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保険外併用療養費
2026年9月18日 · HIRO

【令和8年10月1日】プログラム医療機器が選定療養に|掲示義務の対応

【令和8年10月1日】プログラム医療機器が選定療養に|掲示義務の対応
# 選定療養# 掲示義務# 保険外併用療養費

令和8年9月16日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、あるプログラム医療機器を10月1日から選定療養の対象とすることが報告されました。掲示の観点からいうと、これは他人事ではありません。

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がかかるからです。

対象になる医療機関の数は多くありません。ただ「保険で使える回数を使い切ったあと、患者さんが希望して続ける分を選定療養で受ける」という形は、これから増えていく類型です。今回の品目を例に、何が決まったのかと、掲示の側で何をすることになるのかを整理します。

目次

  1. 9月16日の中医協で報告されたこと
  2. なぜ「3回目以降」だけが切り出されるのか
  3. 選定療養になると、掲示の義務がかかる
  4. 料金を決めたら、厚生局への報告も必要
  5. 対象になるのは、届出をしている一部の医療機関
  6. いま確認しておきたいこと
  7. まとめ
  8. 出典・参考

9月16日の中医協で報告されたこと

報告されたのは、塩野義製薬のプログラム医療機器「ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)」についてです。資料には、選定療養の対象とする使用目的・使用方法等がこう書かれています。

小児期における注意欠如多動症(ADHD)の治療補助における、3回目以降の使用 ※患者1人につき2回を限度として保険適用されている。

そして対象とする時期が「令和8年10月1日から」。つまり10月1日以降、保険で算定できる2回を使い終えた患者さんが、本人や家族の希望で3回目以降も使う場合に、その分を選定療養として扱えるようになります。

エンデバーライドは、ADHDの治療補助を目的としたビデオゲーム型のアプリです。令和8年6月1日収載予定として中医協で了承され、特定保険医療材料としての価格は14,500円。あわせて算定する技術料はプログラム医療機器等指導管理料(B005-14)が90点、初回の指導管理を行った月に限り加算する導入期加算が50点です。

なぜ「3回目以降」だけが切り出されるのか

保険適用の算定要件に、回数の上限が明記されています。

患者1人につき2回を限度として算定できる。ただし、2回目を算定する場合には、初回算定日から少なくとも 10 週間以上あけて算定する。

保険で認められているのはここまで。従来であれば、2回使い切った時点で「あとは全額自費」か「使わない」の二択になります。これを、保険診療と併用できる選定療養の枠に入れることで、上限を超えた使用分を患者負担として整理し、続けたい人は続けられるようにする、という組み立てです。

この仕組み自体は、今回のために作られたものではありません。令和6年度改定で枠組みが整えられ、選定療養の種類を定めた告示(平成18年厚生労働省告示第495号)の第二条第十二号に、次の類型が置かれています。

主として患者が操作等を行うプログラム医療機器であって、保険適用期間の終了後において患者の希望に基づき使用することが適当と認められるものの使用

手続を定めた通知は令和6年5月31日にいったん出され、現在は令和8年2月13日付の産情発0213第7号・保発0213第10号が使われています。製造販売業者が選定療養希望書を出す流れで、通知にはこう書かれています。

各月 10 日までに選定療養希望書が受理された(内容等に係る不備の補正が終了した)ものについては、原則として、翌々月1日から選定療養の対象とする。なお、選定療養の対象とすることについて、中医協総会に報告を行う。

9月16日の総会資料は、この「中医協総会に報告を行う」にあたるものです。改定のような大がかりな議論を経るのではなく、申請を受けて粛々と積み上がっていく仕組みだ、と理解しておくとよさそうです。今後も同じ形で品目が追加されていく可能性があります。

選定療養になると、掲示の義務がかかる

ここからが掲示ナビの本題です。療養担当規則の第5条の4は、評価療養・患者申出療養・選定療養について、こう定めています。

2 保険医療機関は、その病院又は診療所の見やすい場所に、前項の療養の内容及び費用に関する事項を掲示しなければならない。

3 保険医療機関は、原則として、前項の療養の内容及び費用に関する事項をウェブサイトに掲載しなければならない。

第3項のウェブサイト掲載は、令和6年度改定で入った、いわゆる

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です。自院のホームページを持っている医療機関は、院内に貼っている内容と同じものをウェブにも載せる必要があります。選定療養はもともとこの対象なので、新しい類型が増えれば、そのぶん掲示する項目も増えることになります。

さらに第1項には、患者への説明と同意が条件として書かれています。

あらかじめ、患者に対しその内容及び費用に関して説明を行い、その同意を得なければならない。

掲示事項等を定めた告示(平成18年厚生労働省告示第107号)の第三でも、選定療養は「患者への情報提供を前提とし、患者の自由な選択と同意がなされたものに限られる」とされています。掲示は、その情報提供の入口にあたるものだと位置づけられています。

料金を決めたら、厚生局への報告も必要

見落とされがちなのが、同じ告示第三に置かれた報告の規定です。特別の料金等の内容を定めようとするとき、または変更しようとするときは、地方厚生局長等に報告することとされています。

つまり選定療養を始めるときは、料金を決める、患者に説明して同意を得る、院内に掲示する、ウェブサイトに載せる、厚生局に報告する、という一式がセットになります。どれか一つだけやればよい、というものではありません。

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は別物なので、混ぜないように整理しておくと安全です。

対象になるのは、届出をしている一部の医療機関

とはいえ、10月1日を全医療機関が身構える必要はありません。エンデバーライドを保険で使えるのは、算定要件を満たす医療機関に限られているからです。

発達障害等に関する適切な研修又は児童思春期の患者に対する精神医療に係る適切な研修を修了した医師が1名以上配置されており、過去6か月間に初診を実施した 20 歳未満の発達障害の患者数が5名以上である保険医療機関において算定する。

加えて、小児特定疾患カウンセリング料または通院・在宅精神療法を算定している患者が対象で、環境調整や心理社会的治療を実施しても期待する症状改善が見られない小児のADHD患者に限られます。使用にあたっては関連学会が策定するガイドラインおよび適正使用指針に従うことも算定の条件です。

そのため、実際に掲示の追加が必要になるのは、このアプリを現に扱っている小児科・児童精神科系の医療機関ということになります。歯科と薬局は、今回の品目に限っていえば直接の対応は生じません。

いま確認しておきたいこと

エンデバーライドを扱っている医療機関であれば、10月1日までに次の点を決めておくことになります。3回目以降を選定療養として提供するのかどうか。提供するなら特別の料金をいくらに設定するのか。患者と家族への説明をどの場面で行い、同意をどう記録に残すのか。そして、決めた内容と費用を院内掲示とウェブ掲示の両方に反映し、厚生局へ報告したか。

扱っていない医療機関にとっても、今回の報告は先例として意味があります。保険で使える回数を超えた分を選定療養に回す、という設計が現実に動き出したということは、同じ形の品目が今後も追加されていくということです。令和8年6月にも

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。そのたびに掲示の項目は静かに増えていきます。届出内容と掲示内容がずれていないか、定期的に突き合わせる運用にしておくと、後から慌てずに済みます。

まとめ

令和8年9月16日の中医協総会で、プログラム医療機器エンデバーライドの3回目以降の使用を、令和8年10月1日から選定療養の対象とすることが報告されました。保険で算定できるのは患者1人につき2回まで、2回目は初回から10週間以上あける必要があり、それを超える分が選定療養にあたります。

選定療養である以上、その内容と費用は院内の見やすい場所に掲示し、原則としてウェブサイトにも掲載しなければなりません。料金を定めるときの厚生局への報告と、患者への事前説明・同意も同じ枠の中の話です。対象となる医療機関は限られますが、この類型は令和6年度改定で用意された枠に品目が一つずつ加わっていく性質のもので、今後も同じ形の報告が続くと見ておいたほうがよさそうです。

掲示物の管理に現場の時間を取られないよう、届出や制度の動きから掲示内容が自動で追従する形にしておく。今回のような静かな追加こそ、その差が出るところだと思います。

出典・参考

一次資料

  • 厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第657回)議事次第」総-1-2「プログラム医療機器の選定療養について」(令和8年9月16日) https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001750140.pdf

  • 厚生労働省「プログラム医療機器に係る評価療養及び選定療養の手続について」(令和8年2月13日 産情発0213第7号・保発0213第10号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001672642.pdf

  • 厚生労働省「プログラム医療機器に係る評価療養及び選定療養の手続について」(令和6年5月31日 産情発0531第3号・保発0531第3号) https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001259605.pdf

  • 厚生労働省「厚生労働大臣の定める評価療養、患者申出療養及び選定療養」(平成18年9月12日厚生労働省告示第495号、令和8年3月27日厚生労働省告示第116号改正) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa8411&dataType=0&pageNo=1

  • 厚生労働省「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」(平成18年3月6日厚生労働省告示第107号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa7837&dataType=0&pageNo=1

  • 厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第650回)」総-3-1「医療機器の保険適用について(令和8年6月1日収載予定)」(令和8年5月13日) https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001699500.pdf

二次資料

  • 塩野義製薬「ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)新発売のお知らせ」(2026年6月5日) https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2026/06/20260605.html

  • 日本ADHD学会「注意欠如多動症治療補助プログラム ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)適正使用指針(第1版)」(2026年5月31日) https://www.js-adhd.org/doc/js-adhd/oshirase_20260526_01.pdf

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目次

  1. 19月16日の中医協で報告されたこと
  2. 2なぜ「3回目以降」だけが切り出されるのか
  3. 3選定療養になると、掲示の義務がかかる
  4. 4料金を決めたら、厚生局への報告も必要
  5. 5対象になるのは、届出をしている一部の医療機関
  6. 6いま確認しておきたいこと
  7. 7まとめ
  8. 8出典・参考

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