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施設基準医療DX診療報酬改定
2026年7月3日 · HIRO

電子的診療情報連携体制整備加算は訪問診療の患者に算定できる?往診・在宅の扱いを解説

電子的診療情報連携体制整備加算は訪問診療の患者に算定できる?往診・在宅の扱いを解説
# 電子的診療情報連携体制整備加算# 在宅医療DX情報活用加算# 在宅医療# 令和8年度改定

電子的診療情報連携体制整備加算。訪問診療の患者さんにも付けていいんだっけ……と、レセプトの手がふと止まる。外来では月1回いつも算定しているのに、在宅の患者になった途端、対象なのか急に自信がなくなる――在宅医療を手がけている医療機関なら、この感覚に心当たりのある方は少なくないはずです。

結論から言うと、定期的な訪問診療(在宅患者訪問診療料)を算定する日には、この加算は付きません。ただし「往診」の場合は扱いが変わります。この記事では、電子的診療情報連携体制整備加算が何に対する加算なのかを一次資料で確認したうえで、訪問診療・往診・在宅の患者での算定可否を整理します。

目次

  1. 電子的診療情報連携体制整備加算とは
  2. 結論:訪問診療(在宅患者訪問診療料)には付かない
  3. 「往診」の場合は扱いが変わる
  4. 在宅の患者には「在宅医療DX情報活用加算」がある
  5. 算定を確認するときの整理
  6. 掲示義務との関係
  7. まとめ
  8. 出典・参考

電子的診療情報連携体制整備加算とは

電子的診療情報連携体制整備加算は、令和8年度(2026年)改定で、従来の「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」を統合・再編して新設された加算です。オンライン資格確認で取得した診療情報・薬剤情報を診療に活用できる体制を基本に、電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスの導入やサイバーセキュリティ対策など、医療DXに係る体制を評価します。点数や施設基準の全体像は電子的診療情報連携体制整備加算の施設基準と掲示要件で解説しているので、ここでは「どの診療で算定できるのか」に絞ります。

結論:訪問診療(在宅患者訪問診療料)には付かない

まず押さえたいのは、この加算が「何に対する加算か」です。令和8年3月5日の留意事項通知(保医発0305第6号)別添1を確認すると、電子的診療情報連携体制整備加算は次の点数に対する加算として規定されています。

基礎点数規定
初診料(A000)注16
再診料(A001)注19
外来診療料(A002)注10
入院料入院基本料等加算(A207-5系)

初診料の注16には「(施設基準を届け出た保険医療機関を受診した患者に対して)初診を行った場合に、月1回に限り…所定点数に加算する」と書かれています。再診料・外来診療料も同様に、再診・外来診療を行った場合の加算です。つまりこの加算は、初診料・再診料・外来診療料・入院料という基礎点数があってはじめて上乗せできる加算です。

一方、定期的・計画的に自宅や施設を訪問して診療する「訪問診療」では、在宅患者訪問診療料(C001・C001-2)を算定します。在宅患者訪問診療料はそれ自体が独立した点数で、算定する日には初診料・再診料・外来診療料を算定しません。加算の乗る基礎点数(初診料・再診料など)がないため、訪問診療(在宅患者訪問診療料)の患者には電子的診療情報連携体制整備加算は付かない、というのが答えです。

「往診」の場合は扱いが変わる

ここで注意したいのが、「訪問診療」と「往診」は別物だという点です。

  • 訪問診療:あらかじめ計画を立てて定期的に訪問する。在宅患者訪問診療料を算定する。
  • 往診:患者や家族の求めに応じて、臨時にその都度訪問する。往診料を算定する。

往診料(C000)は、それ単独で完結する点数ではなく、初診料または再診料に上乗せして算定します。留意事項通知でも、往診料を算定した場合に初診料に夜間・早朝等加算を、再診料に外来管理加算を、それぞれ加えて算定できると示されており、往診の際には初診料または再診料を算定することが前提になっています。

したがって、往診で初診料または再診料を算定する日については、施設基準を満たしていれば、その初診料・再診料に対する加算として、電子的診療情報連携体制整備加算を月1回の範囲で算定し得ることになります。同じ「家に行く診療」でも、在宅患者訪問診療料で算定する定期の訪問診療は対象外、初診料・再診料を算定する往診は対象になり得る、という違いです。個別のケースで判断に迷う場合は、所管の地方厚生局に確認するのが確実です。

在宅の患者には「在宅医療DX情報活用加算」がある

「では在宅医療では医療DXの体制が評価されないのか」というと、そうではありません。在宅の患者向けには、別に在宅医療DX情報活用加算という加算が用意されています。

在宅医療DX情報活用加算は、在宅患者訪問診療料などの「注13」に規定され、在宅医療における診療計画の作成に、オンライン資格確認等で取得した情報を活用する体制を評価する加算です。つまり、外来・入院の医療DX体制は電子的診療情報連携体制整備加算で、在宅(訪問診療)の医療DX体制は在宅医療DX情報活用加算で、それぞれ評価される建て付けになっています。訪問診療の患者で医療DXの加算を考えるなら、見るべきはこちらです。在宅医療DX情報活用加算の要件は在宅医療DX情報活用加算の施設基準と掲示要件で整理しています。

両者は評価する場面が異なる別の加算なので、「訪問診療の患者に電子的診療情報連携体制整備加算を付ける」のではなく、「訪問診療の患者は在宅医療DX情報活用加算で見る」と整理しておくと、算定の迷いがなくなります。

なお、同じ患者について、往診などで初診料・再診料に対する電子的診療情報連携体制整備加算を算定した月は、その月は在宅医療DX情報活用加算を算定できないとされています。往診と定期の訪問診療が同じ月に混在する患者では、どちらの加算を算定するかが月単位で影響し合う点に注意が必要です。

算定を確認するときの整理

訪問診療・往診まわりでの電子的診療情報連携体制整備加算の扱いを、確認の順番に置き直すと次のようになります。

  • その診療で初診料・再診料・外来診療料・入院料を算定しているか。算定していなければ、この加算の対象外
  • 在宅患者訪問診療料を算定する定期の訪問診療なら、この加算は付かない(在宅の医療DXは在宅医療DX情報活用加算で評価)
  • 往診で初診料・再診料を算定する日なら、施設基準を満たせば月1回の範囲で対象になり得る
  • 施設基準(電子的診療情報連携体制整備加算の要件の線引き)を満たしているか

判断の軸は「在宅か外来か」ではなく、「初診料・再診料などの基礎点数を算定したか」です。ここを取り違えなければ、在宅の患者でも手が止まらなくなります。

掲示義務との関係

掲示ナビは医療機関・薬局のウェブサイト掲示義務に対応するサービスなので、掲示との関係も整理しておきます。電子的診療情報連携体制整備加算も在宅医療DX情報活用加算も、施設基準を地方厚生局に届け出て算定する項目です。施設基準を届け出て算定する項目は、原則として院内に掲示し、自院のホームページがある場合はウェブにも掲載することが求められます(ウェブサイト掲示義務は令和6年度改定で原則化されました)。

掲示で実際に問われやすいのは、届け出ている内容と院内・ウェブの掲示がずれていないか、です。届け出ているのに掲示にない、改定で加算が再編されたのに古い掲示が残っている、というズレが適時調査や個別指導で指摘されます。どの加算がウェブ掲示を算定要件にしているかはWeb掲示が算定要件の加算【完全リスト】で逆引きできます。掲示ナビは厚生局への届出データを起点に掲示ページを自動生成するため、加算の出入りや改定があっても掲示内容が自動で追従し、この「届出と掲示の不整合」を構造的に防げます。

まとめ

電子的診療情報連携体制整備加算と訪問診療の関係について、要点を整理します。

  • 電子的診療情報連携体制整備加算は、初診料(注16)・再診料(注19)・外来診療料(注10)・入院料に対する加算
  • 定期的な訪問診療(在宅患者訪問診療料)を算定する日は、初診料・再診料を算定しないため、この加算は付かない
  • 往診で初診料・再診料を算定する日は、施設基準を満たせば月1回の範囲で対象になり得る(往診料は初診料・再診料に上乗せして算定するため)
  • 在宅(訪問診療)の医療DX体制は、別に「在宅医療DX情報活用加算」で評価される
  • 判断の軸は「在宅か外来か」ではなく「初診料・再診料などの基礎点数を算定したか」

在宅の患者で加算の扱いに迷ったら、まず「その日にどの基礎点数を算定しているか」に立ち返ると整理できます。算定の入口を正確に押さえつつ、掲示物の管理のような本質ではない作業に時間を奪われないよう、仕組みに任せられるところは任せて、医療現場の時間を診療に取り戻していきましょう。改定の全体像は令和8年度診療報酬改定をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。

出典・参考

一次資料(厚生労働省)

  • 厚生労働省保険局医療課「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日 保医発0305第6号)別添1 医科診療報酬点数表関係 区分番号A000初診料 注16・A001再診料 注19・A002外来診療料 注10(電子的診療情報連携体制整備加算)、C000往診料、在宅医療DX情報活用加算(注13) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

二次資料(専門サイト)

  • ユヤマ公式コラム「【2026年改定】電子的診療情報連携体制整備加算とは?点数・施設基準から電子カルテ必須要件まで徹底解説」 https://www.yuyama.co.jp/column/medicalrecord/electronic-medical-information-sharing-system-development-fee/
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医療系専門ライター

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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1電子的診療情報連携体制整備加算とは
  2. 2結論:訪問診療(在宅患者訪問診療料)には付かない
  3. 3「往診」の場合は扱いが変わる
  4. 4在宅の患者には「在宅医療DX情報活用加算」がある
  5. 5算定を確認するときの整理
  6. 6掲示義務との関係
  7. 7まとめ
  8. 8出典・参考

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