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2026年10月9日 · HIRO

【令和8年9月25日】かかりつけ医機能がナビイで検索可能に|院内掲示が要件

【令和8年9月25日】かかりつけ医機能がナビイで検索可能に|院内掲示が要件
# かかりつけ医機能# かかりつけ医# 院内掲示# 機能強化加算# 医療法

令和8年9月25日、厚生労働省が「かかりつけ医機能に関する情報の医療情報ネット(ナビイ)での提供について」を報道発表しました。今年1〜3月に全国の病院・診療所が初めて行った「かかりつけ医機能報告」の中身が、患者向けの検索サイト「ナビイ」で、検索条件として使えるようになったという案内です。

報告率は80.9%まで上がりました。自院が報告した内容は、もう患者が検索して見られる状態になっています。この記事では、何が公開されているのか、院内掲示との関係、次の報告で確認しておきたい点を一次資料に沿って整理します。

目次

  1. 9月25日に発表されたこと
  2. ナビイで患者に見えるようになったもの
  3. 院内掲示は1号機能の「要件」
  4. 機能強化加算の掲示との関係
  5. 次の報告に向けて確認しておきたいこと
  6. 関連する掲示・届出
  7. まとめと次のチェックポイント
  8. 出典・参考

9月25日に発表されたこと

かかりつけ医機能報告制度は、令和5年の医療法改正で創られ、令和7年4月に施行された仕組みです(医療法第30条の18の4第1項)。特定機能病院と歯科診療所を除く、すべての病院・診療所が対象で、自院がどんな「かかりつけ医機能」を持っているかを毎年都道府県に報告します。報告はG-MIS(医療機関等情報支援システム)から行います。

9月25日の報道発表で示された内容は次のとおりです。

  • 施行後初めての報告内容が、医療情報ネット(ナビイ)に掲載されている
  • ナビイでは、かかりつけ医機能に関する項目を検索条件にして医療機関を探せる
  • トップページの「かかりつけ医機能」ボタンから検索条件の設定ページに進める
  • 掲載内容は、医療機関からの報告を踏まえて随時更新している

報告状況(令和8年8月17日時点、全国)は次の数字です。

項目数
対象機関数114,437
報告機関数92,545
報告率80.9%

対象機関数は、G-MISアカウント発行済みの医療機関から歯科診療所と特定機能病院を除いた数です。厚労省は「一定程度の報告率が積み上がったことから」国民にナビイの活用を呼びかける、と発表の趣旨を説明しています。

ナビイで患者に見えるようになったもの

報告内容は大きく「1号機能」と「2号機能」に分かれます。

  • 1号機能:日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能
  • 2号機能:通常の診療時間外の診療、入退院時の支援、在宅医療の提供、介護サービス等と連携した医療提供 など

1号機能で報告するのは、かかりつけ医機能に関する研修の修了者と総合診療専門医の有無、17の診療領域ごとの一次診療の対応可否、一次診療ができる疾患(高血圧、糖尿病、かぜ、腰痛症など約40疾患)、医療に関する患者からの相談に応じられるか、といった項目です。

2号機能は、1号機能を持つ医療機関だけが報告します。たとえば時間外の診療では、在宅当番医制や休日夜間急患センターへの参加状況、連携先の医療機関名、時間外対応加算1〜4の届出状況などが報告事項に含まれます。

つまり、患者は「近所で、糖尿病の一次診療ができて、時間外の対応もしている医療機関」といった探し方ができるようになりました。報告の時点で何気なくチェックした項目が、検索結果の出る・出ないに直結します。

院内掲示は1号機能の「要件」

見落とされやすいのがここです。厚労省の「かかりつけ医機能の確保に関するガイドライン」では、1号機能を有する医療機関と判断される要件の一つに、報告事項について 院内掲示による公表をしていること が入っています。

ガイドラインとQ&A集を合わせると、1号機能を有するとされる条件は次の3つです。

  1. 1号機能の「具体的な機能」を有し、一定の報告事項を院内掲示で公表していること
  2. いずれかの診療領域で一次診療を行えること
  3. 医療に関する患者からの相談に応じられること(継続的な医療を要する人への継続的な相談対応を含む)

報告画面で「院内掲示による公表」を「無し」にすると、1号機能の要件を満たさない扱いになります。1号機能がなければ2号機能の報告対象にもなりません。せっかく時間外対応や在宅医療をやっていても、掲示の一項目で報告の入口が変わってしまいます。

掲示する中身については、厚労省がガイドラインの別冊として「院内掲示様式(例)」を出しています。研修修了者・総合診療専門医の有無と人数、一次診療ができる領域と疾患、相談対応の可否を並べる様式です。G-MISからは、報告内容が入った院内掲示用の様式を出力できます。

なお、ガイドラインがこの要件として求めているのは「院内掲示」です。療担規則に基づく掲示事項のような「原則としてウェブサイトにも掲載」という書き方はされていません。ただ、報告した中身はナビイで誰でも見られます。患者が目にする場所が、院内の掲示、ナビイ、自院のホームページと3つに増えたと考えておくのが実態に近いと思います。

機能強化加算の掲示との関係

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を届け出ている医療機関にとって、今回の発表は無関係ではありません。令和8年度の施設基準通知(保医発0305第7号 第1の3)には、5項目の対応の掲示に加えて、次の一文があります。

医療機能情報提供制度を利用してかかりつけ医機能を有する医療機関等の地域の医療機関を検索できることを、当該医療機関の見やすい場所に掲示していること。

医療機能情報提供制度の検索サイトが、ナビイです(令和6年4月1日から全国統一の「医療情報ネット(ナビイ)」で情報提供されています。東京都の「ひまわり」のように、それまで都道府県が独自に運用していたサービスもここに移行しました)。つまり機能強化加算の院内掲示では、これまでも「ナビイでかかりつけ医機能のある医療機関を探せます」と案内することが求められていました。今回、その検索が実際にかかりつけ医機能の項目で使えるようになった、という関係です。

一方で、機能強化加算の掲示と、かかりつけ医機能報告の院内掲示は、根拠も中身も別です。

機能強化加算の掲示かかりつけ医機能報告の院内掲示
根拠診療報酬の施設基準医療法・かかりつけ医機能の確保に関するガイドライン
掲示する内容服薬管理、専門医への紹介、健診結果の相談など5項目の対応、医療機能情報提供制度で検索できること研修修了者、一次診療の領域・疾患、相談対応など報告事項
掲示場所5項目は院内及びホームページ等、検索の案内は院内院内(1号機能の要件)
届出・報告先地方厚生(支)局都道府県(G-MIS)

令和8年度改定で機能強化加算の施設基準に加わったのは業務継続計画(BCP)の策定で、令和8年3月31日時点で届出済みの医療機関は令和9年5月31日まで経過措置があります。かかりつけ医機能報告そのものを要件にする規定は、施設基準通知には入っていません。

両方に該当する診療所は、掲示物が2種類あることになります。内容が食い違っていると、患者から見て「どちらが本当なのか」が分からなくなります。たとえば機能強化加算の掲示で「時間外の対応方法を案内します」と書いているのに、かかりつけ医機能報告では時間外の体制を「無し」と報告している、といったずれです。

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と並べて、一度見比べておくことをおすすめします。

次の報告に向けて確認しておきたいこと

ガイドラインが示す年間サイクルは、11月頃に医療機関への報告依頼、1〜3月に報告、翌年度4月に都道府県が公表、という流れです。これに当てはめると、次の報告は令和9年1〜3月、依頼は11月頃から始まる見込みです。具体的な日程は都道府県の案内で確認してください。

報告の基準日は毎年1月1日です。実績に関する項目は前年1月1日〜12月31日の1年分、診療報酬に関する項目はNDBデータからG-MISに前年度4月〜3月分が自動で取り込まれます。

今のうちに見ておきたいのは次の4点です。

  • ナビイで自院を検索する:報告どおりに表示されているか、患者の目線で一度見ておく
  • 院内掲示があるか:1号機能の要件です。G-MISの出力様式か厚労省の様式例で、受付付近など見やすい場所に
  • 機能強化加算・時間外対応加算の掲示と矛盾がないか:報告で「無し」にした項目を、別の掲示で「あります」と書いていないか。
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の届出状況は2号機能の報告事項にも入っています

  • 今年の報告を出していない場合:8月17日時点で21,892機関(約2割)が未報告です。ガイドラインでは、都道府県は報告しない医療機関に催促を行うこととされ、報告しない場合や虚偽の報告には報告・是正を命じることができます(医療法第30条の18の4第6項)。大阪府のように期限を延長して受付を続けている例もあるので、所在地の都道府県の案内を確認してください

2号機能の体制について都道府県の確認を受けた医療機関には、患者への説明の努力義務もあります(Q&A集 Q21)。こちらも厚労省が「患者説明様式(例)」を出しています。

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にまとめています。

まとめと次のチェックポイント

  • 令和8年9月25日、厚労省がかかりつけ医機能報告の内容をナビイで検索できることを発表した
  • 報告率は80.9%(令和8年8月17日時点、対象114,437機関中92,545機関)
  • 1号機能を有するとされる要件に「報告事項を院内掲示で公表していること」が入っている。掲示が無いと2号機能の報告にも進めない
  • 機能強化加算の施設基準は「医療機能情報提供制度(ナビイ)で検索できること」の院内掲示を求めている。今回その検索がかかりつけ医機能の項目で使えるようになった
  • 機能強化加算の掲示とかかりつけ医機能報告の院内掲示は根拠・内容が別。両方に該当する場合は中身の食い違いに注意
  • 次の報告はガイドラインの年間サイクルどおりなら令和9年1〜3月、依頼は11月頃から

次のチェックポイントは、11月頃に届く都道府県からの報告依頼です。それまでに一度ナビイで自院を検索し、院内掲示と他の掲示物との整合を見ておくと、1月の報告は前年の確認だけで済みます。

掲示ナビは厚生局の届出データを起点に掲示内容を自動生成しているので、届出が変わっても掲示側を手で直す必要がありません。報告や掲示の種類が増えていくなかで、その管理に現場の時間を取られない状態をつくっておきたいところです。

出典・参考

一次資料(厚生労働省・都道府県)

  • 厚生労働省医政局地域医療計画課「かかりつけ医機能に関する情報の医療情報ネット(ナビイ)での提供について」(令和8年9月25日 報道発表) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_75698.html

  • 同 別添資料(報告状況:令和8年8月17日時点) https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/001755168.pdf

  • 厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」 https://www.iryou.teikyouseido.mhlw.go.jp/znk-web/juminkanja/S2300/initialize

  • 厚生労働省「かかりつけ医機能報告制度」(制度ページ・関係資料一覧) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000123022_00007.html

  • 厚生労働省医政局長「医療法施行令の一部を改正する政令等の施行について」(令和7年4月1日 医政発0401第2号) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001503934.pdf

  • 厚生労働省「かかりつけ医機能の確保に関するガイドライン(第1版)」(令和7年6月、医政発0627第1号 別添1) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001508105.pdf

  • 厚生労働省「院内掲示様式(例)」(同 別添3) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001508107.docx

  • 厚生労働省医政局総務課「かかりつけ医機能報告制度Q&A集(第1版)」(令和7年6月、同 別添8) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001508112.pdf

  • 厚生労働省保険局医療課長「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第7号、第1の3 機能強化加算) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/000456074.pdf

  • 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定 Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価(機能強化加算の見直し)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001681336.pdf

  • 東京都保健医療局「東京都医療機関案内サービス『ひまわり』の全国統一的な情報提供システム(医療情報ネット)への移行について」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/iryo_kinou/zenkokutouitsu

  • 大阪府「かかりつけ医機能報告制度について(医療機関向け)」 https://www.pref.osaka.lg.jp/o100020/hokeniryokikaku/kakaritsuke.html

  • 埼玉県「かかりつけ医機能報告制度について」 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0701/kakaritsukei.html

二次資料(業界誌・専門サイト)

  • GemMed「全国の医療機関等情報掲載する『ナビイ』で『かかりつけ医機能を持つ医療機関、その内容』を検索可能に—厚労省」(2026年10月1日) https://gemmed.ghc-j.com/?p=76821
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診療報酬・医療事務領域を専門とするライター。医療機関での勤務歴15年。臨床業務と並行して院内システムの運用にも携わり、事務長補佐として診療報酬改定対応・病院経営・適時調査・個別指導の実務を経験。制度の「建前」と現場の「実務」のギャップを知る立場から、医療経営者・医事課担当者向けに解説記事を執筆しています。本ブログでは、掲示義務・施設基準・診療報酬改定について、現場目線の実務情報をお届けします。

目次

  1. 19月25日に発表されたこと
  2. 2ナビイで患者に見えるようになったもの
  3. 3院内掲示は1号機能の「要件」
  4. 4機能強化加算の掲示との関係
  5. 5次の報告に向けて確認しておきたいこと
  6. 6関連する掲示・届出
  7. 7まとめと次のチェックポイント
  8. 8出典・参考

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