年度診療報酬改定答申13】かかりつけ医機能を評価する診療報酬の整理、外来機能分化推進の飴と鞭の使い分け」(2026年2月24日) https://gemmed.ghc-j.com/?p=73086
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病院事務長 岡大徳の実務・制度ナビ「令和8年度診療報酬改定|大病院の逆紹介推進3つの見直しを解説【外来機能分化】」 https://daitoku0110.jp/entry/referral-promotion-revision-2026




