【9月28日適用】イトプリドが第1類から指定第2類へ|薬局の陳列と掲示の対応

令和8年9月25日、厚生労働省医薬局から通知が2本出ました。イトプリドを第1類医薬品から指定第2類医薬品に移すという内容で、適用は令和8年9月28日、月曜日です。
区分が1つ動くだけの話に見えますが、薬局と店舗販売業にとっては、売り場と売り方が同時に変わります。

【令和9年3月施行想定】OTC類似薬が一部保険外療養に|77成分と薬剤費4分の1
OTC類似薬の保険給付見直しは「一部保険外療養」として令和9年3月施行が想定されています。対象77成分1,042品目、薬剤費の4分の1が患者負担に。窓口の実務フローと、9月3日の部会でまだ論点として残った3点を一次資料から整理しました。
のような大きな制度変更の陰で、こうした通知は静かに積み上がっていきます。しかも表示についてだけ1年間の猶予があり、陳列と販売と情報提供は適用日から新しい区分で、という組み立てになっています。ここを読み違えると、初日から取扱いを間違えます。
9月25日に出た2本の通知
1本目が、医薬局監視指導・麻薬対策課長の「医薬品の区分等表示の変更に係る留意事項について」(医薬監麻発0925第1号)。2本目が、医薬安全対策課長の「『一般用医薬品の区分リストについて』の一部改正について」(医薬安発0925第2号)です。
後者には改正の中身が端的に書かれています。
1.改正概要 イトプリドが指定第二類医薬品に指定されたことに伴い、通知別紙2にイトプリドを追加する。
2.適用期日 令和8年9月 28 日(月)
根拠になっているのは令和8年9月25日に告示された3本です。第1類・第2類の指定を改める告示第356号、特別の注意を要する第2類つまり指定第2類の指定を改める告示第357号、そして表示の経過措置を定める告示第358号。前者2本が区分そのもの、最後の1本が容器に書く表示の猶予を決めています。
売れる人と、情報提供の重さが変わる
第1類と第2類では、薬機法上の扱いがはっきり違います。
販売に従事できる者は第36条の9で区分ごとに定められていて、第1類医薬品は薬剤師、第2類医薬品および第3類医薬品は薬剤師または登録販売者とされています。情報提供の義務も第36条の10で分かれます。第1類はこうです。
薬局開設者又は店舗販売業者は、第一類医薬品の適正な使用のため、第一類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局又は店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に、厚生労働省令で定める事項を記載した書面…を用いて必要な情報を提供させなければならない。
第2類は、同じ条の第3項です。
薬局開設者又は店舗販売業者は、第二類医薬品の適正な使用のため、第二類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局又は店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させるよう努めなければならない。
書面を用いた情報提供の義務から、薬剤師または登録販売者による努力義務へ。ここが移行の実質です。
ただし厚労省は、緩くなるという受け取り方を想定してか、区分リストの通知にこう書いています。
改正告示が適用され、第一類医薬品から指定第二類医薬品に移行する医薬品について、引き続き適切な情報提供及び販売が行われるよう、販売の相手方に当該医薬品を販売しても差し支えないかを確認するために薬局開設者、店舗販売業者及び配置販売業者…が販売の際に用いることとしている資材及び添付文書の活用等につき、貴管下の関係団体、関係機関、薬局開設者等への指導方よろしくお願いします。
これまで使っていた確認用の資材をそのまま活かしてほしい、という趣旨です。義務の形は変わっても、運用は落とさない前提だと読めます。
置き場所も動く
陳列は施行規則第218条の4で区分ごとに決まっています。第1類はこうです。
第一類医薬品を陳列する場合には、第一類医薬品陳列区画の内部の陳列設備に陳列すること。
指定第2類はこちらです。
指定第二類医薬品を陳列する場合には、薬局等構造設備規則第一条第一項第十四号又は第二条第十三号に規定する情報を提供するための設備から七メートル以内の範囲に陳列すること。
いずれも、鍵をかけた陳列設備に陳列する場合などの例外が付いています。ただ原則でいえば、第1類の陳列区画の中から、情報提供設備の7メートル以内へ、棚そのものが移ることになります。9月28日は月曜なので、前の週末のうちに売り場を触っておく話になります。
表示は1年猶予、でも陳列と販売は初日から
いちばん間違えやすいのがここです。表示については経過措置があります。
具体的には、下記1に示す適用日から1年間は、変更後の区分等表示を記載されていることを要しないこととします。
つまり9月27日までに製造販売された在庫は、パッケージに「第1類医薬品」と書かれたままでも1年間は問題ありません。シールでの対応も認められています。
旧表示医薬品については、シール等を貼付することにより変更後の区分等表示をすることも認められること。なお、シール等の貼付については、製造販売業者の責任の下、店舗等で行われることについても認められる。
一方で、取扱いのほうには猶予がありません。
区分等表示が変更となった医薬品については、適用日以降は、直接の容器又は直接の被包及び外部の容器等の区分等表示にかかわらず、変更後の区分に従った陳列、販売及び情報提供等を行うこと。
箱に何と書いてあっても、9月28日からは指定第2類として扱う。表示の猶予と取扱いの適用日を別々に押さえておく必要があります。
掲示の側でやること
薬局の掲示義務は薬機法第9条の5です。
薬局開設者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該薬局を利用するために必要な情報であつて厚生労働省令で定める事項を、当該薬局の見やすい場所に掲示しなければならない。
掲示すべき事項は施行規則の別表第一の二に並んでいて、その中には「指定第二類医薬品の陳列等に関する解説」という項目と、指定第2類を買おうとする場合は禁忌を確認すること、使用について薬剤師または登録販売者に相談することを勧める旨、という項目が入っています。さらに規則第15条の7は、指定第2類を販売する際、購入しようとする人がこの相談を勧める旨を確実に認識できるようにするための措置を求めています。
これまで第1類だけを扱っていて指定第2類の取扱いがなかった薬局であれば、掲示の内容そのものを見直す場面になります。

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の側も同じ内容になっているかを一緒に確認しておくと安全です。院内掲示とウェブで内容が違う、というのが指摘の典型だからです。
まとめ
令和8年9月25日の2本の通知で、イトプリドが第1類医薬品から指定第2類医薬品に移ります。適用は令和8年9月28日です。
売り場では陳列場所が変わり、販売と情報提供は薬剤師による書面での提供義務から、薬剤師または登録販売者による努力義務へ移ります。ただし厚労省は、これまで使っていた確認用資材や添付文書を引き続き活かすよう求めています。表示については適用日から1年間の経過措置がありますが、陳列・販売・情報提供は適用日から新区分です。
こうした区分の移動は、この1年でも繰り返し通知が出ています。

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出典・参考
一次資料
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厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課長「医薬品の区分等表示の変更に係る留意事項について」(令和8年9月25日 医薬監麻発0925第1号) https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260925I0030.pdf
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厚生労働省医薬局医薬安全対策課長「『一般用医薬品の区分リストについて』の一部改正について」(令和8年9月25日 医薬安発0925第2号) https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260925I0040.pdf
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e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号)第9条の5、第36条の9、第36条の10 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145
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e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」(昭和36年厚生省令第1号)第15条の7、第218条の4、別表第一の二 https://laws.e-gov.go.jp/law/336M50000100001
二次資料
- 厚生労働省「新着の通知」(2本の通知の掲載元) https://www.mhlw.go.jp/hourei/new/tsuchi/newindex.html




