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2026年5月30日 · HIRO

疑義解釈(その7)令和8年5月29日|医療機関・薬局が押さえる改定Q&A総まとめ

疑義解釈(その7)令和8年5月29日|医療機関・薬局が押さえる改定Q&A総まとめ
# 疑義解釈# 令和8年改定# ベースアップ評価料# 掲示義務

令和8年5月29日、厚生労働省保険局医療課から「疑義解釈資料の送付について(その7)」が発出されました。令和8年度(R8)診療報酬改定のうち、令和8年6月1日施行分に関する解釈をまとめたもので、医科・ベースアップ評価料・調剤・訪問看護の4分野にわたる全43問が示されています。

数が多く、どこに自院(自薬局)に関係する項目があるのか探すだけでも一苦労です。この記事は、その7の全43問をテーマ別に要約した「総まとめ=ハブ」として整理しました。まずはここで自分に関係する項目の見当をつけ、詳しく知りたいテーマは個別の解説記事へ進む、という読み方を想定しています。

目次

  1. 疑義解釈(その7)とは|発出日・位置づけ
  2. 【医科】別添1の主な項目(問1〜26)
  3. 【全業態】別添2 ベースアップ評価料(問1〜7)
  4. 【薬局】別添3 調剤の主な項目(問1〜7)
  5. 【訪問看護】別添4 包括型訪問看護療養費(問1〜3)
  6. 【掲示義務で特に重要】医科 問2と調剤 問7
  7. まとめ
  8. 出典・参考

疑義解釈(その7)とは|発出日・位置づけ

「疑義解釈」とは、診療報酬改定の通知だけでは判断に迷う点について、厚生労働省が「この場合はこう取り扱う」と示すQ&A形式の事務連絡です。改定の通知本体を補う「公式の補足説明」と考えると分かりやすいでしょう。改定後はその1、その2…と順次発出され、現場の解釈のよりどころになります。

今回の概要は次のとおりです。

  • 名称: 疑義解釈資料の送付について(その7)
  • 発出日: 令和8年5月29日
  • 発出元: 厚生労働省保険局医療課(事務連絡)
  • 対象: 令和8年度診療報酬改定のうち、令和8年6月1日(R8.6.1)施行分
  • 構成: 別添1 医科(問1〜26)/別添2 ベースアップ評価料等(問1〜7)/別添3 調剤(問1〜7)/別添4 訪問看護(問1〜3)/別添5 調剤の訂正(問1)の計43問

なお今回のその7では、過去資料の整理も同時に行われています。「疑義解釈(その6)」(令和8年5月22日)別添3の問1が別添5のとおり訂正され、「疑義解釈(その2)」(令和8年4月1日)別添5の問15は廃止されました。過去資料を参照する際は、この訂正・廃止に注意してください。

以下、別添ごとに全43問の要点を表で一覧化します。重要度の目安は、施設基準の届出や掲示義務など現場対応が発生しやすいものを高め、限られた病院種別だけが対象になるものを低めとしています。

【医科】別添1の主な項目(問1〜26)

別添1は医科の26問。地域包括診療・小児カウンセリング・在宅系など、無床クリニックから大規模病院まで幅広く関係する論点が含まれます。

問テーマ要点重要度
問1電子的診療情報連携体制整備加算ネットワークの活用は「いずれかの患者について概ね2月に1回以上の閲覧・共有」。加入直後3か月は経過措置あり中
問2同(掲示)情報共有の実績がある「全ての」医療機関名を掲示。概ね3月に1回、定期更新する高
問3同(電子処方箋)原則は処方医全員が発行可能。当面は常勤2名以上(常勤1名のみなら1名以上)でよい中
問4精神病棟看護・多職種協働加算作業療法士・精神保健福祉士・公認心理師は、当月の勤務実績がある者が1名以上いればよい低
問5特定機能病院入院基本料A・B・Cの区分は医政発0424第9号の「特定機能病院A/B/その他」に対応低
問6急性期総合体制加算総合入院体制加算と急性期充実体制加算の間で届出変更した場合の経過措置の適用関係を整理低
問7医師事務作業補助体制加算生成AIの文書作成補助システム導入時は、補助者1人を1.2人として配置人数に算入可能中
問8口腔管理連携加算連携加算1が包括される入院料病棟でも、情報提供の実績件数を要件件数に含められる低
問9地域支援・医薬品供給対応体制加算単品単価交渉は妥結率等報告書で「行っていない」に非該当であることで判定中
問10同(経過措置)令和7年度に報告書提出済みなら、令和8年11月末まで「非該当」とみなし算定可中
問11入退院支援加算1地域包括ケア病棟入院料の病床は、令和9年3月末まで従前どおり対象病床から除いて算出可低
問12精神科急性期医師配置加算等自宅等移行率で、特定施設・認知症GH・障害者支援施設等への退院も4月以内なら3月以内とみなす低
問13同(自宅等移行率)身体合併症の再入院や、2月以上自宅生活後の再入院の取扱いを整理低
問14地域医療体制確保加算4診療科以外への「特別な配慮」の可否と、全診療科の概ね2割を超える場合の取扱い低
問15同/処置・手術の休日加算等チーム制で要件を満たす場合、当番・当直医が他科診療を行うことは可能低
問16同緊急呼出し当番1名に代え当直医1名を置くことは可能(休息時間の規定を満たす必要あり)低
問17医療提供機能連携確保加算「特別な関係」にある医療機関への医師派遣も日数に計上してよい低
問18回復期リハビリテーション病棟入院料「高次脳機能障害」の範囲は別表第九第一号に規定する患者と同様に解する中
問19小児特定疾患カウンセリング料「初回」とは初診日ではなく、イの(1)初回を算定した日。そこから4年が限度中
問20地域包括診療加算・地域包括診療料「認知症以外の疾病」は6疾病から認知症を除いた5疾病に限らない(より広く解する)高
問21在宅医療充実体制加算訪問診療の実人数要件は届出前1か月。直近3か月平均を用いてもよい中
問22在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料CPAP使用時間の計算期間(暦月/直近30日)と、延べ管理月数の算入対象を整理低
問23冷凍アブレーション用バルーンカテーテル「適正使用指針」は日本食道学会の当該指針を指す低
問24特別食加算(嚥下調整食)「5時間以上の研修」に該当する2つの研修を例示低
問25同(責任者要件)問24の研修を令和7年度までに修了した管理栄養士は当面該当する低
問26選定療養(近視進行抑制薬)特別の料金とは別に、調剤料・調剤技術基本料等以外は診療報酬で算定可能中

医科で現場対応が発生しやすいのは、掲示が絡む問2、解釈が広がった問20(地域包括診療)、起算日の考え方が示された問19(小児カウンセリング)あたりです。問1〜3の電子的診療情報連携体制整備加算は、R8改定で論点が多い加算で、関連する解釈を別記事でも扱っています。

【全業態】別添2 ベースアップ評価料(問1〜7)

別添2は、ベースアップ評価料と看護職員処遇改善評価料に関する7問です。賃上げの財源を扱う制度で、医科・歯科・薬局・訪問看護のいずれにも関係します。「ベースアップ評価料」とは、職員の賃上げ(ベースアップ)の原資を確保するために設けられた評価料です。

問テーマ要点
問1施設基準(健康増進事業)施設基準にいう「健康診査に係る健康増進事業」の具体的な範囲(健保・国保・労安法等の各種健診)を列挙
問2届出単位法人本部での一括届出は不可。各医療機関等が所管の地方厚生局に届け出る
問3手当への充当令和8年4月以降に新設した手当でも、毎月決まって支払う給与であれば充当可
問4算定期間と賃金改善期間原則は両期間が一致する必要。ただし令和8年4月から改善する場合の特例あり
問5複数施設勤務の職員勤務実態に応じ常勤換算で基本給等総額を按分して区分計算。法人本部所属者の特例も整理
問6対象職員(事務職員)「事務職員」には医師事務作業補助者(医療クラーク)・診療情報管理士を含む
問7看護職員処遇改善評価料の届出入院ベースアップ評価料と同様の様式で、各地方厚生局のメールアドレスにエクセル提出

ベースアップ評価料は届出様式や賃金改善の実施期間など実務の質問が多く、掲示の観点でも対応が必要な制度です。点数区分の決め方や院内掲示への反映を含めた詳しい解説は、子記事で扱います。

  • 詳しく:
ベースアップ評価料の運用Q&A|新設手当への充当・算定期間・事務職員の範囲(疑義解釈その7)

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疑義解釈(その7)別添2のベースアップ評価料Q&A(問1〜7)を解説。届出は施設ごと、新設手当への充当、算定期間と賃金改善期間、「事務職員」の範囲、届出方法までを一次資料に沿って整理します。

  • 関連:
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【薬局】別添3 調剤の主な項目(問1〜7)

別添3は調剤報酬の7問。経過措置、在宅薬学、そして掲示に関わるデジタルサイネージの取扱いが含まれます。

問テーマ要点
問1地域支援・医薬品供給対応体制加算令和7年度に妥結率等報告書を提出済みなら、令和8年11月末まで該当要件を満たすとみなす(医科問9・10と同趣旨)
問2在宅薬学総合体制加算別表第8の2に該当する患者にあたる、医科点数表の在総管・施設総管の算定項目を列挙
問3同別表第8の3に該当する患者は、在総管等の注10「包括的支援加算」を算定する患者
問4調剤管理料長期処方(28日分以上)が減数調剤で27日分以下になった場合も、調剤管理料1のイを算定
問5調剤時残薬調整加算「薬学的専門的な観点による」理由の具体例(添付文書の服用期間超過の見込み、次回検査での変更見込み等)
問6かかりつけ薬剤師フォローアップ加算廃止された重複投薬・相互作用等防止加算の算定患者を、残薬調整加算等の算定患者とみなしてよい
問7掲示(療担規則)薬局内に掲示すべき事項を、デジタルサイネージ等の電子的表示で掲示してよい(条件あり)

薬局でとくに重要なのは、掲示方法そのものに関わる問7です。電子的表示(デジタルサイネージ)での掲示が認められましたが、「一定時間内に一巡して全て確認できる」「求めに応じて紙媒体を速やかに提示できるよう備え付ける」といった条件が付いています。経過措置を整理した問1も、6月以降の運用に直結します。

なお、衣替えされた地域支援・医薬品供給対応体制加算の運用は、別記事でも扱っています。

  • 関連:
薬局向け|衣替えされた「地域支援・医薬品供給対応体制加算」、6月施行後の運用と掲示・適時調査の見通し

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後発医薬品調剤体制加算と地域支援体制加算を統合した新加算が令和8年6月1日に施行。加算1〜5の点数、加算1の8つの新要件、令和9年5月31日までの経過措置、Web掲示で押さえる項目、供給不安薬除外の臨時的取扱いまで、薬局運用視点で整理する。

【訪問看護】別添4 包括型訪問看護療養費(問1〜3)

別添4は、R8.6.1新設の包括型訪問看護療養費に関する3問です。

問テーマ要点
問1施設基準(研修・情報提供)研修・情報提供は「特別の関係」にない地域の医療機関・他のステーションとの連携が含まれている必要がある
問2訪問看護基本療養費日中に1日2回以上訪問し夜間は訪問していない場合、要件を満たせば日中1回分の基本療養費を算定
問3建物指定併設・隣接する複数建物を一体的に訪問できる場合、複数指定が可能。利用者数は合算する

新設制度のため、施設基準の解釈や建物指定の考え方が論点になっています。制度の全体像は別記事で詳しく解説しています。

  • 関連:
包括型訪問看護療養費とは?2026年6月新設の算定要件・報酬区分・運用Q&Aを解説

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令和8年6月新設の「包括型訪問看護療養費」を一次資料で解説。高齢者向け住まいに併設・隣接する訪問看護ステーションが頻回訪問を1日あたりで算定する仕組みで、対象者・訪問体制・報酬区分・届出と経過措置、疑義解釈その6 別添4の運用ポイントまで整理しました。

別添5は、その6で示された電子的調剤情報連携体制整備加算(調剤)の問1を訂正したものです(電子処方箋の機能拡張があっても、現時点では基本機能に対応した体制があればよい、という内容)。

【掲示義務で特に重要】医科 問2と調剤 問7

その7のなかで、Web掲示義務にもっとも関わるのが医科の問2と調剤の問7です。「Web掲示義務」とは、R6改定(2024年)で原則義務化された、自院ホームページがある医療機関は掲示事項をWebにも掲載するという仕組みです。

  • 医科 問2: 電子的診療情報連携体制整備加算で、情報共有の実績がある「全ての」医療機関名を掲示し、概ね3月に1回更新する
  • 調剤 問7: 薬局内の掲示事項を、条件付きでデジタルサイネージ等の電子的表示で掲示してよい

どちらも「何を、どう掲示し、どの頻度で更新するか」に踏み込んだ解釈です。掲示内容の更新を忘れると、施設基準(加算を算定するための要件)を満たさない状態になりかねず、適時調査(厚生局が施設基準の維持を確認する調査)や個別指導での指摘にもつながります。

この2つの掲示論点は、それぞれの掲示物に何をどう書くかまで掘り下げると長くなるため、別記事にまとめました。

  • 詳しく:
【掲示義務】連携先は全機関掲示・薬局のデジタルサイネージはOK?疑義解釈その7で確定した掲示ルール

【掲示義務】連携先は全機関掲示・薬局のデジタルサイネージはOK?疑義解釈その7で確定した掲示ルール

疑義解釈(その7)で確定した掲示の2論点。電子的診療情報連携体制整備加算は連携先「全機関」を掲示、薬局はデジタルサイネージ掲示が条件付きで容認。医科・薬局向けに実務を解説します。

掲示の更新は、届出内容が変わるたびに発生する地味な作業です。掲示ナビは、厚生局への届出データを起点に掲示ページを自動生成し、同じデータからPDF・PPTXも出力できるため、Web掲示と院内掲示の内容が常に一致します。「届出はしているのに掲示が古い」「Webと院内で内容が違う」といった、調査・指導で指摘されやすいズレを構造的に防げます。

まとめ

疑義解釈(その7)は、令和8年5月29日に発出された、R8.6.1施行分に関する全43問のQ&Aです。本記事の要点は次のとおりです。

  • 構成は別添1 医科26問/別添2 ベースアップ7問/別添3 調剤7問/別添4 訪問看護3問/別添5 調剤訂正1問の計43問
  • 医科では地域包括診療(問20)・小児カウンセリングの起算日(問19)・電子的診療情報連携体制整備加算(問1〜3)が現場対応に直結
  • ベースアップ評価料(別添2)は届出単位・賃金改善期間・対象職員の解釈が整理された
  • 薬局はデジタルサイネージ掲示(調剤問7)と経過措置(調剤問1)が運用に直結
  • 訪問看護は新設の包括型訪問看護療養費の施設基準・建物指定が論点
  • 掲示義務でとくに重要なのは医科問2と調剤問7

自院に関係する項目を見つけたら、原文(出典のPDF)で該当の問・答を必ず確認してください。掲示やベースアップ評価料など、踏み込んで対応したいテーマは子記事へ進むと、より具体的な行動に落とし込めます。

出典・参考

一次資料(厚生労働省・厚生局・支払基金 等)

  • 厚生労働省保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その7)」(令和8年5月29日 事務連絡) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001706317.pdf
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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 1疑義解釈(その7)とは|発出日・位置づけ
  2. 2【医科】別添1の主な項目(問1〜26)
  3. 3【全業態】別添2 ベースアップ評価料(問1〜7)
  4. 4【薬局】別添3 調剤の主な項目(問1〜7)
  5. 5【訪問看護】別添4 包括型訪問看護療養費(問1〜3)
  6. 6【掲示義務で特に重要】医科 問2と調剤 問7
  7. 7まとめ
  8. 8出典・参考
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